熱い日が続くので、勉強のモチベーションも下がっているのではないでしょうか。
そして、夏休み明けの勉強や人間関係は大丈夫なのかと心配する人も多いと思います。
今回のテーマは「ピグマリオン効果」です。
あなたはピグマリオン効果を知っていますか?
これは60年代にアメリカの教育心理学者ローゼンタールによって提唱されたもので、教師期待効果やローゼンタール効果とも呼ばれます。
教師が学習者に対し何らかの期待を持って指導すると、その期待通りの成績になるということを示しています。
ピグマリオンとはギリシャ神話に出てくる王ピュグマリオンの名前です。
現実の女性にピュグマリオン王は失望していました。
そこで自分で理想の女性を彫刻し、そしてその彫像に恋をしました。
食事を用意したり話しかけたりして、その彫像が人間になることを願いました。
像に焦がれた王の願いは凄まじく、身体が衰弱しながらも彫像から離れようとしません。
とうとう見かねた女神アプロディテが女性の像を彼の願いを受け入れます。
彫像は生命を与えられ本当の人間になり、ピュグマリオンの恋はめでたく成就したという伝説に由来します。
学校に限らず、家庭や職場、スポーツの場などでも「君にはいいところがあるから、必ず伸びる」と応援したら、その子の成績が良くなったなどということを聞いた人も多いでしょう。
教師の期待が意識的・無意識的に学習者に影響を与えて、学習者がその働きかけに肯定的・積極的に反応するようになり、結果として教師が考えていたことが達成されるのです。
ピグマリオン効果の検証として以下のような実験が行われました。
1963年、学生たちにネズミを使った迷路実験をさせます。
この時に「こちらはよく訓練されたネズミ」、「こちらはのろまなネズミ」と言って渡すと、その2つのグループのあいだで実験結果に差が見られたのです
なぜこのような違いが出るのか?
それは事前にネズミの情報を受け取った学生たちの、それぞれのネズミの扱い方や期待の違いが実験結果に反映されたのだとローゼンタールは考えました。
そしてこれは教師と学生のあいだでもあり得ると考え、翌年に教育現場での実験を行います。
小学校において、ハーバード式突発性学習能力予測テストと名付けたテストを行いました。
もちろん、中身はごく普通のテストです。
学級担任にはこのテストを「今後、数ヶ月で成績が伸びる生徒を割り出すための検査」と説明します。
この検査にも意味はありません。
そして無作為に選ばれた生徒の名簿を見せて「この名簿に記載されている生徒は、今後数ヶ月の間に成績が伸びる」と伝えました。
すると名簿の無作為に選ばれたはずの生徒達の成績が向上していったのです。
成績が向上した原因として、担任が名簿の生徒に期待のこもった眼差しを向けたこと、そして生徒たちも期待されていることを意識したことが、報告論文で述べられています。
ちなみにゴーレム効果というのも存在します。
ピグマリオン効果の正反対のものも成立すると考えられた現象です。
教師が成績の良くない生徒として接する、成績が上がらないと考えて接すると、生徒はそれを意識して、結果成績が悪くなるというものです。
ゴーレムは名前を聞いたことがある人は多いでしょう。
ゴーレムはユダヤの伝説にある、呪文で動く泥人形です。
額の護符にある呪文「אמת」(emeth=真理)という文字の「א」(e)の一文字を消すと「מת」(meth=死)、ただの土に戻ってしまう、という話から引用されています。
ポジティブな期待をかけると彫像は人間となり、ネガティブな言葉一つで怪物も土に戻ってしまうのです。
子供の頃に親や周りの人間に色々言われた人も多いでしょう。
私も傷つく言葉や態度を受けたことを今でも覚えています。
だからこそ自分が接する人たちに対しては、そのようなことをしないようにしようと強く思っています。
あなたが親、教師、上司の立場ならばこの機会に、態度を見直してみませんか?
無理に褒めたりする必要はありません。
あなたの態度が無言のメッセージとして子供、生徒、部下の心に届きます。
言葉にしなくても伝わっているのです。
ポジティブな期待を込めて接してあげる、それだけで良いのです。
それだけで変わるのです。
以上「ピグマリオン効果」でした。
最後までお読みいただきありがとうございます。
読者の皆さん、いつもありがとうございます。
新しい読者の方も募集しております。
気軽に読者登録してくださいね。