結局、サンテレビの特番でのインタビューだっけ、藤川監督は「打撃は選手に任せてます」みたいな事をドヤ顔で言ってたような気がしますが、そんな開き直りが最後にクライマックスシリーズという短期決戦の敗退に跳ね返ってきた感じでした。
ここに来て思う事は、たまたま佐藤輝明が三冠王獲って、森下翔太が最高出塁率獲って、髙橋遥人が最多勝獲って、村上頌樹が最優秀防御率獲って、才木浩人が最多奪三振獲れたから、リーグ優勝出来た、という事です。
これらの選手は藤川が連れてきた選手でもなければ、育成した選手でもありません。
岡田監督とそれ以前の監督たちが獲ってきて、主力になるまで育ててくれたのを引き継いだだけ。
特に、輝と遥人の選手としてのピークが奇跡的に2026年に重なりましたから、何の策も立てなくても打ってくれ、抑えてくれた。
(でも輝なんか、最後の最後でパンクしたわけなんで、監督の選手管理能力については疑問視されるべき)
髙寺がレフトとして使えるようになった。
木下や工藤が台頭した。
まぁ、それらの若手の成長を、藤川監督が手助けした部分はあるかも知れませんが、石井大智を使い過ぎで潰してしまい、苦肉の策として木下、工藤を使ってみたら、ことのほかいいボールを投げた、という結果オーライの状況だったのではないか、と。
でも、自分で「回跨ぎ」を多用し過ぎて、肝心なところで失敗してるし。
そうやって、昨季に引き続き、今季も選手たちが頑張って勝ってくれたものだから、藤川球児は監督としての生みの苦しみを何も味わう事なく、ここまで来たのだけれど、近本が打たない、森下、輝が欠場した、という緊急事態には何の対策も立てられませんでした。
輝がコンディション不良で欠場したらあわてて木浪や立石を代わりのサードに使ってみたり、森下が負傷退場した時は急に思い出したように岡城、濱田、ガルシアを1軍に呼んでみたり、藤川本人は「準備が大事」とか言いながら、そういうアクシデントに何の準備も出来てなかったわけです。
シーズン中大して活躍してない選手を急に1軍に呼んだって、打ってくれるわけもないでしょ、そもそもの話。
昨日も言ったけど、代打木浪なんてシーズン中ほとんど結果出てないのに、何でまた代打木浪を連発するのか?
1アウト三塁とか、1アウト二三塁とかそういう形を作っても、ただバッターを打たせるから三振で終わったりするんですよ。
セコイけど、スクイズをしてみるとか、ゴロゴー含みのエンドランを仕掛けるとか、監督が自ら動いて選手を動かす、という場面もからっきしない。
代走植田を使ってのダブルスチールは一瞬湧きましたけどね、結局それだけ。
DeNAを誉めたくはないけど、相川監督、そしてDeNAの阪神対策は見事でした。
先発投手の戦略はまさに「起承転結」。
誰もが気付いてたと思うけど、1戦目平良、2戦目尾形という「対阪神の成績のいい投手」を先発に持ってきました。
これは起承転結の「起」と「承」。
平良の得意球は低めへのシンカーとカットボール。
阪神の打者は軒並み、この低めの落ち球にクルクルとバットが空を切る始末。
いやいやいや、シーズン中に負けてるんやから、低めはすべて捨てろ、とか何らかの対策立てとけよって話じゃないですか。
対する阪神の先発はシーズン中と一緒の村上。
対DeNA戦の成績が1勝3敗なのを考慮に入れず「ウチはいつも初戦は村上」とばかりに、全く変える様子もなし。
しかも立ち上がりが悪い中で、DeNAは1回表にちゃんと点を挙げました。
データを用いるDeNAはすべて計算ずくな感じがします。
初戦を落とした阪神に立ちはだかったもう一人の阪神キラー尾形。
しかもその尾形を4回でスパッと降ろし、元阪神の岩田、馬場、浜地を相次いでぶつけたのも、甲子園慣れしている(岩田はあまり経験なかったけれども)投手として、かねてから用意していたのだと思います。
そして前回も書いたけど、3戦目の先発に「初物の左腕」片山を出してきたのには、驚かされました。
これ起承転結の「転」の形です。
1戦、2戦と相手に飲まれた阪神に、この初物左腕は効果的でした。
データも対戦経験もない、その上ボールの出所の分からない変則左腕に、キリキリ舞させられてしまいました。
シーズンと同じ戦い方しかできない阪神ベンチは、心底あわてふためいたと思います。
すべてが「短期決戦用」に準備していたのではないか、と考えずにはいられません。
4戦目は最後の「結」として、あえて今季阪神に使ってこなかった(主に対巨人要員のため)エース東の先発で、ここが阪神の勝ち時だったでしょう。
阪神は先発大竹で背水の陣です。
ここでその阪神をあざ笑うかのように、ルーキー成瀬の2ランが飛び出します。
阪神のルーキー、しかも輝くドラ1が3三振で沈んでる中で、DeNAのドラ5のルーキーがこの大事な試合で2ランを打つんですから、育成力でも負けてました(シーズン28試合で得点圏打率4割、立派!)。
