◇3連戦で目立つのは奪四球の多さ
相手チームに与える四球を「与四球」と呼ぶのだが、逆に相手から奪う四球は「奪四球」とでも言うべきだろうか。
この3連戦で阪神がDeNA投手陣から奪った四球が、第1戦「2」第2戦「8」第3戦「6」。
第1戦こそ少なかったが、第2戦ではサヨナラ打を生んだのはその前の小幡が四球でつないだ事だったりするし、第3戦でも3回裏の佐藤輝の四球から森下のタイムリーを生み、また4回裏には佐藤輝、森下の連続四球で押し出し得点を呼んでいる。
この3連戦見ていて、落ちる変化球に対する見極めが段違いによくなっていると感じる。
昨季であれば、ランナーのいる場面で、誰もが落ちるボールに空振りして、チャンスを逃していた。とにかく、チャンスに三振が多い事を感じていた。
今季は全く違い、とにかく落ちるボールには手を出さない。
必要以上に、低めのボールを誰もが見極めている。
佐藤輝明と中野拓夢が、打席で要するボール数が、昨年に比べてかなり増えた印象。
早打ちそのものが悪いとは言わない。
しかし、相手投手によりたくさんのボールを投げさせる事は、戦う面で重要だと思う。
特に、最近はストライクゾーンからボールゾーンに外れていく変化球を得意とする投手が多いので、その相手の決め球を見極める事ができれば、相手の投手へのプレッシャーとなり、自分の打席が有利になる。
昨季はそれが全く出来ていなかった。
コーチ陣は、落ちるボールも何にも関係なく、とにかく来たボールを振れ、とでも言っていたのだろうか。
それではヒットは増えないし、得点も取れない。
◇忘れてはいけない進塁打の重要性
そして、これも岡田阪神になって感じた事。
チャンスに、きっちり進塁打が打てるようになった。
たとえば、一塁にランナーがいると右打ちが出来るようになった。
これまで矢野阪神では、この当たり前の事が出来ず、無死一塁で、レフトに凡フライを打つ事が普通だった。
第1戦の9回裏で、代打糸原が一二塁間に引っ張り、二塁ランナーの佐藤を三塁に進ませ、これが小幡のタイムリーを呼び、貴重なダメ押し点となった。
第2戦のサヨナラの場面では、同じ代打糸原が一二塁間に引っ張り、これがヒットとなって、最終的には近本のヒットでホームベースを踏む事となった。
糸原にどんな岡田監督の指導があったのか正直分からないが、昨季の糸原なら、レフト前のポテンヒットを狙って、ちょこんと当てるバッティングをしていたのではないか、と予想される。
彼は入団当時から、一二塁間に引っ張る強い打撃で活躍したのだから、今のポジションでその原点に目覚めたのだろう。
原口とともに「スタメン出場に飢えている状態」でいてくれる事で、いい集中力を持ってくれている、これも岡田采配の妙と言うべきだろうか。
青柳がセーフティスクイズを決めたり、秋山が初球から送りバントをきっちり決めたり、細かいプレイもソツなく出来ている。
悪いが、これが矢野阪神とは一番違う点だ。
勢いだけの雑なプレイはしない。
勝つために最もふさわしいプレイをする。
◇矢野は責任はとるが選手任せ、岡田は指示をしてその責任をとる
矢野阪神と岡田阪神の一番の違いはこういう事だと思う。
矢野阪神は「自分に伸び伸びプレイしなさい、そしてその責任は俺がとる」。
岡田阪神は「指示は全部俺が出す、そしてその責任は俺がとる」。
ベテラン揃いの成熟したチームであれば、矢野阪神のやり方で通用するだろうが、阪神はリーグでも有数の若いチームである。
「指示がなく、ただ自由にやれ」という事では、選手は迷うだけで、いい結果は出ない、という事だろう。
岡田はグリーンライトを認めず、盗塁は自分からサインを出す、と言った。
自由はないが、監督の指示であれば、逆に選手は思い切って行けるというものだ。
第3戦の8回裏、中野が二塁に進んだ事で、打席の島田が1ストライクを取られているにも関わらず、原口を代打に送った。
矢野なら「島田に任せた!」だが、岡田は明確に「原口、ここで打てよ」という意思を示した。
どちらが良かったのか分からないが、結果原口がホームランを打ったのだから、これが正解という事だろう。
仮に原口が凡退したとしても、管理人は、岡田監督が、原口にこの打席を預けて、「チャンスになったら、おまえはいつでも送り出すよ」という強いメッセージを与えたのだから、チームにとっても原口にとっても、意味がある事だと思う。
何だろうか、矢野阪神で首をかしげていた事の多くが、岡田阪神で納得がいった、そんな気がする。
でも、岡田監督は「そんなもんオマエ、ただ当たり前の事をやってるだけやん。おーん」と言うだろう。
阪神は当たり前の事をやれるチームになった。
監督の違いは大きい、つくづくそう思う。
#阪神タイガース #佐藤輝明 #岡田監督