オーディオ以外のブログで本当に申し訳ありませんが、危機感を共有したく、投稿いたします。

皆様、もうすでに関西圏、関東圏ではICUがお住まいの地域に一つも無いという状況が生じつつあります。

私の住む政令市では最も大きな中核病院のICUが全て新型コロナウイルスの患者さんに占有されており、もう空きがありません。これはどういうことかというと、その病院がになっていた、三次救急や、大手術をすると言う機能が地域から失われたことを意味します。

つまり、大けがをしても助けてもらえなく成りつつあるのです。


この状況は普通に生活している限り全くわかりません。医療崩壊はすごく静かに起こるのです。そしてみなさんやみなさんのご家族が、大病を患った時、例えば急性大動脈乖離などの命に関わる病気を発症して初めてみなさんの前に、まるで死神のように立ちはだかるのです。お前に治療はできない、死ぬしかないのだと。

今、すでに多くのコロナ感染症患者さんがその死神と自宅で戦っています。少しでも助けたいのですがいくら夜中まで往診しても私達、一人一人の医療者ができる事は限られます。


政府は病床確保と言いますが、新型コロナウイルスの重症者に対応するには大量の人手が必要で、ベッドがあるから何とかなるだろうというのは幻想です。元々、米国や英国と比べ、日本の病院への医師の配置や特に看護師の配置は極端に少なかったのです。ですから、ベッドが多いのになんで出来ないんだと言われても、もともとが、例えば外科医であれば、多くの医師がほぼ休み無く土日も出勤して何とか病院を機能させていたので、今の様な急激な負荷の増大には耐えられない構造があるのです。

 

多分、コロナ病床の確保は可能です。ただし、それをすれば、別の病気で助かる命がさらに助からなくなります。

 

私たちが今しゃかりきにしなければいけないのは感染者を減らす努力です。

 

下のグラフは各県の人口100万人あたりの感染者数と、重症者数(ICU管理の患者数、東京だけは人工呼吸管理の患者数)の片対数グラフです。このグラフで一直線に伸びているという事は、指数的に患者数が増加していることを表しています。指数的に、というのがわかりにくければ、加速度的にといっても良いです。

例えば、京都府、大阪府は、人口100万人あたりの重症者数が50人前後、沖縄県はなんと100人に迫っています。これは無理な数字です。例えば私の住む政令市では成人に使えるICUは全部で100床あるかないかです。コロナ患者さんが一人でもICUに入室すると、他の病床を一般患者さんに使えなくなります。そうすると、沖縄などではおそらく普通の人に使えるICUはほとんど無いと思った方が良い状況です。

是非とも不要な外出は避けてください。特に関東圏、関西圏、沖縄の方達は是非ともお願いいたします。