何かを否定することが

自分にとってプラスになるのだろうか


神様なんて生き物は居ない

神様なんて物質は無い


それは理解は出来るんだけど


誰かの信じる何かが

本人にとってプラスになることは

有り得ない事じゃないと思うんだ


それは神話に出てくる神様じゃないかも知れない

だから「神様なんていない」って言っても

それは間違いじゃないはずなんだ


だけど


例えば音楽さえあれば

言葉の壁が乗り越えられたり

例えば酒の力があれば

苦手な相手と話せたり


経験とか技術とか

挙げていったらキリが無いほど


世界は力に溢れてる


それは誰かのお陰じゃないけど

それなら自分が「神様」だって

思ってみたって良いんじゃないか


神はいる

きっと体か頭のどこかに

悪いことをして

誰かを傷付けて

誰かを泣かせているのに

神様ごめんなさいとか言う奴は

聖母像に潰されて悶えれば良いよ


謝る相手が違うだろう?

君が何を信じていてもさ

殴られても

蹴られても

切られても

刺されても


僕は傷付かない


見放されて

必要とされなくなって

言葉も無くなって

意味を奪われたとき


傷は生まれ

そして消えなくなる

ひとつめ


ひらいたときの できごとは

いまはあんまり おぼえていない

ここにいるって きづいたときは

そこをくぐって ここにいたから


ふたつめ


ふりかえって よくみてみたら

そこにはちいさな とびらがあった

むこうがわもすこし みえたけど

せまそうだから くぐらない


みっつめ


みんなとぎゃくに すすんでみたら

そこにとびらが たたずんでいた

だれかのあしあとが そこにはあったから

まよったけれど くぐらなかった


よっつめ


よるになっても ひるになっても

よっつめだけが みあたらなくて

ずっとさがして さがしあるいて

みつからなくて もどってみても


みっつめ も なくなってて


ふたつめ も なくなってて


ひとつめ は かぎがあかない

軽くキスを交わして

熱と気持ちを伝える僕ら


勝手に笑顔になる位

伝わる気持ちは大きくて


暫く会えない日が有れば

日に日に心が弱って行って


出会う前の自分を思って

溜息混じりに苦笑い


灼ける痛みは

心も身体も熔かす劇薬


もしも何かを間違えたなら

笑う者無き喜劇の終わり

届かない場所に

届くはずの無い貴方が居て


頭では分かっているのに

身体も心も理解できない


海の奥に貴方が居るような気がして

そんな事ある筈無いのに


毎日海を潜る

下へ下へと下っていけば


誰も知らない

貴方が見付けた世界があると


本気で信じていた


彼岸と此岸

交わることなんか無いのに

暖かな光


沈む熱


広がる夜


消えていく灯




流れる時


永い静寂


薄い夢


閉じていく世界




繰り返す日々




昨日と同じ、暖かな光


昨日と違う、同じ自分

何も感じなかった僕は


出会い


触れ


傷付き


倒れて




初めて痛みを知り


喜びを知り


悲しみを知り


他人を知り


心を知った




言葉の意味を知り


もっと知りたいと思った




他人の考えに触れ


もっと知りたいと思った




笑顔の作り方を知り


もっと知りたいと思った




けど他人の死に触れたとき


貴方の死に触れたとき




僕の世界は少し崩れた


何で回ってるのか分からなくて




それに触れてみたくて


それを知ってみたくて


それが何なのかを知りたくて




僕は


それでも生きていた




温もりも


意味も心も抉れてしまって




それでも


僕は生きていく

生きていることと

生まれてきたこと


何かが可笑しいのに

気付かない振りをする


「生きている」

の、反対は


「死んでいる」?

「生きている」?



「死んでしまった」

の、反対は


「生まれてしまった」?

「生きている」?


生きることも

悪いことじゃない気がする


けど

けれど生きている人は


間違うことも

間違わないこともできるのに


なぜか

間違いを認めない事が多過ぎる


それが

悲しい


通り雨


濡れたくなくて

どこかに逃げる

自分勝手な僕は


手近な花を

片手で摘んで


遮る為の傘にした


時間を掛けて開いた花は


通り掛った雨粒と

居合わせていた僕の気分で


実を付ける事無く

其処に崩れた


濡らす雨


枯れる花


雨から逃げた僕




不自然なのは誰だ