軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が何のためにあるのかよく分からなくなった。別に韓国から情報をもらわなくても、日本は独自且つ米国情報で十分らしいから何の心配もいらないようだ。
韓国としては日本に制裁を課しているつもりらしいが、日本にとって痛くも痒くもないが、米国から強く何度も叱られており、韓国はそのことをどう思っているのかももう一つよくわからない。
日本に取っても別になくてもいい協定なら、韓国が破棄してきても米国にとっても特に被害が生ずるわけではないのに、米国国務省が一日に何度も失望感を表明していることが不思議だ。
トランプ大統領もGSOMIAを破棄した文在寅に呆れかえっているようだ。
「G7首脳会議の初日の夜で、首脳らが外交安全保障に関する議論をしている最中に、「文在寅という人は信用できない」などと切り出したという。政府関係者によると、トランプ氏はさらに、「金正恩は、『文大統領はウソをつく人だ』と俺に言ったんだ」と重ねて批判したという。
そして、トランプ氏は、2日目の夜に行われた夕食会でも、文大統領について、「なんで、あんな人が大統領になったんだろうか」と疑問を投げかけ、同席した首脳らが、驚いた表情をする場面もあったという。」
ということは、米国はGSOMIAのもたらす実害に怒っているのではなく、米国の別のこと思いを示しているのではないかと思われるのである。
米国は韓国の協定をどうするかについて、国防長官や駐韓大使その他大物がGSOMIA破棄はするなと釘を刺していたのだが、単なる輸出管理規制の対抗策として破棄してしまったことに失望してしまった米国。
自衛隊元陸相福山隆氏は次のように述べている。
「…この問題を米国の立場から見れば、GSOMIAは、軍事情報面における同盟国のネットワーク――対中国包囲網―の重要要素と認識しているはずだ。それゆえ、米中が覇権争いを繰り広げる北東アジア戦域の中で、日韓間のGSOMIAが破棄されることは、米国にとっては極めて大きな「痛手」になるはずだ。中国に付け入る隙を与える。例えていえば、韓国のGSOMIA破棄は、同国がルビコン川を渡り、中国陣営に一歩近づいた感がある。」
「日韓間のGSOMIAが破棄されることは、米国にとっては極めて大きな「痛手」になるはずだ。」とは、少し言い過ぎである。実害はないのだから。
それよりも協定の持つ象徴的意味の方が大事なのであって、日米韓三国が一体となって対中国、対ロシアに向き合っているという了解が壊れた、いやもう文在寅が政権を取ったときから、韓国は米国の同盟国として相応しくない行動をしてきたのだが、一応形だけでも取り繕っていたのがGSOMIAだった。そういう象徴的意味を韓国の文在寅はかなぐり捨ててしまったという意味で、米国はさじを投げて、失望したと怒ったのではないか。
だから、トランプ大統領は文在寅を「信用できない」「嘘つきだ」「大統領の資格がない」と最大限罵倒したのだと思う。
「お前が北朝鮮の工作員だということはわかっている。しかし、今は韓国の大統領なんだから、そういう素振りくらいしろよ」とトランプは言いたかったのではないか。
もし、ふつうのまともな文在寅なら、「ああやっちゃった」とか「こんなにアメリカが怒るとは思わなかった、どうしよう」と慌てふためくところだろうが、そういう情報は今のところ入ってこない。
文在寅は余程のアホで愚かなのだろうか。いや違う。これは文在寅の確信犯的行動なのだと考えると合点がいく。文在寅の支持率が下がり、側近スキャンダルで次の選挙が危うくなるので、それを隠すためにGSOMIAの破棄をしたのか。全く違う。確信的な行動だ。
つまり、日本からのホワイト国外し及びGSOMIA破棄を利用しての文在寅の日米離れの宣言であると言える。つまり、革命政権として出来上がった文在寅政権のプログラムの一環だと考えられるのである。
光復節において、「ワンコリア」宣言をし、2045年に北との統一を果たすと述べたのは、文在寅のプログラムの最終目標を内外に示したのだ。
そのとき、文在寅は北朝鮮からコテンパンにやられた。
「北朝鮮の対韓国窓口機関である祖国平和統一委員会は、15日の演説で対話を呼びかけた韓国の文在寅大統領を批判した。5日に始まった米韓合同軍事演習に反発し「私たちは南朝鮮(韓国)の当局者とこれ以上話す言葉もなく、再び対座する考えもない」と述べた。
北朝鮮の談話は「合同軍事演習が行われている時に、対話や平和という言葉をどんな体面で吐き出すのか。本当にずうずうしい人だ」と皮肉った。その上で「北南対話の動力が失われたのは自業自得だ。演習後に自然と対話局面が訪れるというのは妄想だ」「韓国は米朝対話で漁夫の利を狙っている」などと主張した。」
北朝鮮のためを思って文在寅は演説したのに、北から「本当にずうずうしい」と言われるとは何か変だとふつう思うのではないか。しかし、GSOMIA破棄直後に北朝鮮は韓国への祝砲として短距離ミサイルを発射した。この二つのことから言えることは、文在寅の光復節演説は、北朝鮮の思いを正しく当てていたし、ウエルカムな内容なのであった。
それでも「南朝鮮(韓国)の当局者とこれ以上話す言葉もなく、再び対座する考えもない」とか「本当にずうずうしい人だ」と北朝鮮が怒って見せたのは、要は「文在寅のバカ野郎、本当のことを言ってどうするのだ、まだ隠しておくべきことだろう。もっとうまくやらんか、ばかめ。」と言いたかったに違いない。だから、日米と韓が離間することになるGSOMIA破棄については、思わず喜んでミサイルを打ち上げたのである。
つまり、韓国を北朝鮮に差し上げるプログラム「ワンコリア」を着々と進めているのが文在寅なのである。だから、トランプ大統領に「アホだ」「嘘つきだ」と言われても何の痛痒も感じないのである。
そして、日本とのいさかいももっと進んでもらっていいのだと盗人猛々しい文在寅は考えているはずだ。
だから、徴用工問題にも絶対に妥協しないし、請求権協定は反故にしたいし、日本とは関係改善する気はサラサラない。ただただ日本を悪者と印象付けて、日本国内の反日日本人の協力を得て、日本を抑えつけていこうという目論見だ。
まあそういくら盗人猛々しい文在寅が勝手に考えてもうまく行くはずがない。政治的には少しは韓国の思いで動くことがあっても、経済はそういうわけにはいかない。韓国経済は自ずと破綻する。そしてもう日本に救済を求めるわけにはいかない。そこで初めてまともな韓国国民が目覚めるだろう。
不買運動もうまくいかない。韓国が日本にする制裁は、ネットではセルフ制裁と呼ばれているようだ。制裁しても困るのは日本ではなく韓国自身だと。セルフ制裁ではその意味がよくわからない。
私に言わせれば、韓国のやる制裁は自業自得となる、つまり天に唾するようなものだから「天唾制裁」と呼んだほうが意味がよく通じるのではないか。これも韓国国民が文在寅のダメさを気付くきっかけとなることだろう。
そして、側近スキャンダルが更に詳しく国民の前に晒され、韓国経済の不安定さに、文在寅が無能をさらけ出していることを知れば、単にホワイト国から外されたからといって日本と敵対することが如何に馬鹿げていることがわかってきて、ついには、「ワンコリア」が文在寅の売国宣言であることがわかれば、危ういところで韓国が踏みとどまれる可能性が出てくるのではないだろうか。