大阪万博、来年の4月13日から半年間開催されるから、あと7か月しかない。まだほとんど出来上がっていないようだが、間に合うんだろうか。万博協会もヤキモキしているだろうが、多くの万博反対派は「間に合いませんように」と祈っているところだろう。

 

パビリオンが間に合わないは、メタンガスは爆発するは、うんこの臭いがするは、糞尿・下水処理はうまくいかないは、隣でIR工事していてうるさいは、アクセスの混雑が酷いらしいは、シャトルバスの運転手が足りないは、前売り入場券は売れないは、電子チケットがめんどくさいは、学校生徒たちは無料でも行かないは、費用はどんどん膨らむは、3,000袋の汚染物質PCBが埋まっている上に大型駐車場を作るは……。

問題山積どころじゃないんだな。こんな状態でまともに万博開催など出来るわけがないんだな。

 

大阪府の吉村洋文知事が4月13日、日本テレビ系「ウェークアップ」(土曜)に生出演した。吉村氏はちょうど1年後の開幕に「9年前に誘致、構想した段階から携わっていますので、本当に楽しみにしています。もうワクワク、ワクワクしています」と声を弾ませたというが、本当は万博が上手くいくわけがないと一番分かっているのは吉村だから、この「もうワクワク、ワクワクしています」は、心労で「心臓がバクバク、バクバクしています」と言いたかったのではないか。

 

そういう状況をいつものデモクラシー・タイムズがYoutubeで伝えてくれる。

西谷文和さんが、呆れながら笑いながらの解説が、さすが関西人だけあって面白い。

ドローン空撮で最新進捗状況を隈なく見せてくれるから、とてもよく分かる。

 

 

そんな中で、面白いというか恐怖の休憩所の紹介があった。

総重量は約90トンで、高いところで地上約9.5メートルになるという自然石を、ネックレスのようにケーブルに通して吊るす「石のパーゴラ」で作られた休憩所だ。1個90~250㎏もあるという。

(トラ注:パーゴラとは、ベンチや屋外卓などの休養施設の上部に設置される修景施設 。 日陰棚などともいう。 本来はラテン語でぶどう棚を意味し、つる棚、緑廊と呼ばれることもある 。知らなかったな。)

 

誰もが一目で「なんじゃこりゃ」「あぶねえなあ、強風が吹けば落ちてくるぜ」と感ずるけったいな、というかアホらしいアート作品だ。

しかもこんなデタラメな休憩所の費用が4.2億円というから驚きだ。やらずぶったくりとはこのことだ。

 

 

この石のパーゴラ、日よけにも何にも役に立たない。危険だけを感じさせる。

「大きな重たい石を吊るされてる下で、安心して休憩とか出来る?」「雨も防げない構造の屋根をわざわざ重いもの吊るして作る理由がよくわからない」「これって本当に大丈夫なの?」といった安全性を疑問視する声が相次いだそうだが、全くその通りだ。

 しかし、設計者は安全性を強調する。まあ作った奴はそういうに決まっているが、最近の強風、竜巻は半端ないんだけどな。

 

 

しかし、これが有名になれば、怖いもの見たさにこのグロテスクな石の休憩所を一目見ようと集まってくるに違いない。

そして、肝試しに「石のパーゴラ」の下に佇む。暑い夏の日でも、日よけにならなくても生きた心地がしないから、ゾッと寒気がしてくるだろう。お化け屋敷に入って涼を楽しむみたいなものか。

でもこの休憩所は命懸けだ。いつ落ちてくるかと怖くて震えて身が縮む。

 

「建築界のノーベル賞」受賞の権威が大阪万博をバッサリ!“350億円リング”「犯罪だと思う」

(日刊ゲンダイ 2024.8.21)

「これを『成功』させてはマズイ」──。来年4月開幕の大阪・関西万博について、そう危機感をあらわにしたのは建築家の山本理顕氏(79)。今年3月、「建築界のノーベル賞」といわれるプリツカー賞を受賞した建築界の世界的権威だ。
 山本氏は20日、都内で開かれた〈緊急シンポジウム 大阪・関西万博の迷走と建築家の退廃〉にパネリストとして出席。350億円もの巨額の予算を投じて整備中の大屋根(リング)や不透明な意思決定プロセスなどについて、建築エコノミストの森山高至氏と建築家の山口隆氏を交えた講演・議論は約4時間に及んだ。
 圧巻だったのが、山本氏の歯に衣着せぬ物言いだ。〈独裁政権による大阪・関西万博〉と題した基調講演で、万博推進の中心にいる「維新の会」を「政治集団としてはあまりにも未熟」「未熟というのも、『権力者が何をすべきか』を分かっているとは思えないから」とバッサリ。

万博会場のデザインプロデューサーを務める藤本壮介氏を名指しして、こう続けた。
「大阪府は完全に(維新による)独裁政権で、そこで決まったことは全て実現するような状態になっている。この時、プロデューサーは『こうしたらいいんじゃないですか』ということを本来ならできるはず。しかし、藤本氏はその役割を完全に放棄しています」
 山本氏に言わせれば、建築家とは「政治権力と住民との調停役」。万博開催の主体である大阪府・市と住民との間を専門家としてつなぐはずのプロデューサーが職務放棄していると訴え、「誰が責任者なのか分からないのが最大の問題」と一刀両断にした。

さらに、藤本氏がデザインしたリングに関しても徹底的に批判。350億円もの巨額予算に「なぜ、こういう見積もりになるのか、設計者は根拠を全部示さなくてはなりません」と主張し、「何の目的もないリングに350億円近いお金をかけること自体が異常です」

さらにダメ押しのごとく、「リングがパクリである」との指摘について「パクリにもなっていない。全然なっていない」と強調。不透明な巨額費用の支出と、説明を果たさない藤本氏の無責任さを非難して「“犯罪”だと僕は思います」と語気を強め、「大阪の住民側から監査請求を出した方がいい」と繰り返した。

 東京五輪はフタを開けてみれば、主催者による犯罪の温床と化していた。果たして、万博は違うと言い切れるのか。」

(引用終わり)

 

松井一郎は「負の遺産であるゴミ捨て場の島を本当の『夢の島』として蘇らせる」というスローガンを当初掲げていたようだが、ゴミ捨て場の島はやっぱりごみの島であり、夢は夢に過ぎず、それよりももっと維新という腐臭をこの島が吐き出して、大阪府民に知らしめてくれた。

この大阪万博の効用は、維新の会の威信低下に多大な寄与をすることだろう。

兵庫県斎藤知事といい、大阪万博も維新にとっては貧乏神みたいなもんだな。

維新にとって命取りになった大阪万博!

いいことだ。応援するぜ。

 

 

大阪万博やめよう音頭