熱海の土石流発生の原因は現在と過去の現地の写真を比べれば一目瞭然だ。
開発業者と言うが、産廃処理でぼろ儲けを考えた悪徳業者が単に産廃の捨て場として盛り土をしたのである。そして、県や市から指導が何度も入ったので、この土地を現在の所有者に売り逃げした。
しかし、開発を許した県も大きな責任がある。そしてそれが天下に明らかになりつつある。
そして、県は慌てて逃げる準備をし始めた。
「静岡県熱海市の大規模土石流の起点にあった盛り土について、県は6日、現時点の調査結果として「不適正な点はなく、危険な状態だったとの認識もない」と説明した。」(共同通信)
官僚は責任逃れが役人人生で最大の行動原則である。
盛り土開発が土石流災害の原因だとして徹底的に追及すると意気込んでいた川勝知事。巡り巡って県の責任になりそうになるやいなや、一目散に逃げる、逃げる。
いや追及すると意気込んでいたのは、災害発生直後のことで、その後現場視察をした川勝知事の記者説明をよく読むともう既に逃げ腰だったことがわかる。
― 盛り土の影響は。
川勝知事「梅雨が長引いて、山が水をもち切れなくなり、それが吹き出た。その上にあった盛り土を押し流して、被害を大きくしたと理解している」
― 原因は水であって、盛り土ではない。
川勝知事「そう。今、雨が降っていないのに激流となっている。これは蓄積された水がいかに巨大であったかを物語っている」
(朝日新聞)
ここで既に盛り土を土石流の原因だとすると、県に責任が振りかぶってくることを長年知事をやっている川勝は分かっていたのだ。だから、盛り土の下に「蓄積された水がいかに巨大であったか」が土石流の原因だと言っている。つまり盛り土があろうがなかろうが、土石流は発生したんだと。大雨が悪いんだと。県はわるくないんだ、と。
「逃げるは恥だが役に立つ」というテレビドラマがあったようだ(私は一度も見てないけど)が、まさに役人にとっての座右の銘なんだろう。
Wikiでみるとこの言葉、「ハンガリーのことわざ「Szégyen a futás, de hasznos.」の和訳で「恥ずかしい逃げ方だったとしても生き抜くことが大切」の意味」と書かれている。
まさに役人に向けられたものだ。
恥なんか捨てろ、責任から逃げろ!役人として生き抜け!
不動産開発会社が逃げまくっていたが、県も川勝もこのひどい不動産開発会社と同じ無責任な仲間だった。この県の見解にホッとしたのは、元の産廃用に開発した不動産開発会社と現在の土地の所有者であろう。
これで責任は有耶無耶、県知事が「責任を持って」「災害発生責任を有耶無耶に」してくれた。
しかし、この「逃げ恥」はちょっと早すぎるのではないか。もう少し専門家も踏まえて、メガソーラーの影響も含め調査をするべきではなかったか。
こんな下手な責任逃れは、マスコミは中国大好きの川勝を応援しているからといって、こんな分かりやすい責任逃れには黙っていないのではないか。これは第2幕の始まりだ。
「逃げるは恥だが役に立つ」は間違いとなるに違いない。「逃げるは恥だが何の役にも立たずに、もっと責任を追及される」ことになるだろう。
先日の静岡県知事選がこの災害後にあったら、結果も変わっていたに違いない。JR東海も悔しいことだろう。リコールもいいんじゃないの。
<追伸>
小泉進次郎が久し振りにまともなことを言っているようだ。
太陽光発電、災害リスク高い区域の規制検討 小泉環境相
小泉進次郎環境相は6日、太陽光発電所の建設地について、災害リスクが高い区域をあらかじめ指定して候補から外す新たな規制ルールの検討を始めたことを明らかにした。
小泉氏は会見で、急傾斜地などに太陽光パネルが設置されていることについて、「あまりにリスクが高いのではないかというところに対しては、建てるべきではない、という対応も躊躇(ちゅうちょ)なくやるべきだ」などと語った。
(引用終り)
ただし、「急傾斜地など」なんてのは、余計な限定だ。この際、メガソーラーの公害問題も併せて検討してくれたら、総理大臣候補として少し認めてあげるけど。