P.412  どこかフレッドやジョージ的な、策略の成功を勝ち誇る雰囲気があった。

UK版P.233 there was a Fred and George-ish air of triumphant trickery about him.


堅苦しい。直訳?意味は伝わるけれど・・・


試訳:いたずらに成功したフレッドとジョージのような空気をまとっていた。



ハートスペードダイヤクラブ


これは間違いじゃないと思うけど。少し整理してくれれば読みやすくなるのではないか。


P.412 グレゴロビッチが死んだいま、次はあの陽気な顔の盗っ人が危険だ。ロンのいびき

下のベッドから聞こえてきて、ハリー自身も、その若者のことに思いをめぐらしながら、

ゆっくりと二度目の眠りに落ちていった。


UK版P.233 With Gregorovitch dead, it was the merry-faced thief who was in

danger now, and it was on him that Harry's thoughts dwelled, as Ron's sonres

began to rumble from the lower bank and as he himeself drifted slowly into

sleep once more.


試訳:グレゴロビッチが死んだいま、危険なのはあの陽気な顔の泥棒だ。その若者につい

思いを巡らせていると、ロンのいびきが下のベッドから聞こえてきて、ハリーは再び

ゆっくりと眠りに落ちていった。



ハートスペードダイヤクラブ


P.415 霧の中からスルスルと現れる吸魂鬼を遠くに見た瞬間、ハリーは身を縛るような

冷気に肺を塞がれ、遠い日の悲鳴が耳の奥に響いてきて、自らの身を守ることができない

と感じた。それはハリーにとって悪夢のような経験だった。


UK版P.235 It had been a nightmarish experience,

seeing the Dementors gliding out of the mist in the distance and realising,

as the paralysing cold choked his lungs and a distant screaming filled his ears,

that he was not going to be able to protect himself.


原書でも修飾、就職で訳しにくいのかもしれないけど、文を切るとかすればいいのに。

a distant screaming は、遠い日の悲鳴でもいいのかな?最初は遠くの悲鳴かと思った

んだけど、時間的にも遠いって意味もあるし。冷淡なという意味もあるので、どれがいいのか。


試訳:霧の中からディメンターが滑り降りてくるのが遠くに見え、無気力にさせる冷気が

肺をふさぎ、遠い日の悲鳴が耳を満たしていた。そんな状況で、自分の身を守ることが

できないと分かっているというのは、ハリーにとって悪夢のような経験だった。


あまり変わらないか。



ハートスペードダイヤクラブ


P.415 マグルは、吸魂鬼の姿を見ることはできなくともその存在が周囲に広げる絶望感

は、間違いなく感じていたはずだ。目のない吸魂鬼がマグルの間を滑るように動き回るの

も放置し、ハリーはありったけの意思の力を振り絞ってその場を逃げ出すのがやっと

だった。


UK版P.235 It had taken all Harry's will power to uproot himself from the spot

and run, leaving the eyeless Dementors to glide amongst the Muggles

who might not be able to see them, but would assuredly feel the despair

they cast wherever they went.

 

試訳:ディメンターを見ることはできなくとも、彼らが行く先々で撒き散らす絶望感を確か

に感じているマグル。そのマグルの間を、目のないディメンターが滑るように動き回るのも

放置して立ち去るには、ハリーはありったけの意思の力をふり絞らなければならなかった。


これもあまりかわらない?



ハートスペードダイヤ


P.423 ダンブルドアは、ヴォルデモートが隠し場所に栄光と神秘を求めたことを、ハリーに

示してくれた。こんな気の滅入るような薄暗いロンドンの片隅は、ホグワーツや魔法省、

または金色の扉と大理石の床を持つ魔法界の銀行、グリンゴッツとは正反対だ。


言いたいことはわかるし、間違ってないと思うけど何か違和感。



原書 p.239 Dumbledore had shown Harry that Voldemort sought grandeur or

mystique in his hiding places; this dismal grey corner of London was as far

removed as you could imagine from Hogwarts, or the Ministry or a building like

Gringotts, the wizarding bank, with its golden doors and marble floors.


試訳:ダンブルドアは、ヴォルデモートが隠し場所として壮大で神秘的な所を選んだことを

ハリーに教えてくれていた。こんな物悲しく陰気なロンドンの片隅は、ホグワーツや魔法省、

金色の扉と大理石の床を持つ魔法界の銀行グリンゴッツとは、もっともかけ離れた雰囲気の

場所だ。



ハートスペードダイヤクラブ


P.424 まるで、音楽がやんだとき皿を持っていると褒美がもらえる「皿回し」ゲームを、

ひねくれてスローモーションで遊んでいるかのようだった。ただ、褒美にもらえる物が、

十二時間の募る恐れと不安なので、ゲームの参加者は音楽が止まるのを恐れた。


3人が交代でホークラックスをもっているのだが、それを例えての表現。

「皿回し」のゲームなんて知らないなー。イギリスではあるのか?と思って原書を見たら。


UK版P.237 as though they were playing some perverse, slow-motion game of

pass the percel, where they dreaded the music stopping because the reward was

twelve hours of increased fear and anxiety.


