2月26日仏大統領マクロンは第三次大戦につながりかねないような馬鹿げたことを言ったが、すぐさまNATO各首脳はその発言に同意しないことを発表した。

ウクライナ戦争は今や停戦すべきとの見方が多くなる中で、なんで突如としてマクロンはさらに戦争にのめり込むようなことを言ったのか。

 

 

「月曜日(2.26)、パリで欧州指導者がその可能性について議論する会議を主催した後、欧米諸国軍隊をウクライナに派兵する可能性は「排除できない」とフランスのエマニュエル・マクロン大統領は述べた。

「今夜、軍隊を現地に送る公式合意はなかったが、可能性は決して排除できない」と彼は記者団に語った。「この戦争にロシアが勝つのを阻止するため我々はできることは何でもする」とマクロン大統領は述べた。」

 

Moon of Alabamaの記者はマクロンのことを「フランスの小悪党」と呼び、同僚の誰もマクロンに同意しなかったと次のように書いた。

「火曜日、フランスが可能性を示唆した後、ドイツやイギリスや他のヨーロッパ諸国はウクライナに地上軍を派遣する計画はないと述べ、そのような動きは必然的にロシアとNATO間の紛争につながるとクレムリンは警告した。

 月曜日、欧米同盟諸国はウクライナでのロシア勝利を回避するため、いかなる選択肢も除外するべきでないとフランスのエマニュエル・マクロン大統領は述べたが、現段階では同意は得られていないと強調した。

 火曜日、三年目を迎えたウクライナ戦争に地上軍を投入する可能性を示唆しない姿勢をドイツ、イギリス、スペイン、ポーランド、チェコ共和国は示した。

 会議の外で「ヨーロッパ諸国やNATO諸国がウクライナに派遣した地上部隊や兵士はいない」とドイツのオラフ・ショルツ首相は述べた。

欧米諸国軍隊がウクライナに駐留すれば、必然的により大きな戦争につながるとロシア政府は発言した。

NATOの対ロシア・エスカレーションをアメリカは許さないだろう。既にウクライナ戦争から距離を置いている。いつもの通り、抜き差しならない状況おかれたことにヨーロッパ人が気づくのが遅れているだけだ。」

と書き、Moon of Alabamaは続けて

マクロン大統領は少し苛立っているだけかもしれない。1ヶ月前、ロシア空爆で、ウクライナで多くの外国人「傭兵」が殺害されていた。

と書いた。

 

私はこのMoon of Alabamaの記述に注目したい。

マクロンは「この戦争にロシアが勝つのを阻止するため我々はできることは何でもする「NATOの軍隊の派兵も排除しない」なんて、なんで重大なことを勝手に言ったのか。米英独その他がみんな反対しているのに。

それはマクロンのイラつきの表れ、憤懣のぶちまけではないか。

1ヶ月前ロシア空爆で、ウクライナで多くの外国人「傭兵」が殺害された。」

というのは、

「1月16日夜、ロシア連邦軍はハリコフ市にある外国武装勢力の一時配備地点を精密攻撃した。その中核はフランス傭兵だった」と発表した。

国防省によると、戦闘員の大半はフランス人傭兵で、建物は破壊され、60人以上が死亡した。」

ということがあったからだ。

フランス人傭兵とはいうものの、傭兵という名を借りたフランス国軍兵士(高級将校かも)であった可能性が高い。ウクライナ軍をNATOは支援しているわけだが、かなり多人数のNATO軍将校が秘密にこの戦争に参加しているのは周知の事実だ。

 

ロシア軍はそのNATO軍将校による秘密作戦拠点を何度も攻撃している。おそらく、ウクライナ軍にロシアのスパイが入り込んでいてその情報を送っていたのではないか。

前にもブログ記事でそのことを指摘したことがある。

 

 

「約ひと月前に、ロシア軍はウクライナ・リビウにある地下基地(NATOの指令センター)、120メートルも地下の基地を極超音速ミサイル「キンジャール」(別名ダガー)によって攻撃・破壊し、そこにいたNATO軍の将校多数を殺害したとのことだ。

「大手メディアからの洗脳に騙されない為のブログ」(4.26)が、この地下基地攻撃について次のように解説している。

「今年(2023)の3/2に、ウクライナの工作員数十人がロシア国境内のブリャンスク州に侵入して、明らかに民間人だと分かる一般人の乗用車に発砲して2人を殺害、民間人数名を人質に取ったテロ事件が発生しました。

その後に3/9にロシアは「報復」としてウクライナ全土に大規模なミサイル攻撃を行ったのですが、その際に使われた80発のミサイルのうちの6発は 極超音速ミサイルの「キンジャール」でした。

そして、現在ある防空兵器では撃ち落とすことが不可能な、このキンジャールミサイル6発のうちの1発(トラ注:6発全て命中したようだ)はウクライナ首都キエフ(トラ注:別情報ではキエフではなくリビウ)で、作戦会議の為に地下深く120mのところに集まっていたNATOの将校たち300名がいる要塞を直撃し、全員が死亡しました。(トラ注: NATO将校300人ではないようだ)

その後、ゼレンスキー大統領がショックで打ちひしがれたような表情で会見を行い、迎撃不可能なキンジャールミサイル6発が全てターゲットに命中したことを認めましたが、キエフ(リビウ)の地下の要塞でNATOの将校たち300名が集まって会議をしていたことやそこにロシアの極超音速ミサイルがヒットして全員が死亡したことは、報道してはまずい事実だったようですね。大手メディアでは報道されませんでした。

(引用終わり)

 

NATO軍の将校がウクライナ国内でウクライナ軍その他の戦闘指揮をしていることが公になったら大問題(NATOとロシアの直接戦闘に発展)になるから、西側は損害が莫大でも公表できないようだ。

今回のハリコフ市にある「外国武装勢力の一時配備地点を精密攻撃」も同じようにNATO軍の将校が死亡したのだと思われる。

しかし、このハリコフで死亡した60名は、ほぼフランス軍将校だったので、マクロンはこのことに激怒して思わずNATO軍の直接派兵を匂わしたのではないだろうか。

マクロンの怒りに任せた短慮である。(と私は想像する)

 

フランス政府はフランス傭兵はいないといっているが、7カ月前にフランスは少なくとも約320人のフランス人戦闘員がウクライナに行ったことを認めていたのである。

事実上の代理戦争が、もうかなり前から「代理」が取れているのだが、やはり正式にはNATO軍兵士が直接ウクライナで戦闘に参加していないことになっているから、マクロンは余計に自国の兵士がロシアに殺されたことに腹を立てて、「派兵」を口にしたと推定する。

西側の政治家というのは本当にバカもばかりというしかない。

早く停戦を!