最近のニュースでメガソーラーの銅線泥棒のことが頻繁に報じられている。余程被害が大きいんだろう。
しかし、テレビは困ったことだと騒ぐが、メガソーラー発電が合法的詐欺であることは報じない。
・茨城や栃木など5県で2億7000万円の被害
茨城県警察本部は昨年10月、カンボジア国籍の別の5人が、茨城や栃木など5県で未遂を含む計76件の犯行を繰り返したことを裏付けたと発表した。盗んだ銅線ケーブルの長さは約81kmに及び、被害総額は約2億7000万円にのぼっている。
5人はいずれも技能実習生として入国し、在留期間が満了したあとも、不法に残留していた。SNSを通じて仲間を集め、2022年10月ごろから、茨城や栃木、群馬、埼玉、千葉の5県の太陽光発電所で、銅線ケーブルを盗んだとされている。
・茨城県は2020年から2022年の金属盗の年間認知件数が3年連続で全国ワースト1。全国各地で被害が相次ぐ要因のひとつとして、世界的な銅の価格上昇がある。夜間に人通りが少ない場所の中規模から大規模の発電設備を狙うケースが多く、警察では不法滞在している外国人グループが転売目的で犯行に及んでいるとみている。外国人の場合、グループが分裂しながら、新たな窃盗グループを形成しているケースがあり、この動きは拡大しているという。
・群馬県警は14日、カンボジア国籍の男5人を窃盗容疑で逮捕した。
逮捕されたのは、いずれも同県大泉町寄木戸の工員オック・ケマラと農業手伝いチャイ・ソクカー、無職チャイ・セン・レン、ともに同県太田市末広町の無職シム・トンと工員ラン・ラタナの5容疑者。県警は認否を明らかにしていない。
捜査3課によると、容疑者らは氏名不詳者らと共謀して1月23日午後5時~24日午前7時ごろ、千葉県野田市で、太陽光発電所から銅線約910メートル分(時価約645万円相当)を、同23日午後5時~24日午前6時ごろ、隣接する別の太陽光発電所から銅線約42.5メートル分(時価約50万円相当)を盗んだ疑いがある。
最近は特に銅の価格が高騰しており、県警は、容疑者らが盗んだ銅線を転売しようとしていたとみて、余罪を捜査している。
(引用終わり)
私は不謹慎を承知で、こんなメガソーラーの銅線泥棒たちを称賛する。
よくやった、君たちは現代のロビンフッドだと。
ロビンフッドって何者か?
最近はあまり映画でやらないから知らない人も多いかもしれないが、12~13世紀の英国の伝説的英雄で、シャーウッドの森に住み,部下のリトル・ジョンなどとともに、貪欲な僧侶や富裕な貴族らを襲い、略奪品を貧しい者に施し、悪政に苦しむ民衆を助けた義賊といわれる。
まあねずみ小僧次郎吉と言ったところか。
ロビンフッドやねずみ小僧はまさに泥棒なのだが、悪政に苦しむ民衆を助けたというところが人気の元なのだ。
しかし正論おじさんらは銅線泥棒は犯罪だ、と騒ぐ。当たり前だ泥棒は犯罪だ。しかも泥棒は移民だと分かると更に頭に血が上って、極刑だと騒ぐ。
しかし次のような泥棒はどうだろうか。
大砲の弾を作る軍需工場から砲弾の原料となる鉄を盗んだ。
大砲砲弾製造工場
その結果ウクライナに送られる砲弾が滞り、戦闘が困難になった。
そのおかげで兵士の戦死も減った!
(ウクライナを応援するヤツらにはトンデモの例えだが)
銅線泥棒も砲弾泥棒も同じく泥棒なのだが、感じが少し違ってこないか。
砲弾製造工場は死の商人だからその操業を妨害するのはいいことかもしれない、と。
しかしそういう者も、メガソーラー銅線泥棒は許せんと。なぜなら、メガソーラー発電業者は脱炭素の地球温暖化防止に貢献する平和的事業者だから。
この場合、銅線泥棒より死の商人の方がより悪徳度がひどいと判断しているはずだ。
だから、メガソーラー銅線泥棒は許せんという。
しかし、メガソーラー業者が詐欺師で、金を騙し取られているのは我々だったらどうなるか?
