今季の藤川監督には「神采配」と「謎采配」があります。
でも考えてみるとその多くが、藤川監督による「大いなるトライアル」なわけです。
どんでんに眉をひそめられた、髙寺や中川など本来のポジションではない外野起用とか、中継ぎネルソンの先発起用とか、あるいはシーズン途中でいきなり佐藤輝を外野にもっていき、ライト輝、レフト森下にして、ヘルナンデスなどをサードで使うとか。
とにかく彼はいろいろ試したいんですよね。
石橋を叩いて渡り、限りなくイレギュラーな事を消していく岡田前監督とは異なり、とにかく「試してみる」。
だから、藤川監督の采配は、成功すれば「神采配」だし、失敗すれば「謎采配」という事になります。
その上で考えてみると、日本シリーズ第２戦のデュプランティエ先発も、「大いなるトライアル」の一環だったのではないか、と考えます。
ソフトバンクの第２戦先発モイネロを想定した「捨て試合」としてデュープを先発に持っていったのでは？という声もありますが、それも十分あり得ます。
もしかしたら藤川監督として、才木は甲子園での登板を決めていて、第２戦が空いたので「デュープの復活具合を一回確認しておこう」という軽い気持ちで、先発起用したかも知れません。
としたら、２イニング目はちょっと引っ張り過ぎましたけどね。
２回裏から伊原が登板していたら、展開は変わっていたかも知れませんから。
いずれにしても、藤川監督にとって、福岡での１勝１敗は「想定内」のはずです。
だから、デュープの打ち込まれは「あーあ」と思うにせよ、あせってもいないはず。
３戦目のモイネロまでは負けてもいい、という計算もあり得ます。
６戦目は同じく有原―村上になると思いますが、これはおそらく勝てると見ています。
だから、甲子園の３戦で２つ勝てばいい。
４戦目の大竹、５戦目の髙橋遥人、ここできっちり勝っておこうというのが藤川監督の読みだと思います。
ソフトバンクはなんでモイネロを第３戦に持ってきたんでしょう？
モイネロくらいの投手であれば、シリーズで２回は先発させたいでしょう。
２戦目に使い、さらにもつれたら７戦目にも先発、という方が阪神にとっては厳しかったと思うんですけどね。
あと、ソフトバンクの強力打線が目を覚ました！と喜んでいる声がありますが、病み上がりのデュープと、下り坂のベテラン岩貞を打ち込んだくらいで、喜びなさんな、と。
阪神投手陣の真打はこれからですから。
現に立ち上がり調子の悪かった村上を打ち崩せてませんでしたからね。
阪神は10点も取れない打線ですが、１点差のハラハラ試合で凌ぎ切る力はあります。
明日から戦いの舞台は甲子園。
すべてがガラッと変わりますよ？