石丸の安芸高田市長としての無能力さ、政治家としての不適格さは、当時の議会動画で十分分かった。少し紹介しようと思っていたが、もう食傷気味なのとこの男の人格障害さは皆に知れ渡ったので、もう紹介する価値がないだろう。
それよりも、なんでこんなダメ男が165万票も取ったのか、である。
バカな評論家は「ぶれることがないエッジの効いた「石丸節」が無党派、若者層で人気を獲得する一方…既存政党への嫌悪感を持つ無党派層の受け皿になった」とか「石丸氏はSNSなどのネット戦略を駆使し、無党派、特に若者層の取り込みで強みを発揮した」とか全く実態を捉えていない通り一遍な面白くない見方で石丸を礼賛する。
野村克也が「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」と昔言った。「負けるときは、負けにつながる必然的な要因がある(不思議な点はない)が、「勝つときには、(どうして勝ったのかどうも思い当たらないという)不思議な勝ちがある」ということだそうだ。
私はそう思わない。
「勝ちに不思議の勝ちあり」ではなく、「勝ちに不思議な勝ちなし」だ。勝つにも必ず理由があるはずだ。泡沫候補が165万票も取れば勝ちだろう。
石丸の一応の「勝ち」は「勝ちに不思議な勝ちなし」であり、ぶれることがないエッジの効いた「石丸節」だとか無党派層の心を掴んだなんてことで165万票は取れない。選挙はそんな簡単なものではないはずだ。勝つためには、莫大な金と大きな組織の力がかなり働いていたはずである。
「政治屋の一掃」が唯一石丸のキャッチフレーズのようだが、古市にそれを突っ込まれて答えに窮していた。なぜなら、自らの政治屋的行動が選挙中から露わになっていたからだ。
「政治屋」と比べられるのは「政治家」。英語ならポリティシャンかステーツマンの比較だ。
ネットを見ると、
「「政治屋」とは、「自分の選挙や当選することをメインに考えて、政治で収入を得る為の仕事と割り切っている人のこと」です。人当たりが良く、民衆に共感して高い人気を得るのですが、いざ当選してからは自分や党の利益になる様に行動する人のことを言います。ここから「政治家=商売」として振る舞う人のこととして使われています。
「政治家」とは、「高い志を持ち、国家や国民の将来を考えて行動する人のこと」です。自分や党がどうのではなく、国家や国民が幸せになる為ならば、自分が不利な立場になってもいとわないと思う人のことを言います。「政治家」の「家」は「プロフェッショナル・職人」という意味があります。
政治のプロであり、国家の将来を考えて行動します。」
と書かれていた。
「政治屋」にはいい意味などなく非難を込めて呼ばれるわけで、石丸もそういう非難の意味で「政治屋の一掃」をキャッチフレーズにしたわけだ。
当然その裏には自分は「政治屋」ではなく「政治家」なんだと。それなら古市の質問に何で答えようとしないのだろうか。ネットに解説があるように違いは簡単だし、悩むような質問じゃない。でも石丸はのらりくらりといわゆる「石丸構文」(今年の新語大賞候補か!)を繰り出す。
(昨日の記事の続きから)
古市「石丸さんが批判する政治屋と石丸さん自身はどう違うんですか?」
石丸「なんか堂々巡りになってる気がするんですけど、先ほど定義についてお話しましたよね」
※初めての質問なので堂々めぐりの要素はありません。
古市「だから改めて定義を聞いてるんですけど、石丸さんの考える、批判する政治屋と、石丸さんが今自分が体現してる政治家っていうのはどう違うんですか?その定義を聞いてます」
石丸「同じ質問を今繰り返しされてます?さっき答えたばっかりですけど」
※石丸氏は政治屋の定義しか答えていません。
古市「だからその定義を聞いてるんです」
石丸「え?もう1回言えってことですか?」
(引用終わり)
石丸はこんなことにも答えようとしないコミュ障なのだが、実は無意識的に答えたくないのであろう。
つまり無意識の中では、石丸はとても「誠実」で「嘘」を吐けないのだ。
自分が「政治家」でないことは十分承知している。「高い志を持ち、国家や国民の将来を考えて行動する」ことなんかてんで考えていない。いわゆる「私欲」のために政治屋になろうとしているから、古市の質問にキチンと答えられずに石丸構文を繰り出す。ある意味で「誠実」なのだ。嘘をつけないのだ。
狡猾で世間を渡り歩く詐欺師なら、堂々と既存の政治家を「政治屋」として罵倒し、我こそが「真の政治家だ」と胸を張って言えばいいのに、虚勢を張ることしか出来ない小心者の石丸はそういう堂々たる「嘘」が吐けない。その結果ぐだぐだとした石丸構文となってしまうのである。
石丸がなぜ政治屋なのか。政治屋を批判する、一掃すると大見えを切ったからには、汚い政治屋連中と一線を画さなければ誰も信用してくれない。
さて、直接石丸は政治屋だというコラムがあった。それをまず紹介しよう。