percel だった。小包じゃん。なんであえて「皿回し」?日本語で皿回しと言えば、棒の先で

お皿をくるくる回す芸のことみたいだし…。

確かに小学生のころとかに、音楽が止んだ時にもってるものがもらえるプレゼント交換をやった

ねぇ、あれをなんていうのかわからないけど。皿にしなくてもね。

十二時間の募る恐れという日本語もどうかと。


試訳:まるで、音楽が止まったときに小包を持っていると商品がもらえる「小包渡し」を、

スローモーションで遊んでいるかのようだった。もらえるものといえば「恐れと

不安が募る十二時間」なので、三人は音楽が止まるのをとても恐れていた。



ハートスペードダイヤクラブ


P.428 何か大きなものがガサゴソ動き回る音や、物が擦れ合う音に混じって、石や

小枝が押しのけられる音が聞こえ、相手は複数だとわかった。木の生い茂った急な坂を、

ハリーたちのテントがある狭い川岸へと、這い下りてくる。


なんだかまどろっこしくて。


UK版P.242 Heavy scuffing and scraping noises, plus the sound of dislodged

stones and twigs, told them that several people were clambering down the

steep, wooded slope that desended to the narrow bank where they had piched

the tent.


Heavy は形容詞だから大きなものではない気がするし。scuffing は足を引きずるとあるのだが。


試訳:足を引きずる重々しい音に加え、石や小枝を押しのける音が聞こえて、複数の

人間が、ハリーたちのテントがある狭い河原へと続く坂を下っているのだとわかった。



ハートスペードダイヤクラブ


フィニアスからホグワーツの近況を聞いて。なんだか、このブロックは堅苦しい言葉が続く。


P.460 スネイプは、強硬派の学生による小規模の反乱に、絶えず悩まされているようだった。


UK版P.257 Snape seemed to be facing a constant, low-level of mutiny from

a hard core of students.


強硬派ってa hard core のことかなー。確かに辞書の中には出てくるんだけども。児童書で

いきなり強硬派ってのも。ジニーやネビル、ルーナのことなんだよね。妥協しないとか屈しない

とかではだめなのかしら。


試訳:スネイプは、決してくじけない一部の生徒たちによる小さな反乱に絶えず悩まされ

ているようだった。


ぶーぶー


P.460 また、スネイプは、アンブリッジ時代の古い教育令である学生集会禁止令を復活

させ、三人以上の集会や非公式の生徒の組織を禁じていた。


UK版P.257 Snape had reinstated Umbridge's old decree forbidding gatherings

of three or more students, or any unofficial student societies.


decree が教育令なのは、6巻からなので仕方ないにしても…。校則ではだめなのか。


試訳:スネイプは、アンブリッジ時代の古い校則(教育令)を復活させ、生徒による

三人以上の集会や非公式団体(の結成)を禁じた。


ぶーぶー


P.460 フィニアス・ナイジェラスがスネイプによる弾圧の話をした時など、一瞬我を忘れ、

学校に戻ってスネイプ体制揺さぶりの運動に加わろうと、本気でそう思ったほどだった。


UK版P.258 Indeed, as Phineas Nigellus talked about Snape's crackdown, Harry

experienced a split second madness when he imagined simply going back to

school to join the destabilisation of Snape's regime:


弾圧って60年代な感じ。


試訳:それどころか、フィニアス・ナイジェラスがスネイプの厳しい処置について話した時

には、一瞬我を忘れ、学校に戻ってスネイプ体制を揺さぶる活動に加わろうと本気で

思ったほどだった。


ぶーぶー


P.460 実際にフィニアス・ナイジェラスが、何気なくハリーとハーマイオニーの居場所に

関する誘導尋問を会話に挟むことで、計らずもその危険性を浮き彫りにしてくれた。


UK版P.258 Indeed, Phineas Nigellus inadvertently emphasised this fact by

slipping in leading questions about Harry and Hermione.


ここはたいしたとこではないんだけど。ハリーが学校に戻るのは、魔法省にいくのと同じぐらい

危険だと思いなおしたの続き。さらに、フィニアスの行動で危険だなって再認識ということなんだが。

文章がつながってない気がして。


試訳:実際、フィニアス・ナイジェラスはハリーとハーマイオニーの居場所についての誘導

尋問を会話に紛れ込ませていた。そのことが計らずもその事実(危険性)を強調すること

なった。



危険性を再認識することになったはやりすぎ?

だんだんわかんなくなってきた。