前回のブログで、Neo Stream付属のOptiBOXの電源にPetiTank Limited 、PetiTankもどき、TAISコンデンサバンク、TAISアダプターを使った時の音の変化について調べました。
この4機種は全て導通性高分子アルミ固体電解コンデンサを使っています。このコンデンサの特徴は、ESRが低いこと、リプル電流が大きいこと、高寿命なことなどいろいろです。
この特徴を活かすためにTAISコンデンサバンクでは導線に直接並列に10000μF分取り付けています。できる限りコイル成分が少なくなるような工夫もしています。
一方のPetiTank LimitedやPetiTankもどきは基盤に取り付けられており、コンデンサの向きを見る限り、経路の最短化などの工夫は無いように思われます。
この写真でわかるように、TAISコンデンサバンクのコンデンサは全てが導線間に最短距離で接続されています。
一方のPetiTankもどきやPetiTank Limitedはおそらく交互に正極のパターンと陰極のパターンから伸びた櫛状パターンにコンデンサが取り付けられているのではと思われます。
このような設計の違いは、音に影響すると思います。またPetiTankのリードの長さは、TAISコンデンサバンクでの経験ではかなり不利なはずです。
さて、これらをSforzato DST-Lacerta の電源に使ったらどうでしょうか?
今回はリチウムイオンバッテリーの電源(8並列、電源供給能力32W)にこれらのコンデンサバンクを使ってDST-Lacertaを駆動して音を比べてみます。
使った曲はこちらです。
やはりSPECIALZは非常に音の違いが出やすい音源だと思います。NAS内のリッピングデータを使います。
さて音です。実は今回の方が音の違いがより明確になりました。
システムは、Sonore Opticalmodule+DST-Lacerta→VMV D2R →TRV-A300XR→PIEGA Premium301です。
まずTAISアダプターをリファレンス(100点)にして他の評価を行いました。
さてTAISアダプターを電源に使った時の音ですが、とにかく立体的です。冒頭の1分間で比べましたが3D的に音が広がり、前後方向の広がりも十分に感じられます。音は綺麗に分離しこんな音が入っていたんだとびっくりするレベルです。
次にPetiTankもどきを聴きました。これはだいぶ上下の音の広がりが狭く感じますがそれでも十分にいい音です。音の分離感はかなり失われてしまいます。
次にPetiTank Limitedを聴きました。
とにかくリードが長くそこにフェライトコアがついています。音ですがさらに上下は狭くなります。でも何もないよりは音場は広いです。音の粒立ち等は何もなしと変わらないかも。
最後にTAISコンデンサバンクを聴いてみます。
これは世界が変わります。とにかく音場が広いだけでなく音の分離が全然違います。ただしTAISアダプターの様な音の繊細さは感じません。
というわけで、TAISアダプターを100点、何もなしを0点とすると
TAISコンデンサバンク 70点
PetiTankもどき 50点
PetiTank Limited 20点
という感じでしょうか。
お、すごいぞ、と感じるのはTAISコンデンサバンクとTAISアダプターで、PetiTankもどき以下は違うな、という感じがするだけで感動はありません。
OptiBoxの時と違い、TAISコンデンサバンクとPetiTankもどきの間には超えられないはっきりとした壁がありました。
もしかするとPetiTankもどきの構造に改善の余地があるのかもしれません。