苫小牧CCSの液化CO2の圧入計画は30万トンらしい。現在は20万トンの圧入を終わっているが、懲りもせず、更に10万トンの圧入が計画されている。

20万トンの水量のイメージをしておこう。ドラム缶に水をいっぱいに入れると200kgになる。なので、1トンの水はドラム缶の水5つ分。20万トンならドラム缶100万本だ。小学校の25mプール(360トン)なら550杯にもなる。

 こんなにも大量の液化CO2を200気圧以上もの圧力をかけて地中深く送り込んだのだから、遠くの水の解離状態を不安定化させて爆発つまり地震を発生させてしまったのである。

 

そして今後も苫小牧CCSでは、小学校の25mプール280杯に当たる液化CO2、10万トンを圧入しようとしている。日本CCS調査(株)は地震とCCSの関係を認めていないのだから、当然計画の満タンまで圧入をつづけることだろう。

20万トンで震度7の地震が誘発したのだから、今後も10万トンの圧入を続ければもう一度震度7クラスの地震が起きる可能性がある。もう余震とは言えないだろう。

 

苫小牧CCSは実証実験だから、30万トンの圧入で計画終了だ。不謹慎ながら巨大地震は2度で収まることだろう。といっても多くの人命と財産がもう一度失われるかもしれないが、その後の巨大地震発生確率はかなり低くなる。

 

問題はCCS実験後の商用化である。

経産省は2020年頃のCCS商用化を目指して計画を進めている。

このCCSによるCO2削減計画は世界規模で行われており、2100年までに世界の気温上昇を2度抑えるために、2060年までの累積CO2削減量の14%CCSが担うことが期待されているそうだ。(2060年時におけるCO2削減量49億トン/年)

 

気温上昇を2度抑えるという全くバカげた目的のために世界中が愚かなことを生真面目に実行しようとしている訳だが、地震の少ない欧米でのCCSは地震を起こすことは少ないが、日本では悲劇的な結末しか待っていない。

 

 日本のCO2削減目標は、2016年現在CO2排出量14億トンのうち、発電・産業による排出約9億トンの14%を2050年にCCSで回収する計画のようだ。

 仮に2020年にCCSの商用化を始めた場合、私の勝手な推測だが数年で5%するとすれば、約4500万トンの液化CO2を圧入することになる。

苫小牧CCSで20万トンの圧入で巨大地震が発生したのだ。それが全国で数年で全国至る所で20倍以上も圧入することになる。

つまりCCS商用化で、巨大地震が至るところで発生する危険性が出てくるのだ。

 

因みに圧入地層には、地層が湾曲したキャップ・ロックを持つ帯水層への貯留カテゴリーAとキャップ・ロックなしの水平な帯水層への貯留カテゴリーBとがあるが、苫小牧CCSはカテゴリーBへの地層への圧入である。

 

地震爆発論の石田昭先生は

「実は、苫小牧の地層はカテゴリーBに分類される水平な地層で、長岡のようなキャップロック形状のカテゴリーAではありません。

私は、水平地層ならば、液化CO2を圧入してもトコロテン式に地中深くには移動することは無いのかな、とも考えていましたが、今回の地震で、安心感が吹き飛びました。
電力中央研究所の雄勝実験場のケース(岩手・宮城内陸地震)もカテゴリーBに近い傾斜地層でしたから、やっぱり、圧力は地中深くに伝播して、水の解離現象を左右することになるようです。このままでは、北九州も東京湾内もCCS地震の犠牲をまぬかれないことになります。」

と述べている。

 

 そして、なぜカテゴリーBへの地層が選ばれたのか。それはCO2削減のためには先ほど述べたように大量に地下圧入しないと目標が達成されないからだ。そのためにどこにでもあるカテゴリーBへの地層が選ばれたのである

そしてもう一つ大事な理由は経済性だ。石田先生の言葉。

「キャップ・ロックを持つ帯水層への貯留(カテゴリーA)では、貯留に適した地層が限定されます。また、大量発生源である火力発電所や製鉄所、化学工場などで回収した二酸化炭素を、貯留に適した地層まで運搬する必要があります。これに対し、図に示す(略)ようにこれらの(カテゴリーB)大量発生源直下の深さ2000m~3000mの岩盤中に二酸化炭素を注入できれば経済的であり、分散型の大容量の地中貯留が実現できます。」

 

その結果、こうした条件を満たした日本での潜在的なCO2貯留可能量は約1460億トン(日本の年間排出量の約100年分)あると推測されたのである。

 

これでCO2削減の条件は整った。国際的な約束を守るめどがついたといえるのである。

CCS技術の完成、圧入地層はどこにでもある、いくらでも圧入出来る。あとは商用化の実施あるのみである。

 

英国ではCO2排出量が多い石炭火力発電はCCSなしでは認めないと決めたらしい。つまり、排出元で即CCSで地下圧入をしてしまうという考えだ。それならコストも安い。

日本も同様な考えだ。

火力発電所、化学工場、製鉄所等工業地帯のすぐ近隣にCCS設備を設置し、液化CO2の地下圧入だ。

日本は狭い。工業地帯の近くに大都会はある。東京(千葉)、大阪、名古屋、福岡、広島等々。これらは全てCCSが設置される。

 

次はまだ実証実験の続きのようだが、北九州市にCCS設備ができる。そして本格的操業の実験をすることだろう。恐らく苫小牧CCSの圧入量以上の液化CO2が地下に送られるだろう。

そして、巨大地震の発生!

地震学者は言う。

「北九州市には、小倉東断層と福智山断層帯が通っており、福智山断層と頓田断層を合わせて、福智山断層帯というが、これが地震を起こしたものと思われる。今後一週間は同程度の地震が発生する恐れがあるので注意してほしい。」

CCSには一言も触れない。

 

次に例えば広島。CCSの商用化が開始し、実証実験以上の巨大な量の液化CO2が地下に圧入される。

そして巨大地震発生。

地震学者は言う。

「遂に南海トラフによる地震が発生した。…」

CCSには一言も触れない。

 

全国の都市が巨大地震に破壊されても、活断層かプレートで説明されてしまうので、CCSの危険性は誰にも認識されない。そしてCCSによる液化CO2の想像を絶する大量圧入が続く。

 

いくつの日本の都市が破壊されても活断層かプレートの説明で済ませてしまうのか。

どこかで気が付く可能性はないのだろうか。

CCSの危険性に気がつかなければ、2100年に気温2度下げるために、日本は瓦礫の山となり、日本人は何十万人と死んでいることだろう。それは地獄ではないのか。しかも人為的な地獄。

 

CCSの商用化が地獄の始まりである。

それは2020年だ。

 

ノストラダムスの大予言には根拠がないが、2020年から数年で日本が巨大地震により壊滅するのは理論的に言ってかなりの確度で言えてしまうのだ。

南海トラフ地震でもなく、東京直下型地震でもない地球温暖化防止のため、2100年までに気温2度下げるという、人間の「賢く」も愚かな行為によって、日本だけが壊滅するのである。

 

日本人はそれほどに愚かな民族なのだろうか。

 

私は(妻も)もう相当な年寄りだが、それでもこんな馬鹿げたことで死にたくはない。

息子にもなおさら死んでほしくはない。

皆さんも同じ思いだろう。