香港の日系銀行NWBに口座開設の問合せをして、香港滞在中にランチ付きの「2019年春の集中講座」に無料参加することになる☟。
https://ameblo.jp/do-not-stop-thinking/entry-12448842915.html


NWB

問合せしたときに、春の集中講座があることを知り、即申込む。

過去記事を見ると、NWBのオフィスがザ・ペニンシュラ・オフィス・タワーにあった当時の春の集中講座では、上記の内容に加えて、第5や第6セッション、前夜祭、オプションディナーが用意された内容で、講座費HKD1,000、オプションディナー追加料金HKD1,000とあり、講座費の予算を組もうと思ったら、ランチ付きで無料だった。


現在のNWBのオフィスは、日本人駐在員が多く住むMTR黄埔(わんぽあ)駅から、D2出口を出て徒歩2分の海濱廣場一座11樓にある。

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黄埔エリアは、お初だったので、MTR佐敦駅から地下鉄でMTR黄埔駅へ。

NWB

閑静なエリアで、迷わずに到着。


オフィスの会議室からの眺め。


シャングリラ系のケリーホテルの前の紅(ほんはむ)海濱花園の開発が進んでいる様子で、尖沙咀(ちむさーちょい)海濱花園まで散歩して、宿まで歩いて帰れそうだ。


『本日のセミナー内容』

9:30-9:40  CEOより開催のご挨拶
CEO中島努氏

9:40-10:00 第1セッション 会社紹介
共同営業部長 吉岡甲子郎氏

10:20-11:00 第2セッション 国際投資マーケットの最新展望
CIO長谷川健一氏

11:10-12:00 第3セッション 商品・サービスのご紹介
商品部長 幾田朋彦氏

12:00-13:30 飲茶ランチ
海福楼 Fullhouse

14:00-17:00 第4セッション 個別相談セッション
(口座開設手続きも可能)


冒頭から、ハワード・マークス著『投資で一番大切な20の教え:賢い投資家になるための隠れた常識』が紹介された。


オークツリーのハワード・マークス氏の名著で、バークシャーハサウェイのウォーレン・バフェット氏が自社の株主総会で配布したといわれる書籍。「本質的価値を下回る価格で買う」という守りやバリュー投資の基本がしつこく書かれている。

(目次)
① 二次的思考をめぐらす
② 市場の効率性(とその限界)を理解する
③ バリュー投資を行う
④ 価格と価値の関係性に目を向ける
⑤ リスクを理解する
⑥ リスクを認識する
⑦ リスクをコントロールする
⑧ サイクルに注意を向ける
⑨ 振り子を意識する
⑩ 心理的要因の悪影響をかわす
⑪ 逆張りをする
⑫ 掘り出し物を見つける

⑬ 我慢強くチャンスを待つ
⑭ 無知を知る
⑮ 今どこにいるのかを感じとる
⑯ 運の影響力
⑰ ディフェンシブに投資する
⑱ 落とし穴を避ける
⑲ 付加価値を生み出す
⑳ すべての極意をまとめて実践する


ブログ管理人は、「今どこにいるのかを感じとる」が好きな章だ。


過去の集中講座では、岩崎博充氏の『グローバル資産防衛のための「香港銀行口座」資産ガイド』が配布されていた(BOOKOFFで購入して読んだ)。
NWBで口座開設する利点として、以下が述べられていた。

1. グローバルな市場のカバレッジが広い

2. 非居住者でも、銀行口座の開設が可能

3. 法人口座でも、投資が可能(条件あり)

4. 個人で共有名義口座が持てる(4人まで)
※ 一人が亡くなっても、口座が凍結されない(香港の法律では、口座名義人が死亡すると、その口座が凍結され、取り戻すためには、多額の費用をかけた司法手続きが必要になる)

5. アジア・中国市場へのアクセス、情報の集積

6. プロ投資家向けの商品、私募ファンド、オルタナティブ投資などの多様性
※ プロ投資家になるためには、HKD800万以上の金融商品を持っていることの証明が必要)


国際投資マーケットの最新展望では、長谷川氏が幻冬舎 GOLD ONLINEで連載中の「香港発!グローバル資産防衛のためのマーケットウォッチ」の最近の内容から、最新展望が語られていた☟。


商品・サービスの紹介では、金融商品の選定方法などが説明された。

10万米ドル以上の投資で、専属の担当者がつく。それ以下の小口投資だと、日本のネット証券と同じように、自力で英語の商品説明を読解して、自己責任で商品を選択することになる。


