ここでは、繰り返しの表現について。


P.15 呟くように言ったは、呟いたではダメなのだろうか?

P.19 囁くように言ったは、ささやいたではダメなのだろうか? 

P.105 に再び登場。囁くように言った

P.228 にも登場。囁くように言った

P.268 囁くように言った

P.272 囁くように言い終えた。 UK版P.156 she finished in a whisper.


もちろん、囁いたとしてるところもある。


P.19 見つめながら聞いていたは、UK版P.16ではgazedだけである。


P.263 さんざん引っ掻き回された部屋をぐるりと眺めて、ハーマイオニーが言った。

UK版P.151もgazed だけである。


P.64 唸るように言った

P.188 に再び登場。唸るように言った

P.194 にも登場。呟くように言った


言ったをつけないと気が済まないのか。


P.283 ハリーが唸るように怒鳴った。(UK版P.162 snarled Harry)


全体的に日本語版の方が文章が長く感じるのは、こういうところにも起因するのかもしれない。

そもそもなんで1冊の本が2冊になるんだろう?という思いがあるので書いてみた。

無駄に説明が長いところも多いし。

読者の事を考えて、できるだけ読みやすくする努力してくれたのかな・・・あせる


日本の小説読んでてもこういう表現は出てくるんだけどねー。ここまでくどくはないと思う。



ハートスペードダイヤクラブ


P.46 ペチュニアおばさんがキーキー声をあげた


UK版P.32 squealed Aunt Petunia.


○ squeal  → やや長い金切り声、悲鳴

× squeak  チューチュー鳴く、キーキー音を立てる


試訳:ペチュニアおばさんが金切り声をあげた。


まぁ、キーッって悲鳴もあることだしいいか。



ハートスペードダイヤクラブ


P.53 バーノンおじさんが唾を飛ばしながら言った。


UK版P.36 spluttered Uncle Vernon.


○ splutter → 早口でしゃべること。

× splatter → (水、泥を)跳ね散らすこと


試訳:バーノンおじさんが早口でまくしたてた。


このあと2か所ほど、バーノンおじさんではなくダーズリー氏となっている。

なにか意図があるのかと思って、原書を見直したら he だった。P.54、P.56にも同じ現象あり。

ってことはルールがあるのか?でも、なんで?


P.59 ディーダラスが突然ディグルになるが、これは原書のとおり。


P.60 ペチュニアおばさんが、突然ペチュニアになる。原書は「she」。これはケアレスミス?



ハートスペードダイヤクラブ


P.53 (ダーズリー氏が)小声で呟いたが、


UK版P.36 muttered under his breath,


大声では呟かないでしょう・・・。


under one's breath →  声をひそめて

mutter → ぼそぼそ言う、ぶつぶつ文句を言う


だから、気持ちは分からないでもないが。


試訳:(バーノンおじさんが)声をひそめてぼそぼそ言った、小声で文句を言った、

    ぼそぼそとつぶやいた。


The Dursleys が、P.54の一か所だけ「ダーズリー一家」ではなく「ダーズリーたち」になって

いる。佐藤さんご一家を「佐藤たち」とは言わないでしょう。その前の「ダーズリー一味」という表現

は大目に見たのに・・・(涙)



ハートスペードダイヤクラブ


P.52 「ハリー・ポッター!」ハリーが玄関を開けたとたん、興奮した甲高い声が言った。


UK版P.36 'Harry Potter!' squeaked an excited voice, the moment Herry opened

the door.


squeak は、ペチュニアやフリットウィックでおなじみキーキー声とは訳されてなかった(笑)

ここの翻訳には何の問題もないが、


試訳:「ハリー・ポッター!」ハリーが玄関を開けたとたん、興奮した甲高い声が聞こえた。


としたらどうかな。



ハートスペードダイヤクラブ


P.80 ハグリッドが破れ鐘のような声を上げ、


UK版P.52 bellowed Hagrid.


破れ鐘とは、「太いにごった声のたとえ」だそうだ。でも、「どなった」でいいんじゃないかと。

ちなみに辞書には割れ鐘、もしくは破鐘と書いてあって、破鐘は常用漢字ではない表記の注意

書き付き。別にいいけど、常用漢字じゃないもの多いよー。


試訳:ハグリッドが怒鳴った。



ハートスペードダイヤクラブ


P.95 ハグリッドの声がかすれた。


UK版P.61 he said gruffly.


gruffly 和英には荒々しい、英英には not friendly and suggesting the person

is annoyed or impatient, unable to deal calmly.

ハグリッド、ヘドウィグが死んでしまった事に耐えられなくて、わざと乱暴に言ってるようなイメージ。

かすれるは、hoarse,hasky のような。乱暴に言えば、声もかすれるという事か?


試訳:ハグリッドは乱暴に言った。ぶっきらぼうに言った。