前回のブログからの続きです。是非、前回のブログからご覧ください。

 

 

 

 4.模型用LiPoバッテリーの充電の実際

 

  充電に必要な器機

 

模型用LiPoバッテリーを充電するためには専用の充電器が必要です。専用充電器にいろいろな種類がありますが、余り安価なものはバランサーの性能が悪く、上手くバランスがとれないことがあります。私は幾つかの機種を使って、もしオーディオでLiPoバッテリーを使うなら、日本の双葉電子工業が販売している、CDR-8000Lをおすすめします。

 

使い勝手も、バランサーの性能も別次元です。バランス充電器は数千円からありますが、安物買いの銭失いですし、充電時に発火する危険性が最も高いことを考えると、できる限り高品質の充電器を使う必要があります。

 

この充電器の充電用端子は、TX60コネクタという形の端子です。私の端子はT型コネクタなので、変換ケーブルを使って居ます。

 

 

 

 

 

これが変換ケーブルで、アマゾンで300円程度で売っています。

下が接続コネクタです。この機種には、この端子が2組ついており、2本のバッテリーを同時に充電できます。

この写真の右側の白い端子がJST-XHのバランスコネクタでバッテリーのバランス端子を、左側の黄色の端子がTX60コネクタでバッテリーの出力端子を接続します。白いバランスコネクタの上をよく見ると、右端にー、左端に+と書いてあります。ですから、バランスコネクタの黒い線が接続されている端子を右端にくるように接続すれば良いという事が分かります。

接続したところがこちら

バランス端子の黒い線が右端にきているのが分かります。まあ、心配しなくてもこういうふうにしか接続出来ないようにきちんと突起がついていますから余り気にしなくても良いと思います。

 

充電するときには、基本的には防爆袋という耐火性の袋の中でする方が安心です。もし、こういった袋がなければ、できるだけ、可燃物のない場所で、いらない空き缶等の中で充電するようにします。

下の写真がバッテリーを2本繋いで充電中の所です。

 

 

 

  充電の設定と充電

充電を行うには、はじめに、バッテリーの仕様を確認します。

 

 

このバッテリーは容量9000mAh、11.1Vなので、電圧から3s(セルと読みます)のバッテリーだと分かります。さて、充電の設定を充電器で行うのですが、設定項目は、バッテリー種類、セル数(CDR-8000Lはバランス接続をするとセル数は自動で設定されます)、充電終了電圧(CDR-8000Lでは、1セルあたりの電圧)、充電電流を設定します。

 基本的に充電時に毎回変更する必要があるのは、充電電流だけです。この値を、そのバッテリーの容量が○○Ahなら、○○以下に設定します。○○で充電することを1C充電といい、全くの空っぽのバッテリーなら1時間で充電できるという事になります。使い始めは、できるだけ0.5C、つまり○○Aなら、その半分の値を設定するのがバッテリーのためには良いと思います。私は基本的に1C充電することはなく、大体、0.5-0.8Cぐらいで充電するようにしています。

 このバッテリーは9000mAhなので、1C充電だと、9Aの電流が必要です。今回は、6Aで充電することにしました。

下がCDR-8000Lの設定画面です。設定ダイアルを押すとこの画面が出てきます。バッテリータイプはLiPo,セル数は3s、モードは充電(このほかに放電と保管があります)、電流は6A(0.66C)での充電設定です。

スクロールすると、電圧選択という項目が出てきますが、これが充電終了電圧です。ここでは4.20Vとなっていますが、基本的には4.20Vに設定すると覚えてください。これ以上に設定すると過充電の可能性が出てくるのでおすすめしません。

 

この辺の設定方法は充電器によって様々ですが、ここまで使いやすい充電器は余りありません。

これが充電中の画面です。バッテリー1、2とも、1−3セルそれぞれの電圧が表示されています。現在の充電量は57%と、54%です。実はその後設定変更して、7Aで充電中です。

少し見にくいですが、これが充電終了時の画面です。画面の色が緑色に変わって充電完了と表示され、各セルの電圧は4.20Vになっています。電圧は12.6Vです。だだこの12.6Vという電圧は12.5Vと表示されることもありますが気にしなくて良いです。

 

基本的には全てのバッテリーをこの状態にしてから並列に接続します。電圧にばらつきがあるのに並列接続をしない方が良いです。もし、電圧に極端な差があると電圧の低いバッテリーにとってはアンバランス充電状態となってしまいます。

 

 

  並列接続の仕方

 

バッテリーが全て満充電になり同じ電圧となったら、並列に接続していきます。

その時使うのは並列接続用のコネクタで、これもアマゾンで300-1000円前後で売っています。

私は主に2種類のコネクタを使って接続しています。

これが4並列にするときに使うバッテリーとコネクタです。

 

一つはこういった一体型の並列用コネクタ、もう一つはY字のコネクタです。以前は全てY字で行っていたのですが、余りにも電線が長くなるのでこのコネクタを使うようにしてからは大分すっきりしました。

 

 

 

 

 

これを使って、最終的には

こんな形に繋ぎます。この際に注意が必要なのは、

接続途中のショートです。ショートは即発火に繋がる危険があります。

特にY字コネクタで片方だけをバッテリーに繋いで、片方の端子がむき出しになっている、このような状態になっているときに、この端子には12.6Vの電圧がかかっています。ここが何らかの形で導体に触れるとショートしてしまい、とんでも無いことになります。だって、一挙に2000A以上が流れるのですから、当然発火の危険があるのです。その点、先ほどの一体型コネクタは、むき出しの端子がフラフラしないので、万が一という事が起きにくいので使いやすいと思います。Y字ケーブルを使う場合にはこの、片方だけバッテリーに繋いだ瞬間は緊張してください。

 

 

  DCアダプタの作成

 

さて、これでLiPoバッテリーの並列接続の方法までの解説はおしまいです。この器機を実際にストリーマーなどに繋がなければなりません。そのためには自分でT型コネクタと5.5mm-2.1mm、もしくは5.5mm-2.5mmのDCコネクタの変換ケーブルを自作する必要があります。

 

こんな形のアダプターを自作します。

さすがにこの変換コネクタは売っていません。下に挙げたような部品を買ってきて自分で半田付けします。

 

 

 

 

T型コネクタの半田付けは結構慣れが必要ですし、少なくとも補助アームが2本なければおそらく半田付けできないと思います。もし、そういった道具がなければそれも購入する必要があります。

 

大抵のオーディオ器機のDC入力端子はセンターホット、つまり真ん中のピンが+極です。T型コネクタは横棒が+極ですから、それを繋ぐようにします。これを間違えると器機が破損しますので、まずは器機のマニュアルでどちらがホットかを確認し、確実に接続してください。

そして、できあがったら、テスターを使って短絡が無い事、きちんとプラスはプラスに、マイナスはマイナスに繋がっていることを確認してください。

 

 

さて、準備はできました。今度は実際に使ってみましょう

 

長くなったので次のブログに続きます。