香港では、2008年のリーマン・ブラザーズの破綻までは、リーマン・ブラザーズとその関連会社が組成・関与したクレジットリンク債や株式リンク債等の仕組商品(いわゆる「ミニボンド」)を数多くの個人投資家に小口で販売した銀行があった。

ミニボンドを購入した大部分は個人投資家で、多くの者は銀行から商品のリスクを十分に知らされておらず、安全な運用だと説明を受けた者も少なくなかった。リーマン・ブラザーズの破綻後に、ミニボンドが紙切れ同然となり、購入した者たちは銀行に苦情を申し立て、さらに、銀行を監督する立場の香港金融管理局(HKMA)にも数万件という苦情が寄せられる結果となり、大きな社会問題に発展。

現在、デリバティブを内包する仕組商品を販売する場合、その商品が仕組商品であること、顧客の資産状況、投資経験、投資目的に適合しなければ購入すべきでないと明記した「注意書き」を商品説明資料に含め、電話取引の場合には、同様の注意を口頭で行い録音記録を残すことになっている。投資適合性審査は、非営業部門の職員が行い、審査の結果のリスクプロファイルの写しも顧客に配布して、投資適合性を反映しているか顧客自身にも確認してもらい、そのやりとりは録音記録に残さなくてはならない。

投資商品の販売の主要プロセスは、録音記録に残し、その記録は7年間保存。販売する投資商品のリスクは、継続的に見直しを行い、リスクレーティングが高まった場合には、購入した顧客にその旨通知する。HKMAと香港の金融界は、ミニボンド事件の原因究明の調査に資源を投入し、再発防止の改善策が議論されて、現在は投資家保護の強化策が実行されている。



そのために、口座を開設するに当たり、「リスク許容診断」を受けなくてはならない。リスク許容診断は、9項目からなる質問で、顧客の資力や年齢、投資経験、投資目的・目標、投資機関より、5段階のリスクレベルに分けられる。


レベル1:保守型

レベル2:安定型

レベル3:バランス型

レベル4:積極型

レベル5:積極果敢型


ブログ管理人は、香港の投資家保護の強化がここまで進んでいるとは知らずに、ミニポンド事件もあったので、当初、リスク許容診断の2カ所の質問項目をあえて1段階保守的に記したところ、レベル1の保守型になってしまった。


日本にいる間に調べて、購入したい商品はレベル3なのに、これでは、スムーズに購入できない(自分のレベルよりも高い商品を購入する場合、手間がかかる)。そこで、正直に保守的に記入したことを伝えて、再度、リスク許容診断を受け直したところ、今度はリスク4の積極型になった。



この制度は、日本でも導入すれば良いと思う。このセミナーでは、説明はなかったが、香港では、一般顧客向け投資商品に関わるクーリング・オフ制度(Pre-Investment Cooling-off Period – PICOP)があり、高齢者や仕組商品になじみない顧客に対する投資家保護を厚くしているという。



セミナー後日に口座開設の予約をしていたブログ管理人も、この日に口座開設の手続きをしてもらえることになった。その間、しばらく会議室で待つ時間があり、一緒に待つ人たちと、すごく些細なことだけれども、小口投資家にとっては重要で実用的な質問をアテンドしてくれたバンカーさんに色々とすることができた。この人間味を感じるバンカーさんとの時間が最も有意義に感じるほどで、今回の集中講座に参加した甲斐があったと思う。



黄埔に美味しい担々麺のお店があると聞いていたが、朝と昼と飲茶尽くしだったので、担々麺のお店には寄らずに、海濱花園を運動がてらに散歩。



黄埔から紅磡海濱花園を通り、尖沙咀海濱花園から星光大道を歩けば、世界第3位の金融市場の中環と海を眺めながら、尖沙咀まで20〜30分くらいで歩ける。



NWBで口座開設をすると、予約を取ってくれないペニンシュラホテルのアフタヌーンティーの予約が取れるようだ。ANAとのマイル提携もしているらしい(条件あり)。



※ ブログ管理人がNWBのeNWBについて、WEB検索したときに、口座開設経験者のブログ記事が参考になった。ただし、圧倒的に記事数が少ないので、今回、体験記事を投稿したが、英語の読解力や基本的なファンド運用の知識が必須であり、リスクやデメリットもあることから、内容は自己責任で判断していただきたい。