最近の事件解決には監視カメラやドライブレコーダの画像が活躍している。

韓国の映画では監視カメラとは言わず「CCTV」と表現しているが、そこいら中に付いているようで、ドラマ作りに大いに活用されている。先日見た韓国ドラマでは、市街には付ける計画はあるが、郊外は予算がないからなかなか付かないとぼやくシーンがあった。

 

日本では韓国ほどではないが少しずつ増加(私物も含め)しているようだ。この防犯カメラがなかったときは警察はどんな捜査をしていたのだろう。通り魔事件などほとんど犯人を捕まえられなかったのではないか。

数十年前は防犯カメラを付けることに左翼は大反対をしていた。プライバシーの侵害だというが、左翼活動に差し支えるということが理由だったのだろう。左翼の本家中国では監視カメラだけでなくケータイその他監視装置だらけだから、日本も共産革命が起きたら、徹底して監視カメラだらけになるに違いない。

 

しかし、これたけ防犯カメラが普及し始めてもなかなか犯人は捕まらない。

無人販売所での食品窃盗が相次ぎ、最近テレビニュースでこのカメラ映像を流すのが流行っているが、顔をぼかしているので、犯人は捕まらないようだ。

(個人的には無人販売所という商売自体に疑問を持っている。店側にリスク意識が無さ過ぎるという意味で。泥棒の肩を持つわけではないが。)

 

なぜニュースで顔にモザイクをかけるのか。

ネットによくあるQ&Aでの回答(素人)は次のようなもの。

回答1

放送倫理によるものが大きいですね。もしその映像が犯行の映像でなかった場合無断で公共の場に晒したことになりますから。そして警察が捜査してますので捜査に影響を与えないようにするためってのもあるでしょう。

回答2

カメラに映った段階はあくまでも容疑者です。犯人と確定するのは裁判で有罪となった時です。だから防犯カメラの画像は勝手に犯人との印象を与えないよう、モザイクをかけます。
そうはいっても警察に逮捕されたら犯人でしょうと考える人もいますが、事件に関係ない個人が印象として勝手にそう考えるのと、報道機関の責任報道の一部として扱う時とはおのずと違ってきます。

回答3

個人には肖像権というものがあり勝手にその人の写真を撮ることは許されません。例えその人が犯罪者であっても。刑が確定していないとその人の了解がなく肖像を公開すると人権侵害の罰になるからではないですかね。

 

まあ予想された回答だが、「犯人と確定するのは裁判で有罪となった時」とか「刑が確定していない」から、容疑者の段階では顔を映し出すのは人権侵害だというのだが、その割に警察から検察に送られる際、拘置所から出てくる容疑者をテレビはバッチリ映して流すのはどういうことなのか。それも微罪であってもおもしろ半分に。

 

また、防犯カメラ映像を流したあとに、警察に被害届をだしているとの説明が入るが、被害届を出して、警察に現行犯と特定してもらってから顔を映し出すことはできないのだろうか。犯人逮捕して調書を取った後でないと映像は流せないのか。たまに、まだ捕まっていないコンビニ強盗の犯行映像が流されているが、どういう基準でモザイクなしの顔を流したり流さなかったりするのかよくわからん。

 

さて、昨日茅ケ崎で以下のような殺人事件が起きた。

「神奈川県茅ケ崎市の住宅で男性が男に切りつけられた事件で、男性が搬送先の病院で死亡しました。警察は殺人事件として切りつけて逃走した男の行方を追っています。

 20日午後1時すぎ、神奈川県茅ケ崎市の住宅で「夫が刺された」とこの家に住む男性の妻から通報がありました。

 警察などによりますと、インターホンが鳴り、この家に住む四方洋行さん(55)が応対するため玄関に出たところ、男に切りつけられたということです。四方さんは病院に搬送されましたが、およそ3時間後に死亡が確認されました。

 切りつけた男は身長175センチくらいでベージュ色の作業着姿とみられるといい、その後の警察への取材で男が海岸の方向に走って逃走していたことが分かりました。」

(引用終り)

 

インターホンには必ずボタンを押した訪問者の顔が録画されているから、犯人の顔は残っているはずだ。

凶器を持って逃走中だから近所の住民は困惑しているのに、犯人の顔を公開することもしない警察。

これも不思議だ。その答えは先日の宮台慎司都立大教授切りつけ事件のその後にある。

 

「東京都八王子市の東京都立大南大沢キャンパスで、同大教授で社会学者の宮台真司さん(63)が首などを切られ重傷を負った事件で、警視庁捜査1課は12日、現場から逃走した男性容疑者が映った防犯カメラの画像を公開した。

同課は殺人未遂容疑で行方を追っているが、事件から約2週間が経過し、有力な情報が乏しいことなどから公開捜査に踏み切った。」

(引用終り)

あの背がバカ高い犯人が逃げる姿が公開されたのである。

警察は自力で犯人を捕まえようとしたが、うまく逃げられてしまい、なかなか逮捕できなくなったので、しようがなしに公開捜査に踏み切ったのである。

つまり、公開捜査するかしないかの決定は、警察がお手上げするかしないか、で決められるといえよう。

茅ケ崎インターホン殺人事件で犯人の顔が公開されないのは、まだ「お手上げ」つまり自力では捕まえられないという諦めに至っていないからである。

 

このご時世、警察はアホというしかない。

別に警察が自力で逮捕できないからといって、「警察は怠慢だ」なんて文句を言う奴はいない。

むしろ、持てる情報をフル活用して、犯人の早期逮捕に尽力すべきである。そうしないと第二の被害者が発生するかもしれないし、住民の不安はいつまでも解けないだろう。

「持てる情報」とは、防犯カメラの映像のことだ。犯人が特定できるという自信があるなら早期にテレビに発表すべきなのである。そうすれば、いとも簡単に犯人は見つけられるはずだし、公開捜査されれば、犯人もこれまでと自首してくる可能性は大いにある。

つまり、折角の防犯カメラはテレビに流して大いに活用していくべきだ。

 

宝石店でショーケースを滅茶苦茶に壊した映像ですら、犯人の顔をぼかすのはどう考えても納得できないのである。