自分が撮影した写真も、長い年月見ていないと忘れてしまう。
20年前に撮影した上毛電鉄の写真を久しぶりに見返して、これは記録の写真として残しておきたいと思った。
先日、新鋭の800形に乗車し、従来の700形と並ぶ光景を見たことも、上毛電鉄の写真を整理しようと思うきっかけになった。
今後何回かに分けて連載していきたい。
今回は桐生市内を流れる渡良瀬川の鉄橋(富士山下-丸山下)を渡る700形をまとめた。
 

 

 

 

渡良瀬川の鉄橋を渡る700形
この車両は元京王井の頭線3000形
2006年10月

 

 

 

 

 


川の上流側から撮影
同じ鉄橋でも位置を変えると風景が変わる
2006年10月

 

 

 

 

 


1枚目と位置と鉄橋を挟んで正反対に撮影
見る角度が変わると列車も鉄橋も雰囲気が変わる
2006年10月

 

 

 

 

 


風がなく静けさに包まれた日
川面の水鏡に700形と鉄橋が写り込んだ
2006年10月

 

 

 

 

 


これは富士山下駅付近から撮影
この鉄橋ではいろいろな角度から撮影可能
2006年10月

 

 

 

 

 


川岸まで降りてローアングルで撮影
2007年5月

 

 

 

 

 


小高い山から俯瞰撮影
2007年2月

 

ご覧のように、同じ鉄橋でいろいろな角度から700形を撮影した。

個人的には2枚目の写真が気に入っている。

 

 

2026年10月上旬、秋晴れの下、上毛電鉄800形電車に乗車した。
上毛電鉄では、2024年から元東京メトロ日比谷線の車両が順次導入されていることは知っていた。なかなか乗車する機会がなく、2年もたって遅ればせながら初めてお目にかかることになった。
上毛電鉄の車庫がある大胡駅で全線フリー乗車券を購入。何度も乗り降りした上毛電鉄もしばらくご無沙汰していた。最後に乗車したのはいつだったか憶えていないが、10年以上は経過している。

 


新車と遜色ない
 

11時過ぎ、西桐生行きが到着。

 

 

 

 

いきなり、東京メトロ日比谷線カラーがやってきた。上毛電鉄といえば、700形(元京王井の頭線)の顔しか思い浮かばないのでかなり違和感がある。

 

 

 

 

 

都会を走っていた元日比谷線の電車がわずか2両に縮小され、田舎で余生を過ごすようにも見えて、別の意味でもおもしろい。

 

 

 

 

 


800形は大胡を出発。滑らかに走り出した。平日の昼なので車内はガラガラ。慣れ親しんだ700形の車内より明るい。走行中も静かだ。鉄道車両に詳しくなければ、新型車両と勘違いしそうだ。

 

 

 

 

 


800形は赤城南麓ののどかな風景の中を走り、粕川に到着。
粕川では従来の700形と交換。

 

 

 

 

 


約30分で、終点西桐生に到着。実に快適だった。


奮闘する700形
 

800形は数分後に中央前橋行きとして折り返し発車するが、従来の700形と乗り比べるため、1本遅らせることにした。
 

 

 

 

久しぶりに乗車する700形。慣れ親しんだ車両には懐かしいという言葉しか思い浮かばない。
以前と異なるのは車両側面に派手な広告を載せていることだ。個人的には美観を損ねると思うが、広告収入も地方私鉄には貴重な収入源だと思えば、あまり文句は言えない。

 

 

 

 

 


先ほどの800形の車内と700形の車内を比較するとずいぶん印象が異なる。座席の形状、座り心地、開閉できる窓、そして空調も大きく異なる。この日は最高気温が25℃を超え冷房が入っていたが、800形の静かな空調と比べると700形は騒音が大きい。

 

 

 

 

 


膳という無人駅で下車。

次の粕川まで線路沿いに道路がある。この辺りでは赤城山を背景に列車を何度も撮影したのでよく知っている。しかし、10年以上も経過すると建物が増え、撮影不可能になった場所もある。10年という歳月の流れを感じる。






粕川から再び800形に乗車。授業が早く終わったのか、帰宅する高校生たちで座席は半分くらい埋まっていた。また、自転車をそのまま車内に持ち込む乗客もちらほら見かける。上毛電鉄ならではの光景だ。

 

 

 

 

 


13時半過ぎ、終点中央前橋着。
新旧の車両が並ぶ光景もなかなか見ごたえがある。


変わるものと変らないもの
 

このように800形に初めて乗車し、上毛電鉄の変化を見たわけだが、久しぶりに上毛電鉄を訪ねても変わらないものも至るところにあった。

 

 

 

 

 


まず、西桐生駅の古い駅舎。駅前の路面がきれいに整備され、以前より見栄えが良くなった。
 

 

 

 

 


粕川駅近くの木製の柵。

 

 

 

 

