藍染めの美 児童歓声 久留米絣職人松枝さん夫妻が工房で工程公開 | 犬と猫の健康ごはん

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久留米絣(がすり)技術保持者の松枝哲哉さん(56)と小夜子さん(55)夫妻=久留米市田主丸町竹野=の絣工房「藍生庵(らんせいあん)」で13日、近くの竹野小6年生17人に制作工程の一つ「藍染め」が披露された。哲哉さんが藍甕(あいがめ)に浸した木綿の絣糸を絞り棒でねじり上げ、力を緩めた瞬間、空気に触れた藍が工房に差し込む光の中で褐色から鮮やかな青に変化。2010年の宮中歌会始で入選した哲哉さんの短歌の世界を目の当たりにした児童たちは「わぁ」と声を上げた。

児童たちは昨年12月から卒業制作として、松枝さん夫妻の指導を受けながら絵絣を作っている。藍染め見学もその一環で、30以上ある絣制作の複雑な手作業の工程を、より深く理解してもらおうと行われた。

哲哉さんは深さ約1・2メートルの藍甕(あいがめ)の中で、藍の葉を100日間かけて発酵させた「すくも」や貝殻を焼いて砕いた貝灰(かいばい)、日本酒、水あめを1カ月かけて発酵させていることを説明。冬場ははぜの実からできる蝋(ろう)を燃やして甕を温めながら、1日に1度はかきまぜているといい、「藍の調子を見る毎日」と職人作業の一端を語り聞かせた。

藍染めを披露した絣糸は卒業制作用の緯糸(よこいと)で、児童たちは昨年12月、この糸の白く残したい部分に麻の表皮をくくる「手くくり」の工程を体験。この日は藍染めされたばかりの糸を工房の外に干し、くくった麻をほどく「絣解(かすりと)き」に挑戦した。

絣解きは短時間に済ませないと、色がにじみ、くっきりとした白に仕上がらない。児童たちは「手が痛い」と悲鳴を上げながらも、冷たい糸にくくった麻を解いては「ちゃんと染まらずに白く残ってる」と笑顔を見せていた。

織り機など藍生庵の道具は製造から80-150年が過ぎ、修理しながら使い続けてきたが、近年は修理職人の数も減っているという。「伝統って何だろう」と児童に問い掛けた小夜子さんは「自分で糸紡ぎなどをやってみて、例えばシャツを作ってみます。そのシャツはとても大事なものになって傷んでも捨てられなくなる」と作り手としての思いを静かに語った。

出典:西日本新聞