久々にゲンゾウの背にまたがった。
柔らかい皮でできた紐を胸もとからかける、一度、落ちて木にひかかってからせめてこれだけでもつけろとシンが作ってくれたものだ。
イノには忠実なゲンゾウは嫌がらずにすんなり紐をつけてくれた。
「パパ、ネオスのお土産お願いね。」
シオンが木の影から顔をだした。
「ああ。」
ゲンゾウが羽を動かして浮いた。村が上から見える。穫り入れが終わった畑と畑のくぎりに咲いているコスモスの鮮やかさが下に見える。
森の道をユウがマリアに乗ってあるいている。
「マリア、まっすぐだよ。」
ユウの声がきこえる。自由きままなマリアに苦戦させられてるようだ。
暖かな風がきもちいこの時期独特の白い空が眩しくてスカーフをまく。
森が過ぎ白い岩かべが近づいてくる。
岩かべのすき間を体を調整しながらゲンゾウは飛んでいく。
やがて深い緑に浮かぶ白い谷間が見えてきた。