爆破予告メールは頻繁に起きている。今日は長崎新幹線に爆破予告があって、列車運休して避難したそうだ。爆破予告メールのほとんど、というか全てはイタズラでしかないのに。

しかし、日本人は真面目に避難する/させるから、これは犯人の思う壺だ。これからもずっと爆破予告犯の要求には唯々として従うつもりなのか。

 

西日本新聞

・JR九州は28日午後、「西九州新幹線(武雄温泉-長崎)の複数施設に高性能な爆弾を仕掛けた」などとする爆破予告メールが沿線自治体に送られたとして、西九州新幹線の運転を一時見合わせると決めた。午後3時ごろから運転を取りやめる。

 長崎県大村市によると、メールは同日未明に受信。「新幹線の施設複数箇所に高性能な爆弾を仕掛けた」として、爆破時間は「28日午後3時34分」と明示していた。市は長崎県警に相談。同様のメールは同県や長崎市など、複数の沿線自治体に届いているという。

 西九州新幹線は計画からほぼ半世紀を経て、23日に開業したばかり。

 

・西九州新幹線(武雄温泉-長崎)の爆破予告メールを受け、JR九州が運行見合わせを決めたことで、長崎市のJR長崎駅では利用客が足止めされ、駅員らが対応に追われている。

 JR九州によると、同駅では午後2時ごろから新幹線用の自動改札を閉めて構内に立ち入れないようにした。駅員が利用者らに「爆破予告がありました」などと理由を説明し、スーツケースを持った人たちが立ち止まって聞いていた。

 爆破予告メールを受けた長崎県諫早市によると、メールは同日午前5時28分に受信。「今回はガチで爆破する」などと書かれていたという。

 長崎県警によると、同様のメールは長崎県、長崎市、諫早市、大村市、佐賀県武雄市、同県嬉野市に届いた。長崎県警長崎署などが駅などの警戒に当たっているという。

(引用終り)

 

昨日は安倍元総理の国葬が武道館で行われた。もし、「武道館に高性能な爆弾を仕掛けた!」という爆破予告が入ったら、国葬は中止したのか。又は全員避難して、爆弾の在り処をチェックして国葬の儀を再開したのだろうか。

又は、警備陣が完全チェックを済ませているから、爆破予告はイタズラと判断して、無視して国葬を予定通りに執り行っただろうか。

この場合、警備責任者も政府も大いに悩むに違いない。個人的には、爆破予告はイタズラと判断して国葬を執り行ったと思うが、どうだろうか。

 

爆破予告メールなどはどこからでも発信できるから、社会を混乱させるのにこれ程便利で効果的なツールはない。

私は日本の爆破予告は全てイタズラと考えているから、「テロには屈しない」と同様に「爆破予告には屈しない」という大方針を立てて対応すべきだと考える。

 

これまでもブログで、この爆破予告に大騒ぎする愚を書いてきた。

2年前には爆破予告に真面目に対応し過ぎじゃないのか。犯人を喜ばせてどうするのか!2020年8月19日)と題して、次のように書いた。

 

「…最近の全国爆破予告が同一犯人なら、目的は単なる愉快犯ということになろう。何しろメール1本、電話1本で何百、何千という人間を右往左往させられるのだから、楽しいことこの上ない。

 しかし、こんな爆破予告、英米仏やイスラエル、アフガニスタン等々テロが頻繁に起きているところなら、確かに爆破予告通りに爆発する可能性が大いにあるが、日本では100%偽予告なので、真面目に対応する必要はない。というより、対応してはいけない。

 

何年か前にも爆破予告をして、犯人が捕まったが、その時の犯人の言葉が面白かった。容疑者は言う。

「起こりもしない予告に、何度も何度も真面目に対応している役所を見ると、滑稽でしかないっていうんですかね。」

「アメリカ大使館も爆破予告をしたんですけど、無視されました」

テロに一番敏感な国米国だからこそ日本での爆破予告を無視できるのだ。真面目に対応したらバカにされるだろう。もし対応するとしたら、それは爆破予告が本当にありうると判断した時だろう。

 

日本でなぜ嘘又はイタズラとわかっていても施設を閉鎖したり、職員を避難させたりするのか。それは万が一を考えてのことなのか。そんなことは絶対にない。

みんな嘘・イタズラの爆破予告だとわかっている。しかし、それをやらないと正論爺さんが許さないから。そして万が一のことで責任追及されるのがめんどくさいから、逆に市民に迷惑をかけてでもメンドクサイ対応を警察関係者はやらせるのである。

 

正論爺さんは必ずこう言う。

「もし万が一爆弾が爆発したら、誰が責任を取るのか。」

そんな爺さんには関わりたくないから、皆に避難させるのである。善良な市民は、もし爆発しなかったら(爆発したらでなく)誰が責任を取るんだ、なんてバカなことは言わないから、市民には迷惑をかけても平気なのである。

(引用終り)

 

