最近母の認知機能が落ち気味で本人も辛い様子。昨日も父と行き違いがあり泣いていました。

そこで、母の1番楽しかった時代の母の宝物、コロンビアレコードが50周年記念に録音したブルーノ・ワルター指揮ベートーベン交響曲全集の話をしてみたら、段々と機嫌が直り喧嘩していた父と共に私のうちでレコード鑑賞。





発売年は1961年ですから母が26歳の時に買ったのだと思います。当時1万円だったと。母の初任給が6000円、調べてみると上級国家公務員の初任給は1万円ほどだったので、今の価値だと10万円以上はしていたことになります。これを母が買うのはよほど欲しかったのでしょう。レコードを聴きながら何度もこのレコードが欲しくてしょうがなかったと言っていました。


田園を聞いてみます。


2人とも耳が遠いので音はかなり大きくして。

母は何度も「これは私のレコードの音なの?全然違う。コンサートに来たみたい。」と。父もすごいなと。


母はすっかり機嫌が直り、ニコニコで帰って行きました。本当によかった。私も嬉しくなりました。


昭和20年台の終戦後の物なかった時代にレコードやコンサートが母や父にとって本当に心の拠り所だったのだと思います。そして今とは全く違う価値があったのかもしれないと、便利過ぎる現在のストリーミング環境を少しだけ恨めしく思いました。




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