正月早々日本を襲った衝撃の出来事!

一つ(能登半島地震)は自然現象だが、もう一つ(羽田空港航空機衝突事故)は人災だ。

日本の今年を象徴しているとしたら、「今年は春から縁起が悪いわ」としか言えない。更に悲劇的なことが起きる前兆なのか?正月から胸の内をざわつかせる。しっかりしたリーダーがいないから余計にそう思う。

自然災害も対応が失敗すれば人災となる。

能登半島地震については、日にちが経つにつれてその被害の大きさが明らかになって驚かされる。

津波は東日本大震災の時ほどではなかったようだが、地震の強烈さはかなりひどい。

 

そんな中で、岸田は二つのチョンボを犯した。

 

 

岸田が現地の支援体制強化へ向けて予備費から40億円を拠出すると表明したことに対し「たった40億」など、額が少ないとする批判がSNSに相次いだことだ。しかもたった40億円のことで閣議決定するという。

日本はウクライナに「復興支援」としてこれから6500億円を送ると言ってるが、すでに日本はウクライナには 昨年1兆8000億円相当近くを援助しているのである。しかも閣議決定も国会審議も全くないままにポンと2兆4500憶円も。

 

さすがに岸田も「しまった」と気が付いたようで、フジのプライムニュースでは

「「発言の一部だけを切り取って報じているのではないか」との認識を示し「(地震)発災後の状況の中で、プッシュ型で必要なものを送り込むための費用として予備費を確保したいと申し上げた」「発災直後のプッシュ型支援において、熊本地震の時は23億円が必要とされた。今回は大変寒い季節で地理的な特徴もあり、その倍以上の予算は求められると。発災直後の支援において、それだけ(40億円)必要と言うことを申し上げた」と述べ、40億円はあくまで、地元の要望を待たずに行う「プッシュ型支援」に活用する額だと強調した。

また「7780億円は(熊本地震の)復興復旧の全体のお金だ。今回については令和5年度の予算が4600億円ほど残っているのを使う。令和6年度の予算も予備費5000億円を用意する。」と。

 

3~4万人が避難し、家屋全壊や道路寸断が各所に発生しているのにそもそも40億円なんてあっという間に使ってしまうだろう。

こういうところが岸田の発信力の無さ、判断力の無さを露呈しているのである。役人の原稿を読むだけだから40億円の意味するところがまるで分からないのだ。

積極的な姿勢を示すなら、「当面は1000億円規模の支援を考えており、発災直後の支援額としてとりあえず40億円用意した」ぐらいに言っておけば40億円には誰も注目しない。

そういう知恵が岸田と取り巻きにはないのである。

 

もう一つのチョンボは台湾の支援申し出をけんもほろろに断ったことだ。

岸田X

「支援の申し出については、その受け入れ体制構築のために要する作業や現地の状況などを鑑みて、現時点では人的・物的支援については、一律で受け入れていないという状況にあります。 同時に、現地体制の構築や負担を要しない支援についてはありがたく受け入れております。」

 

被災地では道路などの被害が甚大で、現時点では陸路で救助隊員を大量に送り込むことが容易でないとのことだが、マスコミですら倒壊家屋の前で妻の救出を待つ夫にインタビューしている。つまり、行方不明者が200人以上もいて救助隊の人手なんか全く足りておらず、猫の手も借りたいくらいなはずだ。

それを台湾の支援に「ニーズがない」とうそぶき、道路などの被害が甚大という馬鹿げた理由で、せっかくの海外救助隊の派遣申し出をわざわざ断っているのだ。

輪島市長や珠洲市長らはこの政府の現地を無視した海外救助隊拒否に抗議しないといけない。

台湾拒否の理由としておそらく全ての海外救助隊派遣拒否することにしたのではないかと意地悪く勘繰る。

 

というのも、アメリカのエマニュエル総督が救助隊派遣を申し出た途端に在日米軍と自衛隊との協力態勢を構築する方針に変更したのである。しかし、それでも台湾は排除したいから米国以外は受け入れない方針だそうだ。

どこまで中国とアメリカの顔色を見るのか、岸田は国民の救助なんて何も考えていない証拠だ。

余りにもいい加減な岸田政権の災害援助対策。

このことは総選挙まで忘れてはいけない。

 

さて、強烈な能登半島地震についてだが、150キロの断層が動いた程度の説明では納得がいかない。下から突き上げる強い加速度の力を説明できないからだ。

毎日新聞

 石川県能登地方で最大震度7を観測した1日の地震について、政府の地震調査委員会(委員長=平田直東京大名誉教授)は2日の臨時会で、震源断層は北東から南西に延びる長さ150キロ程度とみられるとの見解を示した。

