DALI MENUETとSonus Faber LUMINA Iは価格もほぼ同等で比較する方も多いスピーカーだと思います。



今日はこの2機種を聴き比べてみようと思います。


アンプ類や送り出しはサブシステムのZEN STREAM + ZEN DAC  SignatureV2とAtoll IN100 Signatureの組み合わせでスピーカーケーブルは自作の空気絶縁スピーカーケーブルを使います。


ZEN Streamの電源は鉛蓄電池+TAISコンデンサバンク、ZEN Dac  Signatureの電源はiPower Elite 5Vを使っています。


まずはDALI MENUETを聴いてみます。


曲はまずは女性ボーカル


こちらです。Jennifer WarnesのThe Hunterから冒頭のRock You Gentlyです。


まず曲の冒頭のパーカッションが空中に散りばめられる部分は気持ちよく空間性が出ていますし、この音だけ聞けば全くいい音です。ボーカルの定位も良く、楽しく聞けます。



次にMillenniumParadeのTrepanationを聴いてみます。

これも奥行き感がきちんと再現され、低域もこのサイズにしたら十分出ています。やっぱりこのスピーカーは評判がいいだけのことはあるなと思わせてくれる音です。

音量は視聴位置で70dbから80db弱とそこそこの音量で集合住宅ではちょっと憚られる音量です。


ではスピーカーをLUMINA Iに変えてみます。



まずはTrepanationを聴いてみます。

ボリュームを調整して同じ音量になるように調整します。


空間性は結構はっきりとLUMINA Iの方が優れています。音の分離感や音場の広さはLUMINA Iの方が上です。ただし低音が物足りず、腰高に聞こえます。音のバランス的にはMENUETの方がこう言った楽曲には優れています。


Jennifer Warnesを聴いてみます。

これも音量を合わせます。うーーーん、さらに低域が足りなく感じます。ボーカルの定位感やポット空間に浮かぶ感じはこちらの方が優れているのですがパーカッションの低域が完全に不足してこの曲の持つ雰囲気が崩れて感じます。ただし空間の広さや音の分離はこちらの方がいいです。


ではクラシックを聴いてみます。

まずはピアノ曲です。


Jorge BoletのLa Campanellaです。

ボレットのカンパネラは私にはピアノが優しく響く感じがして好きなのですがその雰囲気がきちんと出るでしょうか?


おおー これは素晴らしいです。ピアノのタッチの感じが良くわかります。メインシステムで聴くと本当になんで弾き手によってこんなに音が変わるんだろうと思うのですが、その感じがきちんと再現されています。


では辻伸之さんのLa Campanellaはどうでしょうか?



残念ながら辻さんのこの演奏はメインシステムで聞くと私には単調に聞こえてしまいつまらないのですが、どうでしょう。

やっぱり、ボレットの演奏に比べると音が単調かもしれません。その感じはよくわかります。


では弦を聴いてみます。


ヨーヨーマさんのチェロでビオラ・ダ・ガンバのためのソナタです。

ハープシコードとチェロで演奏されています。

チェロは弦の擦れる感じも見事に再現されていますしハープシコードの繊細な響きも綺麗です。


うーーーん、素晴らしいかも。


ではDALI MENUETにスピーカーを変えてみます。



まずはビオラ・ダ・ガンバのためのソナタを聴いてみます。

聞こえ方はだいぶ違います。やはりMENUETの方が低域までのバランスが良いのでチェロの力強さがよく表現できていると感じます。ただしチェンバロの繊細さや音の分離感はLUMINA Iのほうがいいです。気持ちいいのはLUMINAかな。


ではピアノを聴いてみます。

まずはボレットのLa Campanellaです。


うーーーん、響きの優しい感じが半減した感じです。本当になんででしょうか?響きも綺麗ですしこれだけ聞けばなんの不満もないのですが、LUMINA Iで感じた優しい感じが遠のくのです。

ついで辻伸之さんのLa Campanellaを聴いてみます。

MENUETの方が響きが豊かに感じます。ボレットとの差がわかりにくく感じるかも。


ここまでのところだと、クラシックの器楽曲はLUMINA Iの方がお勧めできます。音に繊細さや表現の違いがはっきりわかる感じでしょうか。一方でMENUETはLUMINAに比べて低域まで音のバランスが良く、そのため響きが豊かに感じます。低域をきちんと再生したいなら、MENUETに軍配が上がります。


ではオーケストラを聴いてみます。


春の祭典です

これはもう全然違いました。

LUMINA Iで聴く春の祭典は低域は確かに豊かではないのですが、その音場感、音色の豊かさ、音の分離感などからくる躍動感が素晴らしく音が空間全体に散りばめられた感じで、まさしく春の祭典でした。


一方のDALI MENUETで聴く春の祭典はこじんまりとしてしまいこの音源が持つ 魅力が半減以下の感じです。

少なくともこの春の祭典を結構な音量(強奏部で視聴位置で85dB弱)で聴く限り圧倒的にLUMINA Iの方が良いです。


もう少し穏やかな曲を聴いてみます。


くるみ割り人形から花のワルツです。

やはりこれもLUMINA Iで聴く方がかなり楽しいです。

音場が広く一つ一つの楽器の音色が綺麗に響くのはLUMINA Iです。

弦の擦れる感じまでわかる様です。

DALI MENUETは音の広がりがLUMINA Iに比べるともう一つで音が絡み合ってほぐれていない感じがします。


私の予想では低域が良く出るMENUETの方がオーケストラは良いのではないかと思ったのですが結果は逆ではっきりとかなりの差でLUMINA Iの方がいいです。


したがって、もしこの2機種で迷われているのであれば、クラシックを聴く方には私はLUMINA Iを強くお勧めします。


最後にROCKのマイケルジャクソンを聴いてみます。

まずはLUMINA Iで聴いてみます。


うーーーん、立体感があっていい感じです。低域の少なさはあんまり気になりません。

このスピーカーが以前は10万円ちょうどで売っていたと言うのが信じられないほどの音質です。やはりLUMINA Iは傑作スピーカーだと思います。


MENUETに変えてみます。

おおー、これはこっちの方が迫力があっていいかも。バスドラの音が全く違います。音の立体感や音場の広さはLUMINAの方が優れていますがMENUETでもそこそこいい感じです。低域はさすがにMENUETの方が迫力がありこの曲の雰囲気はこちらの方が伝わると思います。


うーーーん、低域の必要なROCKを聴くならこっちがいいかも。


と言うわけで、DALI MENUETとSonus Faber LUMINA Iを聴き比べてみました。

私はすっきりした立体感に富んだ音が好きなので、この両者でどちらか選べと言われたら、LUMINA Iを選ぶと思います。ただし低域がやはり不足がちですしROCKやPopsを中心に聴くならMENUETの方がいい場合も多いと思います。

一方でクラシック中心の方にはこの2機種ならLUMINA Iを強くお勧めしたいです。


この2つのスピーカーはかなりキャラクターが異なります。できれば好きな良く聴くソフトをショップに持ち込んで聴き比べてから選んだ方がいいと思います。