詐欺の邪魔をした泥棒に拍手を送りたい気分になるんじゃないか。
それってまさにロビンフッドではないか!
そう、メガソーラー業者は詐欺師で泥棒で悪人なのである。
公害で環境を汚染、毒を流し自然破壊を行いながら無意味でクズ電力を作りかつ我々の金を盗んでいる!しかし絶対に詐欺では捕まらない。法律がその詐欺を合法と認めているのだ。税金のようなものだ。
九州大学経済学研究院の堀井伸浩准教授は次のように書く。
「…わが国で再エネ導入が本格化した2010年代以降、導入支援策の中心となってきたFIT(固定価格買取制度)は政治が再エネの買取価格を決定し、その価格水準で利益が出る供給者は全て電力を販売できるとするという制度であった。買取期間は太陽光の場合は20年間であり、長期であるが、レントはいずれ解消されるものとして制度化されている。
(トラ注 レントとは競争価格よりも高い価格で取引できることで本来供給者が受け取るべき利益を上回って得られる超過利潤のことを指す。レントを得ようとあれこれ働きかけるからレントシーキングと呼ばれる)
それではこの再エネ・レントは一体どのくらいの金額に上るのだろうか? 再エネ導入のためのコストで電力利用者が負担する金額(買取費用から化石燃料などの発電費用=回避可能費用を引いた金額)は21年時点で巨額の2兆7400億円にまで膨らんでいる 。
ちなみにこれは累積金額ではなく、21年の一年間だけで支払わされた金額である。大量の太陽光発電がわが国で導入されたことをご存じの方は多いと思うが、そのためにわれわれが負担している金額が年間3兆円近くなっているということはあまり知られていないのではないかと思う。
わが国でFIT制度の下で導入されてきた再エネの中心は太陽光であった。当初キロワット時(kWh)当たり43円という超絶高額で全量買い取りが始まった太陽光である。…
再エネはクリーンエネルギーだから、カーボンニュートラルに必要だからと、免罪符を与えられるべきではない。割高な買取費用で再エネを優遇することは、わが国の産業や生活者の利用するエネルギー価格を上昇させ、産業の国際競争力やわれわれの消費余力を削っていくことに他ならないことを認識すべきである。」
(引用終わり)
なぜメガソーラーの発電事業者を私は「詐欺」と呼ぶのか。
それは世の中に価値を与えず、害しか与えないのに必ず儲かる仕組みにしてしまい、全国民から金を奪い取っても逮捕もされないから「詐欺」と呼ぶのである。
昔ブログで太陽光発電は商品たりえないということを書いた。
「商品の価値とは何か。孫正義の太陽光発電はどういう性格の商品といえるのか。
「商品はもし売れなければ(交換されなければ)、価値ではないし、従って使用価値ですらもない。そして、商品が売れるかどうかは、「命がけの飛躍」である。商品の価値は、前もって内在するのでなく、交換された結果として与えられる。前もって内在する価値が交換によって実現されるのではまったくない。」
(柄谷行人「探求Ⅰ」(講談社)より)
それは物事の認識全般にいえることだろう。物理的な事象も歴史的な事象ももともと「在る/在った」のではなく、人に認識されて(発見されて)初めてその事象が発現するのである。人の能力もこれと同じだ。
さて、孫の太陽光発電事業は全て売れる(絶対買い上げてくれる)のだから、ここで言う「命がけの飛躍」がない。では「商品の価値は前もって内在した」のか。トンでもない。
「命がけの飛躍」のない(太陽光発電という)商品は、「売れなければ(交換されなければ)、価値ではないし、従って使用価値ですらもない」のだから、「売る」という行為のない全く商品として成立していないということなのだ。だから太陽光発電の売電は「詐欺」という言葉がふさわしい。」
(引用終わり)
メガソーラー事業者らは、かくも国民から貴重なお金を騙し取っているのである。
そんなトンデモメガソーラー発電の邪魔をしてくれる銅線泥棒さんに怒ってどうするのか。
よくやったと褒めるべきなんだ。社会的に効用を与えたのだから。
銅線切断で一定期間ソーラー発電が止まったのである。その間の発電していたら我々の財布から盗んだであろう再エネ賦課金を払わずに済んだのである。
それは銅線泥棒のおかげだ。だからメガソーラー銅線泥棒は現代のロビンフッドだというのだ。
頑張れ、銅線泥棒たち!