【ウニバルゾ、ネオス】
クリスが行方不明になった。
知らせをきいたネオスの第一王子、コーリィンは目を通していた書類を放りだしてネプチューンのダークに近い星にティラーヌと向かった。
「カルメンはまだ洞窟か?」
ティラーヌの背から飛びおり弟のクイールにきく。
「さっき入ったよ。一緒に行けばよかった。」
泣きそうな顔している。
「仕方ないだろお前は体が弱いんだから。」
弟を抱きしめてなぐさめる。
「お前はクリスの気をよめるけど見つからなかったのかい?」
クイールとクリスは強いつながりがある、なにかあればすぐわかるはずだ。
「生きてはいるけど。闇があまりに濃くてどこにいるかわからないんだ。この洞窟に入ったのは確かだけど。」
白い岩肌にポッカリ開いた洞窟、迷ってしまえば闇に放りだされてしまう。
「いいつけをやぶったのか。どっかに落ちてるだけならいいが。」
はいろうか迷う。コーリィンもこの洞窟に入ったのは一度だけだ。
「なにかあったら危険です私がいきましょう。」
ティラーヌがそういって龍の姿のままで中に入っていった。
震える弟の肩を抱いてどれくらいたっただろう。
人の姿になったティラーヌに支えられるようにカルメンがもどってきた。
「コーリィン、すまない。私が目をはなさなければ……」
気が強くて涙をみせない妻が泣いていた。
「クリスは?いなかったの?」
クイールがカルメンにきく。
「あの子は……底なしの闇に落ちてしまった。」
カルメンは手に持っている小さな首飾りをにぎりしめた。
クリスがいつも首にかけていたものだ。ネプチューンの王女にもらった美しい青い石のついたものだ。
「おちつけ。とにかくマシェに会いに行って探してもらおう。クイールが死んだわけではないと言っているんだ。きっと見つかる。」
闇の者と会話ができるマシェなら見つけてくれるだろう。
カルメンはうなずいた。
「クイール、お前はティラーヌに乗ってネオスに帰りなさい。今のお前には暗黒に近いダークは危険だ。」
兄の言葉に素直にしたがう。
闇の力に弱い自分が行ったら迷惑になるとわかっているからだ。
「コーリィン王子、カルメン姫、なにかあったらすぐにティセラをよこしてください。」
ティラーヌが一礼して龍に戻る。