政治屋に成り下がった瞬間 渡瀬 裕哉
まずこの会見で、安芸高田市長時代の財政再建の成功は自分の手柄と言い切ったことはご愛嬌だ(実際は一時的に市の財政が改善したように“見えた”だけで、ほぼ外部要因だった。
しかし、石丸氏の記者会見で露呈した本当の問題は、そこではなかった。フリーの記者から活動資金について大口の寄付や貸付が存在するのかを問われた際、石丸氏は個人献金上限150万円を行った支援者がいることのみ回答したのだ。
しかしその後、6月27日発売の週刊新潮の取材に答える形で、ドトール創業者である鳥羽博道氏が、
〈僕はいくらでも献金していいと思ったのですが、友人から弁護士に相談しろと言われた。それで弁護士に聞いたら(個人献金は)150万円を超えては駄目だということでしたので、150万円だけ寄付しました。また以前、僕が副会長をやっていたニュービジネス協議会の人々が4000万円、私も1000万円、合計5000万円を法律に沿って貸付けてもいます〉(原文ママ)
と巨額の貸付の事実を話してしまった。
貸付自体は直ちに違法となるものではなく、この手の貸付は永田町界隈では常識的に行われてきた。しかし、それは現行の政治資金規正法に「穴」があるというだけの話だ。
政治献金上限に引っかかるから貸付にする、という行為は現行法では合法かもしれないが、政治家は法を正す立場として倫理的な側面を問われるべきだ。「政治のための政治をする、党利党略に勤しむ、自分第一」の政治屋でないのなら、その法改正を訴えることが筋である。
この時点で、彼は明確に「政治屋」となり、「政治家」としては終わった存在になった(そして「ドトール石丸」というネットスラングが定着した)。
この貸付問題に関する苦しい言い訳として、選挙公示日3日前まで貸付については話すら無かったので回答できなかった、という主張もあり得る。しかし、そんな与太話を鵜呑みにする大人はいないだろう。それを信じるのは社会経験が足りない子どもか、切り抜き動画にスッカリ染め上げられた熱烈な支持者だけだ。
(引用終わり)
そう、石丸はもうそんな政治屋とズブズブの関係になっているのである。
それはもうネットを少し調べれば即座に出てくることだ。(私は昨日まで知らなかったが)
つまり、安倍派で自民党政経塾の塾長代行で選挙のプロである小田全宏が選挙対策本部長に就任し、統一教会系の元自民党で政治評論家の田村重信らが選挙参謀として参加しているし、前から言われていた財界の何人かがバックに付いているのだ。
石丸伸二氏がマイクを持っている街宣車に、統一教会の運営する番組のメインキャスターを勤める田村重信氏も乗っている様に見えますが、下記の画像は捏造という事でしょうか? https://t.co/tcskkAUL4h pic.twitter.com/5WwVln3nZt
— ひろゆき (@hirox246) July 6, 2024
この安倍派系の自民党関係者は大きな目論見、深謀遠慮が働いて石丸に近づいたわけだが、金も組織もなく、あるのは傲慢さと人格障害と石丸構文しかない石丸伸二にとっては渡りに船であったに違いない。
こんな既成政党関係者の支援を受けて堂々と「政治屋の一掃」を訴えるなんていい度胸なんだが、やはり小心が許さないから、古市に突っ込まれてたじたじとなり、石丸構文で誤魔化したわけだ。
しかし、この選挙参謀はさすがは選挙のプロである。蓮舫など足元にも及ばない。
ターゲットは無党派若者層に絞った。
そしてこの層に訴えるには何が必要かと練り上げて、金(公選法違反)と組織を大々的に使って結果を出したのだ。
昔の選挙でB層という言葉が流行った。
ネット解説より。
「B層とは、郵政民営化の広報企画に際して小泉政権の主な支持基盤として想定された「具体的なことはよくわからないが小泉純一郎のキャラクターを支持する層」と定義されている。
2005年、小泉内閣の進める郵政民営化政策に関する宣伝企画の立案を自民党から受注した広告会社・有限会社スリードが、小泉政権の主な支持基盤として想定した概念。
「IQ」が比較的低くかつ構造改革に中立ないし肯定的な層を「B層」とした。B層には、「主婦と子供を中心とした層、シルバー層」を含み、「具体的なことはわからないが、小泉総理のキャラクターを支持する層、内閣閣僚を何となく支持する層」を指すとされる。」
自民党はこのIQの低い、具体的なことはわからないが小泉総理のキャラクターを支持するB層に対し、徹底的にPRをして選挙に勝ったのである。
今回も似たようなものだ。今回のB層は無党派若者層だ。政策など何の関心もない単に面白くて何か変化を感じさせるものがあればいいという政治的無関心だけど知ったかぶりな層。ここを石丸と選挙参謀はターゲットにしてネットその他の誘導を徹底的にやって165万票を掘り起こしたのだろう。