能登では2020年12月から群発地震が起きている。調査委は、今回の地震も一連の地震活動に含まれるとの見方を示し、活動は当分続くとみられるとした。

 調査委によると、断層は水平方向に圧縮してできる「逆断層」型で、南東に傾斜しているとみられる。能登半島沖には複数の活断層の存在が知られているが、これらの活断層と、今回の地震を起こした断層との関係について、現状では同一と示す証拠は見つかっていないという。

 調査委は、これまでの群発地震について、地下の水(流体)が断層運動を誘発していた可能性があると指摘してきた。一方、今回の地震と流体の関係については「現状では分からない」と説明した。

(引用終わり)

 

この通り一遍の説明に対して、地震爆発論の石田昭博士は次のように指摘する。

「震源が点で表されるのは、爆発(正しくは爆縮)であるからです。何回も余震が起きるのは、断層理論では説明できません。また地震学者は「歪が解放されることが地震である」、という説明もしますが。これほど短時間に「歪が蓄積」されるはずがありません。

「地震が発生して、新しく歪が生まれ、それが解放されるのが余震である」というような「屁理屈」のような話も地震学者の口から出てきますが、力学的にはナンセンスな話ばかりです。

物理学者なら分かるはずですが、誰も異論を述べないのは不思議な世界です。

断層が動くことが地震ではない

断層は地震の結果として生まれる傷跡である

今の地震学は、因果関係が逆転している 」

 

また、輪島の朝市地区の大規模火災についても次のように指摘している。

「輪島で発生している火災を、NHKは単なる火事だとみて詳細を報じていませんが、これは神戸の地震と同じ「大地震に伴う現象」と見るべきです。
輪島市は今回のM7.6地震(直下型地震)の震央からは30kmほど離れています。したがって、震度は震央よりも低いのでしょうが、地割れから噴出する「解離ガスや過熱水蒸気」が住宅密集地帯を襲い、神戸と同じ火災になったものと考えるべきです。

地震の発生原因を研究しないまま、旧態然として「活断層が動いて、云々」と考えている限り、地震学の進歩も、効果的な防災科学の進歩も無いと思います。
気象庁の発表には何の「正しい科学的な情報」がありません。

神戸の地震でもサンフランシスコの地震でもそうですが、大きな地震が発生すると、「解離ガスの噴出」を原因とする火災が起きるのです。」

(引用終わり)

 

(トラ注)地震爆発論については以下を参照のこと。

地震爆発説による地震発生のメカニズム

水はマグマの熱(高温度)によって水素と酸素に分離します。これを熱解離反応といい、分離した原子状混合ガスのことを、解離水と呼んでいます。

解離する度合いを解離度といいます。解離度は、温度が高いほど高く、圧力が低いほど高くなります。

解離度が低い場所④から高い場所①に移動すると、解離水が増加します。解離は吸熱反応なので、ガスの温度は下がり、すぐには爆発しません②。周囲から熱が移動すると、着火温度に達し、爆発します③。これが地震です。

爆発すると、結合水④に戻ります。①~④を繰り返していることが余震現象で、解離層が安定するまでは余震は終息しません。

 

 

 

地震爆発論ではないが、定説地震学の解説に異論を提起する学者もいるようだ。

2022年8月の記事だが。

まだ続く能登半島群発地震:その原因は本当にプレート起源の水なのか?

    巽好幸ジオリブ研究所所長(神戸大学海洋底探査センター客員教授)

2022/8/10(水)

石川県能登地方では、2020年12月から地震活動が活発になり、2021年9月16日にM5.1、2022年6月20日にはM5.0、そして同19日にはM5.4の地震が発生し、最大震度は6弱に達した。これらの一連の地震活動は衰える傾向は認められず、現在までに200回程度の有感地震が発生している。

今回の一連の地震は、規模の大きな地震の発生後にそれより小規模の地震が続く、いわゆる「本震―余震型」ではなく、なんらかの要因でほぼ同じ規模の地震が長期間発生する「群発地震」と考えられている。そこでここでは、今回の一連の地震を「能登半島群発地震」と呼ぶことにする。

群発地震を引き起こすメカニズムの一つが、マグマの貫入などの火山活動である。しかし能登半島周辺は過去数百万年間にわたって「非火山地域」であり(図1b)、マグマの活動が能登半島群発地震の原因とは考えられない。

 

図1(a) 能登半島群発地震の原因としてのプレート起源流体説(筆者原図)

(b)東北〜中部地方の第四紀火山の分布と沈み込むプレートの深度(原図:産業総合研究所)。

 

群発地震を起こす犯人は「プレート水」か?

