テレビの情報番組でコロナをテーマとしたものはもう見ない方がいい。テレビはコロナ感染をただ煽って、視聴率を稼ごうとしているだけだ。見ているだけでストレスが溜まり、かつ視聴者から正常な判断を奪う。

 

GOTOキャンペーンで、感染数が上昇して問題だと騒いで止めさせようとし、じゃあ東京を除外すると言った途端に、観光地はこれではやっていけませんと騒ぐ。更にキャンセル料は政府負担するのかしないのかまで騒ぎ始める。

政府もこんな下らないことに一々反応するなといいたい。そしてこんな技術的なことを何で国交省大臣が説明するのかわけがわからん。普通の企業で細かいことは社長は説明なんてしないぜ。

 

まあ、混乱は政府が悪い。二階と菅がごり押ししたようだが、最近の政府の混乱の原因は大体、この二人だ。闇将軍が前に出過ぎだが、叩かれないから平気な顔をしている。明日の文春は、Go Toキャンペーン受託団体が二階幹事長らに4200万円献金したことが記事になるそうだから、やっと二階も表に出てきて叩かれるのは嬉しいことだ。

 

月刊誌WILLの最新号の大見出しは「新型コロナ 第二波はこない」だし、今回の表現者クライテリオンも「「コロナ」が導く大転換」という特集で、「ウイルス学の常識があれば、新型コロナは怖くない 「一/一〇〇作戦」こそ防疫の要諦/宮沢孝幸」や「自粛論」の進め方についての疑問 人間不在のコロナ騒動/浜崎洋介」など、コロナについて騒ぎ過ぎだと注文を付けている。

 

しかし、テレビではいつも同じことばかり繰り返す訳の分からない感染症学者が、危ない、大変だを繰り返し、キャスターも同調するだけで、もっと冷静に新型コロナを評価すべきだという学者たちは全く扱われない。地球温暖化CO2論やプラスチック削減問題も同様に政府の言い分に批判的な学者は絶対に呼ばれない。せいぜい武田邦彦先生のようなトリックスター的特徴がないと呼んでもらえない。

 

テレビの情報番組もオウムのようないつまでも同じことの繰り返しではなく、少しは進化しようとしたらどうなのか。
 

そんな中で、東洋経済オンラインに載った高橋泰教授へのインタビュー記事「新型コロナ、日本で重症化率・死亡率が低いワケ」が評判になっている。なかなか説得的な中身である。長いけど読む価値はあります。分かりずらいところも少しあるけれど。2度に分けます。

 

新型コロナ、日本で重症化率・死亡率が低いワケ (上)

高橋泰教授が「感染7段階モデル」で見える化

2020/07/17 東洋経済オンライン

東京都を中心に新型コロナウイルスの検査で陽性と判明する人が増加している。東京都は15日、警戒レベルを4段階のうち最も深刻な「感染が拡大していると思われる」に引き上げた。ただ、無症状者や軽症者が多く、専門家の間でもレベルを引き上げるかどうかでは意見が割れたという。また、2月から現在までの5カ月余りの間に日本で新型コロナにより亡くなった人は1000人に及ばず、例年のインフルエンザ死亡の3分の1にとどまる。新型コロナウイルスの流行当初の予測や欧米の被害実態とも大きなギャップがある。

国際医療福祉大学の高橋泰教授は、新型コロナの臨床に関わる論文から仮説を立て、公表データを使って「感染7段階モデル」を作成した。

ファクト(事実)に基づくわかりやすいモデルで新型コロナの特性を説明し、適切な対策をとるための議論を活発化したいという。高橋教授に話を聞いた

 

新型コロナとインフルエンザには大きな違い

――足元では新型コロナウイルスの流行再拡大の不安が広がっています。10万人死ぬ、といった予測も流布していますが、先生はそうした見方を否定していますね。

 

発表されている数字はあくまでもPCR検査で判明した「PCR陽性者判明数」であり、正確には「感染者数」ではない。もちろん「発症者数」でもない。特に若年者の場合、PCR陽性者が発症する可能性は低く、多くが無症状・軽微な症状で治ってしまう。また「数十万人が死ぬ」といった予測は、新型コロナウイルスについての前提が間違っていると考えている。

 

――ではその辺りの説明と、作成された新型コロナの「感染7段階モデル」の狙いを教えてください。

 

新型コロナは、全国民の関心事ながら「木を見て森を見ず」の状態で全体像が見えてこない。そこで、ファクト(事実)を基に、全体像が見通せ、かつ数値化できるモデルを作ろうと思った。それが「感染7段階モデル」だ。新型コロナの感染ステージをStage0からStage6までの7段階に分けて、それぞれに至る確率やそれに関わる要因を見える化したものだ。

