ヨドバシカメラでB&W 707S2+M-CR612が192000円で売っていました。なんか、セットで買うと割引があるみたいですね。試聴用にM-CR612を購入し、B&W 707S2と組み合わせて聞くことが多いので、もう少しその音をメインシステムと比べる形でレポートしたいと思います。

 

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まず、NASに入ったファイル、及びAmazon Music HDをHEOS経由で聞いてみます。

 

M-CR612の電源は、タップの電源を取っている壁コンセントの片方にNCF Clear Line、さらにNCF プラグホルダーを使って接続したOYAIDE MTS-6IIにフルテック NCF Clear Lineを3つ取り付けたものから、付属の電源ケーブルで接続しています。合計、NCF Clear LINEが4つ噛んでいることになります。

 

実は、このM-CR612、NCF Clear LINEを使うのと使わないのとでは音が天と地ほども変わってしまいます。実際には、M-CR612ばかりではなく、メインシステムの代替パワーアンプ(A−200は未だ入院から帰宅せずです)Nmode X-PW1の音も大幅に変わります。不思議なことに両方とも変化の方向は全く同じ。音の分離と立体感の違いです。

 

スピーカーは、シングルワイヤー接続で、たすき掛けにしています。

 

さて、この環境でネットワークプレーヤー兼プリメインアンプとしてMーCR612をB&W 707S2に接続して聴く音は、非常に立体感にとんだ音で本当に楽しい音です。

 

JーPOPでよく試聴に使っている、ポルカドットスティングレイのFICTION。この曲は、下手なシステムで再生すると音の分離が極めて悪くなりうるさいだけになってしまいます。しかし、良好なシステムだと、音が綺麗に分離してくれるのです。

MーCR612+707S2の音は、ブラスの音は綺麗に空間に広がり、明確にギターと分離しています。ボーカルは中央に浮かび、ギターは少し手前の空間に浮かび、右手前のスピーカーよりもかなり外側の空間にリズム(リード?)ギターが。手で触れそうな感じです。

これらの空間表現はメインシステムと同等に近いです。もう、これで十分じゃんというレベル。

メインシステムで同じ曲を聴くと、低域の充実度はもう、比較になりません。また、ギターの細かい表現などは多少、こちらの方がいいかも。しかし、空間の再現性という意味では、どうでしょうか、あまり違わないかもしれません。少なくともFICTIONを聞くなら、ここまでのシステムでなくても十分に楽しめます。まあ、それでも、100人にどっちがいいと聞いたら、99人がメインシステムの音がいいと答えるぐらいの違いはありますが、値段がもう全然違いますから当然です。

同じく、ポルカドットスティングレイのトゲめくスピカ(タテヨコver)

これ、はM-CR612とメインシステムで聞こえかたが結構違います。この曲は、中央にベースとドラムの低音が集中し、特徴的にリズムを刻みます。その前にボーカルが浮かぶ感じ。この低域がうまく再現できていないので、707S2ではこれが再現できません。ギターの立体感もメインシステムでは空間にポッとギターとボーカルが浮かびすごくきもちいいのですが、M-CR612+707S2では平面的です。1:50秒過ぎから、正面左手にギターソロ、中央にボーカル,その後ろにドラムという非常にシンプルな構成になるのですが、この部分がメインシステムだともう、本当に気持ちがいい。M-CR612+707S2はドラムの低域がもうひとつなのと、立体感が多少ですけれど欠けるので、気持ちよさが6割程度。また、コーラスの広がりがメインシステムでは部屋中に漂う感じなのですが、M-CR612では横に広がる感じで部屋中に広がるという感じが希薄です。この違いが結構、聞いた時に決定的に違う感じを与えます。

メインシステムで聴く、この曲はオリジナルバージョンよりもかなりいいアレンジに聞こえますが、M-CR612 +707S2ではそこまでではありませんでした。

こんなふうに、曲によってはハイエンドは決定的に違う音を聞かせてくれます。まあ、今回もそれが確認できて少し安心できましたが、M-CR612+707S2の音はそれだけ聴けばもう十分でしょうという質を持っていると感じます。

 

マイケルジャクソン Who is it は、冒頭のコーラスは空間に漂う感じが十分に出ています。

それに続く特徴的なベースのリズムはやはり迫力不足ですが、でも、エントリースピーカーよりはキレも良く低域も伸びています。マイケルジャクソンのボーカルは中央に浮かぶ感じで、口元も小さいです。メインシステムできくと、おそらく電子ドラムの打ち込み系の音が空間に立体的に、例えば、頭の横で聞こえたりというように散りばめられているのですが、それが前後方向の広がりが圧縮されてしまい、全て自分の前方に聞こえます。そのために空間の広さが感じられません。これも、聞こえかたはメインシステムとだいぶ差があります。

 

Helge Lien Trioの Spiral CircleからTake Fiveを聞いてみます。

M-CR 612+707S2では冒頭のドラムの特徴的な空間にドラムの音を散りばめた録音は十分に再生できています。いい感じです。メインシステムと比べると低域不足のため、音が腰高になるのは仕方ありません。空間分解能はまあまあですがやはり前後方向が圧縮されている感じで、そこの分離は今ひとつです。

例えば、6分前後のベースをボーイングする部分、ベースのボウイングは手前に低く響き、その後ろ少し上方にギターの低域弦の音がリズムを刻むのがメインシステムでは手にとるようにわかり、もう素晴らしいのですが、M-CR612では低域不足+空間分解能がもう一つのためにふたつの音はほぼ同じ前後位置から聞こえてきて、重なり合う感じになっています。ただ、かなりハイレベルな話だとは思うので、M-CR612+707S2の音はもうこれでもいいじゃんというレベルには確実にあります。それが20万円未満で手に入るのですから、もし、いい音でオーディオを聴きたいのであれば、この組み合わせは確実にありですし、今は納品待ちのようですが、納品を待って手に入れる価値は十分にあると思います。ただし、電源のノイズ対策は必須で、それをするのとしないのとでは、音はもう、天と地ほども変わってしまいます。

 

M-CR612+707S2はかなりおすすめのシステムだと思います。今度、KEF LSXと聞き比べてみようと思います。