過去に起きた群発地震の代表格は、長野県埴科郡松代町(現長野市)付近で1965年から約5年半もの間続いた「松代地震」であろう(図1b)。この地震では大量の地下水が湧出したこともあり、水が岩盤中に浸透して強度が低下して破壊されて地震が発生したと考えられている。またこれらの水の成分を詳しく調べると、地表水がしみ込んだものや、地下に閉じ込められた古い海水(化石海水)ではなく、沈み込んだプレートから搾り出された水がマグマを発生させ、そのマグマが冷え固まる際に再び吐き出されたものである可能性が高い(図1a)。

能登半島群発地震においても、震源付近に電気を通しやすい性質の領域が認められ、その原因としては水が存在する可能性が高いと考えられる。また地震活動に伴って数cmにも及ぶ地盤の隆起が認められているが、この現象も水の浸透によるものとしても説明できそうである。

ただし、水がいかなる働きをして地震を発生させているかについては、まだよくわかっていない。つまり、部分的に水圧が上昇して破壊が起きるモデル、水の貫入によって割れ目が開口するモデル、水の浸透によって破壊強度が低下して広域応力によって破壊が進むモデルなど、地震発生のメカニズムは特定されていない。

一方で、水の起源については多くの地震学者が共通した認識を示しており、マスコミの報道でもこの考えが伝えられている。

この考え方は、基本的には松代地震のメカニズムを能登群発地震に適用したもので、登半島の地下に沈み込む太平洋プレートから水が搾り出され、200km以上も上昇してきた水が地殻に達するというものだ(図1a)。

しかしこのメカニズムには大きな問題がある。図1を見れば分かるように、松代や中部〜東北地方の地下ではプレート起源の水がマグマを発生させ、多くの火山が分布する。つまり太平洋プレートと地表の間には、プレート沈み込みに伴う一種のマントル対流によって「高温領域」が存在し、水がプレートから上昇してくるとマグマが発生するのだ(図1a)。

ところが能登半島では、過去数百万年の間全く火山活動は起きていない(図1b)。マグマは作られてきたのだが、たまたまこの地域では地表に達しなかったと考えるのはあまりにもご都合主義であろう。

能登半島は圧縮力で隆起している

能登群発地震の原因を考えるには、まず能登半島の形成について考えることが重要だ。なぜならば能登半島は、多くの断層に沿った地殻変動によって隆起したからこそ、半島として日本海に突き出ているのだ。そしてこれらの地殻変動を引き起こす力は、この地域に働く北西―南東方向の強い圧縮力である。過去に起きた被害地震の発生やこの方向に配列する逆断層の変異もこの圧縮力によって説明することができる。

(中略)

能登半島には地下深部にまで達する断層系が分布する。この断層に沿って、地表水や海水が地下深部へと入り込む。また、日本海拡大時以降の海水も地下深部に化石海水として存在する可能性がある。

 

図3 考えられる能登半島群発地震の発生メカニズム(筆者原図)。

 

また能登半島では日本海拡大直前や拡大時の火山岩や深成岩が分布しており(図2b)、地下にもマグマ岩体が存在している可能性が高い。これらの岩体は不透水層としてしみ込んだ天水や海水、それに化石海水などの地下水を貯留するであろう(図3)。能登半島には和倉温泉などの非火山性高温泉が湧出するが、その泉質は化石海水を主成分として考えて良さそうである(図3)。

このようにして地下に水を蓄えつつある能登半島には、何度も述べたように強い圧縮力が働いている。水が隙間に存在することで岩盤の強度は低下し、逆断層型の群発地震が起きているのではなかろうか?(図3)。そしてこのような地殻変動を繰り返すことによって、能登半島は日本海に突き出したのであろう。

(引用終わり)

 

プレートテクトニクスと活断層を組み合わせた壮大な地震原因解説のようでいて、これで能登半島地震の原因を説明出来ているのだろうか。地球規模で見れば能登半島の局所的地震や余震をこんな説明では説明したことにならないのではないか。そもそもプレートテクトニクス自体の存在が疑われているのだ。

やはり解離ガスの爆発・爆縮という地震爆発論による説明が最も納得がいくのではないか。

早くこの理論によって地震予知等に生かして対策を打つべきなのである。