これまでハイエンド機器でエントリースピーカーを鳴らしてその実力の程を見てみましたが、これからはマランツのM-CR612でエントリースピーカーを鳴らしたらどんな風になるのかをConfidence C2+C3900+A200+DAVEとの比較をしながら検証してみたいと思います。今回の企画ではあるアルバムがスピーカーごとにどんな風に聞こえるのかをレポートしてみます。

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さて、はじめはMichael JacksonのアルバムDangerous.

曲は Who is it.

まずはメインシステムで聴いてみます。冒頭のコーラスに続くベースと電子ドラム、ボーカルは中央部にありながら音は立体的に分離してそれぞれが宙に浮かぶ感じ。マイケルジャクソンのボーカルは息づかいやためる感じがよくわかります。

低音のリズムは塊感を持って前に出てくる感じ。3:00過ぎのコーラス、ボーカル、シンセサイザーなどで盛り上がる部分では、オーケストラの再生のように音に厚みが出て、それでいて分離も良いという素晴らしい状況です。再生はRoon経由です。

 

次は、M-RC612+Klipsch R-51Mです。

最も違うのは音の厚みです。音圧計で同じ音量になるように調整しているのに、はるかに低域のエネルギーはメインシステムの方が高く、例えば、3:00前後にある、コーラス、シンセサイザーボーカルでの盛り上がる部分ではメインシステムでは音が空間に満ちて前後左右に厚みを持って満ちる感じがあり、オーケストラの様な感じなのですが、M-RC612+Klipsch R-51Mではもっと音数が少なく、かつ厚みも無い感じです。

一方で、M-RC612+Klipsch R-51Mでも音の厚みを別にすれば立体的に広がる音場は十分に感じる事ができますし、マイケルジャクソンの意図は十分に伝わって楽しめます。音の前後の広がりの表現もきちんとできています。これだけ聴けば何の不満もありません。

 

低域がもう少しあると良いなと思いながら、スピーカーをヤマハ NS-B330に変えてみます。

音の厚みは大分改善します。また、音の色彩もこちらの方が豊かに感じます。何よりもC2+メインシステムで聞く音に近い感じがします。音もこちらの方が前に出て来る感じで、C2に似ています。特に1分30秒前後、3分前後のコーラス部では音の厚みもあり、音に包まれる感じも多少出ています。これもメインシステムに似た感じです。

結構楽しいかも。ついついずっと聞いてしまいます。Klipschよりもこちらの方が私は好きです。

 

低域がある程度充実しているもう一つの機種、Paradigm Monitor SE atomで聴いてみます。

おおー、冒頭のコーラスがC2と同様、スピーカーより後ろの空間に淡く漂います。これはKlipsch、ヤマハと全然違います。特にヤマハは前に出てきてしまう感じでした。こうしてみると、やっぱりスピーカーの音に対する支配力はかなり大きいと言えます。これまで聴いてきたヤマハやKlipschに比べると音の分離が良いです。音数も多く、前後方向の分離が良く、前後の広がりも一段上と感じます。

実際、ここまで再生できるなら、もうこれで十分じゃんと思うだけの質があると思います。

まあ、C2+メイン機器と比べると、低音の迫力、音数の多さ、音の分離など音量計で音量を両者で合わせても全く違います。その差は軽自動車とF-1マシンぐらいの違いがあるのですが、軽自動車でも全く車としては快適なように、C2+メイン機種を聴かなければもう十分な感じです。

 

後半は、OBERON 1、LUMINA Iなど低域が余り出ない機種を聴いてみます。こちらの方が集合住宅では使いやすいかもしれません。

 

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