新型コロナウイルスは、初期から中盤までは、暴露力(体内に入り込む力)は強いが、伝染力と毒性は弱く、かかっても多くの場合は無症状か風邪の症状程度で終わるおとなしいウイルスである。

しかし、1万〜2.5万人に1人程度という非常に低い確率ではあるが、サイトカイン・ストームや血栓形成という状況を引き起こし、肺を中心に多臓器の重篤な障害により、高齢者を中心に罹患者を死に至らせてしまう。

 

このウイルスの性質の特徴は、自身が繁殖するために人体に発見されないように毒性が弱くなっていることだ。したがって、一定量増殖しないと人体の側に対抗するための抗体ができない。そしてまれに宿主となる人体の免疫を狂わせ殺してしまうこともある。

日本も含めた各国でそれぞれ数十万人死亡するというような、当初流布された予想は大きく外れた。その原因はインフルエンザをベースとしたモデルを使っているためだと思われる。2つのウイルスには大きな違いがある。

 

――新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの違いをご説明ください。

 

病原体が体内に入ると、まず貪食細胞(マクロファージ)などを中心とする自然免疫が働く。次に数日かかって獲得免疫が動き出し、抗体ができる。

(注)

自然免疫: 侵入してきた病原体を感知し排除しようとする生体の仕組み。外敵への攻撃能力はあまり高くないが、常時体内を巡回している警察官に相当する。
獲得免疫:病原体を他のものと区別して見分け、それを記憶することで、同じ病原体に出会ったときに効果的に排除する仕組み。1種類の外敵にしか対応しないが殺傷能力の高い抗体というミサイルで敵を殲滅する軍隊に相当する。

 

インフルエンザの場合は、ウイルス自体の毒性が強く、すぐに、鼻汁、咳、筋肉痛、熱と明らかな症状が出る。暴れまくるので、生体(人の体)はすぐに抗体、いわば軍隊の発動を命令し、発症後2日〜1週間で獲得免疫が立ち上がり、抗体ができてくる。よって、抗体検査を行えば、ほぼ全ケースで「陽性」となる。多くのケースにおいて生体側が獲得免疫で抑え込み、1週間〜10日の短期で治癒する。だが、抑え込みに失敗すると肺炎が広がり、死に至ることもある。

毒性が弱いので獲得免疫がなかなか立ち上がらない

新型コロナはどうか。アメリカ医師会雑誌に発表された「新型コロナの診断テストの解釈」という論文に、新型コロナは抗体の発動が非常に遅いことが報告された。

私の研究チームはこの現象を、新型コロナは毒性が弱いため、生体が抗体を出すほどの外敵ではなく自然免疫での処理で十分と判断しているのではないかと解釈し、「なかなか獲得免疫が動き出さないが、その間に自然免疫が新型コロナを処理してしまい、治ってしまうことが多い」という仮説を立てた。

 

こうした仮説で想定した状態が実際に存在するなら、この時期の人は無症状または風邪のような症状であり、自身が新型コロナに感染したという自覚がないうちに治ってしまう。もしこの時期にPCR検査を行えれば、新型コロナは体にいるのでPCR陽性となることもある。一方、まだ抗体はできていないので、抗体検査を行えば当然「陰性」となる。そして、その後、症状が進んで獲得免疫が発動しても新型コロナを抑え込めなかったごく一部の人でサイトカイン・ストームが起きてしまい、死に至ることもある。

(注)サイトカイン・ストーム:免疫システムの暴走。免疫細胞の制御ができなくなり、正常な細胞まで免疫が攻撃して死に至ることもある。

 

――2波が来たら日本は脆弱だという見方も根強くあります。

 

抗体検査を行ったところ、ロンドンで16.7%、ニューヨークは12.3%、東京が0.1%だった。これをインフルエンザと同じような感染症モデルで考えると、東京では感染防止は完璧だったが、抗体を持つ人が少ないので、次に防御に失敗したら多くの死者が出る、という解釈になる。このような解釈には、強い疑義を持つ必要がある。

日本は強力なロックダウンを実施しておらず、新型コロナに暴露した人が欧米より極端に少ないとは考えにくい。むしろ先に述べた「これまで多くの人が新型コロナにすでに感染しているが、自然免疫でほとんどの人が治っている」という仮説に立って、抗体ができる前に治っているので、抗体陽性者が少ないと考えるほうが自然であろう。

この仮説を用いれば、無症状のPCR陽性者が数多く発生している現状の説明もできる。第2波が来ても、自然免疫の強さは日本人にとって強い助けとなり、再び欧米より被害が軽くなるという考え方が成り立つ。

 

日本では暴露した人が多いが自然免疫で98%治癒

 

(続く)