SOULNOTE A-0のバランス接続とアンバランス接続の音を聴き比べています。


例えばこのEva CassidyのCaravan。

冒頭のドラムの広がりや分離感だけでなく音そのものの精度がまるで違って聞こえます。


使ったケーブルはXLRがBJ-Electric ML-X、RCAがML-RH。ML-RHは新型で聴き比べるとかなり旧型のML-Rよりも良いのでケーブルの質としてはRCAの方がいいにも関わらず音の質が根本的にXLRケーブルのバランス接続の方がいいのです。


正直なところアンバランスのRCAケーブルの接続の音はMarantz Model 40より音場は狭く感じます。音の鮮度感を含めてもModel40の方が良いかなという感じです。


しかしXLRバランス接続ではその評価は一変します。

Marantz Model 40の敵ではないのです。音場感、音の鮮度、共に大きくA-0の方が優れていると感じます。


あくまで我が家でスピーカーをPIEGA Premium301を使った評価ですが、ハイエンドの香りがする音です。

素晴らしいと言っていいと思います。


しかしこの価格帯のアンプを選ぶ人のどれぐらいがバランス接続を使うのでしょうか?

そもそも日本で一般的に入手しやすいD&Mホールディングスの製品は最高級機にしかバランス出力はありません。それらはこのアンプの定価の2倍以上の製品です。


この製品を生かしてくれるのは中華製のDAC群だと思います。これらは例えば私が使っているVMV D-2Rもきちんとしたバランス出力がついています。

もしくはSOULNOTE D-1を組み合わせるかですが、これは30万円以上します。


と言うわけでこのエントリークラスのバランス接続で非常に優れた音質を持つアンプの使い道はかなり難しいなと思うのです。


私のところに来た個体も昨年11月に購入し速攻で手放した方からの購入です。おそらくRCA接続の音質に満足できなかったのではと推測します。


以前のSOULNOTEには10万円台の出力機器がありそれらとペアで使って最大限の効果を発揮するアンプだったのでしょう。しかし今のSOULNOTE には相棒がいないのです。


このアンプを購入された方にはVMV D2Rなどの中国製の音質に優れたバランス出力のあるDACの購入をお勧めします。接続ケーブルはBJ-ELECTRIC ML-XH。その組み合わせで聴く音はMarantzやDenonの同価格の組み合わせの音を遥かにというレベルで凌駕すると思います。それはハイエンドの入り口と言って良いほどの音質です。