つまり爆破予告犯の言いなりになって避難するのは、市民の被害を防ぐためという建前で、何かあった時の責任又は避難しないという文句を言われたくないからである。

「責任を取る/責任を取れ」という意味はいくつもある。

例えば(あるブログから)

・謝れ、つまり謝罪の要求

・(一人で)やり直せ、あるいは、その手はずを整えろ

・元通りにしろ、つまり現状復帰

・弁償しろ、つまり金銭的賠償責任に

・辞めろ、つまり地位の放棄や辞退

・裁判などの法的判断や、慣習など各種のルールに従うこと

・死ね、つまり命を持って償え、切腹の要求

等々。

ちなみに、若い女性に「責任とってね」と言われたら、それは「入籍という法的手続き」の意味だろう。

かように様々で幅の広いつまり「いいかげんな」言葉である「責任」だが、その響きだけは、やたらと重いのが通常だ

(引用終り)

要は「責任」は面倒なんだ。そんなことに巻き込まれたくないんだ。だから、責任を取る立場にならないように、みんなに大いに迷惑を掛けても「避難」ということをさせるのである。

 

そして、今から7年も前にも爆破予告に関するブログを書いていた。

「…朝霞市役所に爆破予告が届き、市役所ではぞろぞろと近所の公園に避難し、市役所前バス停にはバスも素通りしたそうだけど、見ていてアホじゃなかろうか、と思ってしまいました。イラクじゃあるまいし、日本での爆破予告なんて99.999…%イタズラだろう。それでも0.0000…001%の可能性があるなら、大騒ぎしないといけないようだ。
 そこで私は想像した。そうか東京いや日本全部の行政機能を簡単にマヒさせることができるのだと。

日本中の機能をマヒさせるには爆弾も銃も何も要らない。メール一つあればいいことになる。たった一本のメール、見つかりたくなければ84×n円使っての脅迫手紙だけでいい。全国の行政をマヒさせられる。こんなにも簡単に!すごいぜ!(大量の脅迫手紙の発送は簡単に足が着きそうでだめかも)

 

まずは日本の中枢の国会、首相官邸及び霞が関の官庁全てに同時爆破予告をする。そして、警察、消防、自衛隊に同じく爆破予告をする。マスコミの新聞社、NHKや民放テレビ局に同じく爆破予告をする。電力会社、通信会社、鉄道会社に同じく爆破予告をする。銀行や民間企業にも主要駅にも等々。全国も同様に。原発も。きりがないか。

 これらのメールアドレスを探して、登録して爆破予告の同報メールを送るだけだ。これで、首都圏の機能は完全にマヒする。みんなもしもの事を考えて、避難するしかない。イタズラの可能性を考えるが、万が一を考えると避難するしかない。その結果首都圏はマヒ状態!大混乱!

 当然それが成功するためには、「起こりもしない予告に、何度も何度も真面目に対応する」ということが前提だ。

しかし、今回の爆破予告イタズラ事件では多くの自治体が犯人の思ったように対応したのだ。それなら、首相官邸及び霞が関の官庁等全てが馬鹿げているけれど、避難行動を取る可能性も大いにあるということだ。

 明日は(この記事は2016.2.25に書いたので)2.26事件の起きた日だ。近衛歩兵2個連隊が主要な官庁等を襲撃してクーデターを起こしたが、それでも失敗した。しかし今日、ひょっとするとメール1本で同様のことが起こせるかもしれないのだ。
 この想定は現代日本の戯画なのだが、そうさせない例がアメリカ大使館の対応だ。あるいは数多くの爆破予告をされた自治体でも、完全無視してマスコミにも警察にも伝えなかったところがあるかもしれない。調べていって爆破予告を無視しましたなんて後から言わない方がいい。叩かれるから。

 こういう状況の時に判断する判断基準というか考え方がある。それは、「可能性」と「蓋然性」という概念だ。
可能性」とは論理的にあり得る場合、万が一でも、1億分の1でもあり得る場合は、可能性があると言わざるを得ない。

「蓋然性」とは、確率のことだ。可能性はあっても、その起こり得る確率が高いのか低いのか、低ければ「起こらない」あるいは「起こりそうにない」と判断してよい。 
 普通日常ではこの二つの基準を上手く使い分けている。朝、傘を持って会社に行くか否かは、二つの基準を上手く使って判断している。

 しかし、ことが公になるとあるいはそこにマスコミが介入してくると、突然普通の判断能力を失ってしまい、「可能性」基準一辺倒になってしまう。

丸川環境大臣が1ミリシーベルトを巡って叩かれている(もう今では何のことか忘れてしまったが)のも、爆破予告で右往左往してしまうのも「可能性」基準一辺倒になってしまった結果だ。
 メールによる現代の2.26事件を防ぐには、「蓋然性」という考えをうまく使えば簡単に防げるということになるのだが、さて。

(引用終り)

 

結論

テロには屈しない!爆破予告には屈しない!

そして大事なことは、爆破予告犯の完全逮捕と重罪化である。

イタズラでも厳罰を科することである。