今日は中島みゆきのアルバム「愛していると云ってくれ」を聴いています。




このアルバムとにかく暗い。でもね良いです。冒頭の「元気ですか」なんてこれ、ただ中島みゆきさんの独白が延々と続くだけ。でもこの声の生々しさが良いんです。



この曲をVantageで聴くのは初めてです。冒頭のアコースティックギターの背景で遠くに聞こえるコーラスが徐々に大きくなっていくところが素晴らしいです。
このアルバムが出されたのは1978年。学生運動は浅間山荘事件(1972年)や三菱重工爆破事件(1974年)など悲惨な暴力事件を次々に起こし完全に下火になっていたと思います。私は中学生でしたから当時の大学に様子はわかりません。中島みゆきさんは1952年生まれなので、大学に入ったのが1970年前後のはずです。当時は70年安保から学生運動が挫折と過激化の中で終焉していく時代です。
この歌が出た頃には「シュプレヒコールの波、通り過ぎて」行った時代でした。シュプレヒコールは位置的に通り過ぎるというよりは時間的に通り過ぎていったのです。VANTAGEで聴くこの曲は学生運動へのレクイエムの様に聞こえます。今回初めて、ああこういう歌だったんだと何故か直感的に感じました。おそらく中島みゆきさんの声の表情が非常に良くわかったのが大きいのかもしれません。