負傷で3戦目ベンチだった森下の奮闘で一時は逆転しましたが、藤川監督はやっぱりシーズン中と同じ、リリーフの「回跨ぎ」を連発し、工藤がリリーフ失敗、シーズン中と同じようにドリスに後を託し、やはり失敗、そしてシーズン中と同じように満塁のチャンスで「とっておきの満塁男(笑)」木浪を使って、最後の大失敗。
失敗続きで、CSは幕を閉じました。
思えば、2戦目尾形に抑えられ、4戦目には三森に逆転タイムリー、井上にダメ押しのタイムリーと、結局ソフトバンク出身の選手にやられまくってるんですよね。
どれだけソフトバンクに弱いねん、って。
さて、昨日、小谷野栄一打撃チーフコーチの退団が発表されました。
球団は当然来年も契約する予定だったそうですが、本人が退団を申し入れた、との事です。
藤川監督と同い年で、藤川監督たっての希望で連れてきたコーチのはずなんですが、好意的に見れば「CSで敗れた責任をとった」という事になります。
やっぱり日本シリーズに進めなかった以上は、誰かがその責任をとる必要があると、管理人は考えます。
小谷野コーチは「選手に寄り添う指導」に定評があり、佐藤輝明の成長に貢献したとも言われてますが、一方昨季からの課題である、6番打者以下の打線強化には失敗しており、藤川監督含めて迷走した感もあって、「本当にコーチとしてチームの底上げに貢献したのか」疑問に思ってました。
輝や森下はいいんです。もともと自力のある選手だから、見守っていても何とか自分で伸びていけます。
問題なのは髙寺望夢や、特にいつまで経ってもチャンスでチキる前川右京ほかの次世代の主力バッター候補をどう成長させていくか。
この問題にもっと正面から取り組んでくれないと意味がないんです。
小谷野以外の1軍打撃コーチって誰ですか?
上本?
現役時代単打マンでほとんどケガばかりしていた上本が、次世代のクリーンアップを指導できますか?
藤本総合コーチって、和田がヘッドコーチに来た以上、何の役割なのか意味不明です。
かつて若手の掛布雅之をしごいてくれた「かっぱえびせん」(いったん指導しだすと「やめられないとまらない」事から)こと山内一弘とか、幾多のスラッガーを育てた「名伯楽」中西太とか、そういう本当の意味での「コーチ」はいないんですか。
阪神って球団として儲けているからお金はあるはずだし、ドラフト戦略は12球団でも随一なのに、コーチの選定と、外人選手編成だけは三流以下なんですよね。
小谷野コーチ退団で、一つだけ気になる事があります。
昨季は藤川監督がたっての希望で呼んできた金村曉コーチが、シーズン終了後突然退団しました。
もともと1年契約だった、という話もありますが、優勝したチームの投手コーチですから当然留任再契約が基本線でしょ。
なのにやめちゃった。
今季も小谷野コーチの突然の退団です。
その他でいうと和田豊ヘッドコーチは、ヘッドから打撃巡回コーディネーターに逆戻り。
藤川監督って、そういう自分よりも指導者としてキャリアのあるコーチとはうまくやっていけない何かがあるのか、と思ったり。
安藤や藤本は基本イエスマンですから、藤川の気の障る事なんか死んでもしないでしょうけど、前掲の彼らは藤川よりもずっと経験則で物を語れる人ばかりです。
藤川は解説者の時もそうだったけど、「俺は全部分かってる」的な物言いが大好きな人物です。
監督になってマスコミに対して煙を巻くような事を言うのは、「俺は全部分かってて、話そうと思ったら話せるけど、それは君たちには教えないよ」的なポーズに見えたりもします。
そんな「オレさま」藤川に、「監督、私の経験からするとここは●●では…」と言おうもんならどうなるか、考えるだけでも怖い。
そう思うと、主要なコーチほど急に離れていく現状って、何か不自然なものを感じるのは管理人だけでしょうかねぇ。
小谷野さんがやめた後の「チーフ」打撃コーチは誰にするんでしょうか。
お手盛りの元OBで、藤川のイエスマン的な人がなったところで、何か状況が好転する可能性があるのでしょうか。
このCSで、輝と森下のいない打線のお寒い状況は痛いほど分かりました。
でも、輝の今季末のポスティングを球団が容認したそうだし、森下も代理人を用意し、着々とポスティングに向けて準備しています。
これまでは「これだけの戦力がいたら、勝って当然」というプレッシャーに苦しめられていたそうです。
これからは「いつものようにただ選手を送り出しても、誰も打たない、勝てない」という事に苦しめられそうです。
3連覇どころか、一気にBクラスまで落ちる可能性もある中で、来季に向けてどういう戦略でチームを勝たせていくのか。
選手に任せていたら何か打ってくれて勝ってた…なんて事はもう多くは期待できない可能性大です。
今後の藤川球児監督を待ち受ける状況は思った以上に厳しいと思います。