石丸の安芸高田市長としてのデタラメな議会貶めのネット操縦と人格障害的な人物像では165万票も取れるわけがない。まさに、野村克也の逆の「勝ちに不思議な勝ちなし」なのだ。周到に準備し、大金と組織力で勝ち取った165万票だろう。
しかし、小田全宏や田村重信らはこのチンピラの石丸伸二に何を期待したのだろうか。
それは都知事選終了時の石丸インタビューにヒントがあると思われる。
「7日の記者会見で、今後の政治活動について、「まだ決めていない。選択肢としては当然考えている。例えば広島1区、岸田首相の選挙区だ」とぶち上げた。」
今の勢いが続けば、この冗談ともとれる広島1区への立候補で岸田を倒すことも可能かもしれない。
つまり、ここにぽろっと小田全宏らの本音が漏れたのではないか。
小田は安倍元首相と近いようだ。安倍元首相暗殺は某国と日本の権力との合作と思われるし、その後東京地検特捜部と岸田がつるんで安倍派は徹底的に潰された。安倍派にとっての岸田に対する怨念はかなり深いはずだ。岸田への報復をどうするか。それは合法的な岸田の抹殺だ。
つまり、岸田の選挙区へ刺客を送り込む。小泉も多くの刺客を郵政改革反対派に送った。それと同じだが、もう安倍派には力がないし、安倍派の復讐と悟られないような方法を考えないといけない。
その刺客が石丸伸二だ。安倍元首相には山上を送ってきたが、それへの合法的対抗策だ。
東京の無党派層165万はこのように掘り出され、利用されたのではないか、と私は妄想する。
165万人をどうとらえるか。
よく、選挙管理委員会の回し者の如く投票率が上がることをとてもいい事のように言う奴がいる。
あたかも残りに者が投票すれば自分が応援する候補者に票が全部入るかのような。また、投票に行かない者はみんな素晴らしい意見を持っているのに、それを無駄にしていると言いたげに。
しかし、投票率が上がるといことは、経済でいうバブル状態だ。
つまり熱狂的状態。政治が熱狂したらろくなことがない。民主主義が独裁に代わる又は暴走する時だ。
そして社会学者宮台真司が面白いことを言っている。
「だってクズが参加してくるんだよ」
「投票率が上がるってことはクズが増えるだけ」
今回の都知事選でこのことが証明された。
無党派層のクズが石丸を選んだ。石丸はクズの代表ということだ。165万のクズ。
しかし、広島の選挙区で立候補しても問題が一つある。
東京のように広島に無党派層のクズが沢山いるかどうかということだ。
今、石丸伸二の化けの皮が剝がれようとしている。
石丸の化けの皮を張り付けたのはネットだったが、そのネットが石丸伸二の化けの皮を剥いでいる。
次の総選挙まで石丸の化けの皮が張り付いたままでいるか分からない。
(女性自身「石丸伸二氏 都知事選2位の大旋風もテレビ局プロデューサーが「人気は長続きしない」と訝しむワケ」)
「…今回の知事選で知名度は全国区となり、今後は国政の進出も期待され、”石丸新党”などという声も出ているほどです」(永田町関係者)
さらなる飛躍が期待される石丸氏だが、テレビ局の報道関係者はどう見ているのか。
「正直、あれでは使えないですよね。スタッフもスタジオに呼ぶのを困っています」
こう話すのは、在京キー局の報道番組プロデューサーだ。
「我々、報道番組として例えばコメンテーターが率直に質問しても、きちんと質問に対して答えてもられないというのが一番困るんです。揚げ足取りというか、あれではバカにされているといっても過言ではありません。
仮にスタジオに呼んだとしても盛り上がらないし、何より無駄なやり取りが多くなるため、尺(時間)も長くなってしまう。そういった意味では、テレビ的にはあまり出したくないキャラクターと言っていいでしょう」
意外にもテレビなどのメディア出演以外は、石丸氏の語り口調はソフトだという。
「街頭演説などでは自分を支援してくれる有権者に対し、演説もゆっくりと語りかけ、時間も無駄にかけないからファンになってしまう人も多い。ある意味、”演歌歌手の地方営業”に近いノリで、今でいう”推し活”としてハマってしまう有権者が出てきたのでしょう。
それだけに、もうちょっとテレビでも上手く対応して我々メディアを味方につけた方が、今後につながるのでは、と思うのですが……。あれではテレビで応援してきた石丸ファンも決して気持ちいいものではないと思うし、このままだと人気は長続きしないのではないでしょうか」(前出・キー局報道プロデューサー)
今後は国政進出も期待される石丸氏だが、今のスタイルを貫いていくのだろうか。」
そして広島でB層的な無党派層へのキャンペーンが奏功するかどうか。東京は魔物が済んでいたのだが、田舎にはあまり魔物はいないかもしれない。
岸田を落とすのはとてもいいことだが、石丸というモンスターを更に巨大化させてはならない。
ヒトラーのように成長してきたら、小田全宏らのくびきを外して独自に動き出すかもしれないから。