皆様、プリエンファシスCDって知ってますか?

私は恥ずかしながら、つい最近まで知りませんでした。実際には、CDの規格書にきちんと書かれているれっきとしたCDフォーマットです。

 

CDが誕生した当時、1980年前後、カセットテープの録音や再生は多くの場合、ドルビーノイズリダクションやdbxという規格であらかじめ高域を持ち上げて録音し、再生時に高域を下げて再生するということが一般的でした。私たちの年代だとドルビーと言えば、ノイズリダクションだったのです。

 

これと同様の仕組みがCDにも規定されています。つまり、高域を持ち上げてCDに記録し、再生時に下げるという仕組みです。当初はアナログフィルターでやっていたようですが、後年はデジタル処理で行う様になったようです。

 

私が、発売当初のCDの音が良いと思っていた中にもこのCDが紛れているかも、となんとか調べる方法を探しました。

私はMAC使いなので、なかなか苦労しましたが、結局、Mac用のソフトは探せず、ParallelsというアプリをMacに導入し、Windows用のソフトで鑑別してみました。どうもプリエンファシスのフラグはCD毎にさらに曲毎に立てられるようで両方を確認しないとプリエンファシスかどうかはわからない様です。


この仕組みは最近のCDではほぼ使われることはないようですが、CD発売当初のCDでは結構使われていたようで、厄介なのは、このフラグがUSBDACでは全く伝わらず高域が強調されたまま再生されてしまうことです。


ちなみにMarantz SA10がプリエンファシスCDに対応しているかどうかをメーカーに確認したところ現代のCDプレーヤーであってもCDプレーヤーと名のつくものは全て対応しているとのことでした。

昔のプレーヤーにはプリエンファシスかどうかを表示する機能があったようですが、今となっては当たり前すぎるので表示はしていないが、対応していなければCDプレーヤーではないと言うことの様です。


さて問題はCDをリッピングした場合です。プリエンファシスCDをリッピングしてUSBDACで再生すると高域は強調されたまま再生されてしまいます。


私の手持ちのCD発売当初のCDを調べてみたところ見事に半分がプリエンファシスCDでした。


Micheal JacksonのThriller、TOTOの聖なる剣、Rebecca IVなどは全てプリエンファシスでした。一方で、最も最初に発売されたBilly Joelの52ndStreet、Rebecca POISON 、などは通常のCDでした。


ストリーミングなどで古い音源を聴くと妙に高域が強いと感じることがあります。もしかすると昔のCDのデジタルマスターをそのまま、つまりプリエンファシスで強調したまま配信しているんじゃないかと思えて来ました。


一方でPOISONのように昔の音源の方が明らかに音がいいと感じる音源も多く、やはり古いCD集めは止められませんが、問題はCDのジャケットを見ても、プリエンファシスかどうかはわからず、特殊なソフトウェアでフラグを確認する必要がある点です。


この問題はなかなか厄介そうです。