 


地方私鉄によく見られる鉄製の架線柱。

 

 

 

 

 


そして、中央前橋駅と広瀬川。

「水と緑と詩のまち」と言われる前橋らしい風情と、地方私鉄のわびしさ。個人的には、上毛電鉄で指折りの沿線風景だと思う。


今後、800形がさらに増備されれば、700形も引退するだろう。あと何回700形に乗れるだろうか。
 

 

鉄道好きの私は、有名な観光路線より、目立つところはないのに印象に残るローカル線に愛着を感じる。
これまで乗ってきた路線を振り返ると、JR久留里線の久留里-上総亀山間もそのような路線の一つに数えられる。
周知の通り、2027年春に同区間は廃止される。残念という思いと、現実的に考えれば仕方がないという気持ちが半々である。
水害で同区間は現在不通だが、復旧したとしても再訪することはないだろう。自分の写真を眺めて、静かに回想してみたい。

初めて久留里線に乗ったのは1989年4月。
当時はスマホもデジカメもない時代で、カメラを持たずに旅をしていた。記録としての写真は1枚もないが、せめてもの証拠として上総亀山駅の硬券入場券がある。

 

 

 

 


「1 -4 -4」と印字されている。
つまり平成元年(1989年)4月4日。春休みだったことがわかる。ハサミも入れてある。
この頃は宮脇俊三の「時刻表2万キロ」に影響を受けてJR線乗りつぶしに夢中になっていた。内房線や外房線に乗ったついでに久留里線にも足を延ばした。

その後、久留里線にはすっかりご無沙汰してしまった。
再訪したのは16年後の2005年。

 

 

 

 


夕暮れ時に駅舎を撮影
なぜこんな角度で撮ったのか覚えていない
駅舎全体の写真を撮らなかったことを後悔している

 

 

 

 

 


この当時の駅舎は国鉄時代からの風情が残っていた
駅舎正面には旧字体の漢字で駅名を掲げていた

 

 

 

 

 


夕暮れ時の駅舎内はレトロな雰囲気に包まれていた


以上3枚は2005年9月撮影。

次に上総亀山駅を訪れたのは2009年。

 

 

 

 


駅舎が改装された
この駅舎が今へと続く

 

 

 

 

 


ホーム側から見た駅舎

 

 

 

 

 


駅舎正面も変わった
旧字体の駅名板は撤去された

 

 

 

 

 


ホーム上の駅名板
片方の矢印は終着駅の証

 

 

 

 

 


ホームと駅舎をつなぐ踏切

 

 

 

 

 


ホーム先端のらせん状の階段

 

 

 

 

 


駅構内のはずれに車止めがある
いかにも終着駅らしい光景

 

 

 

 

 


上総亀山駅に停車中のキハ30系
これは2012年9月、3回目の久留里線乗車の時
この時はまた来るだろうと思っていたが、これが最後になった
その後、久留里線キハ30系は新型車両に置き換えられた。


廃止まであと数ヶ月残っているが、お別れ乗車をすることはないと思う。廃止間際のざわざわした雰囲気のローカル線は何度か経験している。もう同じことは繰り返さず、自分の胸のうちに久留里線の記憶を留めておくことにする。
 

 

 

2027年春にJR久留里線久留里-上総亀山間が廃止される。
もう20年以上も前、廃止区間で撮影したことがある。
当時は国鉄型気動車のキハ30系が現役だった。
廃止を前に、久留里線の思い出を振り返ってみたい。

 

 

 

 


のどかな山里を古い気動車がゆっくり走る
2005年9月、平山ー上総松丘

 

 

 

 

 


久留里から先は山間部となる
2005年9月、久留里ー平山

 

 

 

 

 


地味な無人駅に停車中のキハ30系
2005年9月、平山

 

 

 

 

 


終点上総亀山駅
夕暮れ時の終着駅にディーゼル音が響き渡る
2012年9月、上総亀山

 

 

 

 

 


キハ30系の車内はロングシートだが
トイレのある区画はボックス席だった
この時久留里線に乗ったのが最後になってしまった
2012年9月、上総亀山

 

 

 

 

 


真夏のひととき
改札口に猫が紛れ込んできた
2005年8月、上総亀山
 

 

秋が来ると思い出す風景がある。
JR久留里線の終着駅・上総亀山駅のコスモス。
20年以上も前、上総亀山を訪れた。

懐かしい・・としか言いようがない。
来年の春に廃止が迫っている上総亀山。
最後の秋はどんな風情だろうか。


写真はすべて2005年9月から10月に撮影。

 

 

 

 


車止めの先にコスモスの花が咲いていた

 

 

 

 

 


終着駅のわびしさと可憐な花がよく似合う

 

 

 

 

 


秋の長雨の中、誰もいない終着駅に列車が到着した

 

 

 

 

 


ちょっと早いけど、さようなら、上総亀山駅