私はその時が来て
吉田松陰が弟子たちに言った

"諸君、狂いたまえ"

という言葉が好きだ




さぁ
その時が来ましたよ
やってしまいなさい

あなたたちの時代ですよ
って感じ

ここで言う狂うってのは
そういうことでなく
常識や既存のパターン
古びた価値観
人をがんじがらめにしてるもの
それらから解放されなさいってことなんだと思う

 
DJとかやるじゃない
いつもこんな気持ちでやってる

フロアの皆さん
狂いたまえと

僕はこの言葉を思い浮かべるとき
いつもある曲をイメージする

佐野元春の
『ガラスのジェネレーション』
という曲だ

10代のときにこの曲を聴いた
"つまらない大人にはなりたくない"
のつまらない大人って何やろって

それは日常を闘っている企業戦士の人らのことではないやろ
家族のために働いてる人
俺は素晴らしいと思う

毎日同じ生活の人
それもいいと思う

俺にとって
つまらない大人とは
こうでないとダメと決めつける人だ
縛りつけようとする人だ

この曲のアンサーソングが
渡辺美里さんの
『My Revolution』と聴いた

大好きな曲だ

最後に

明日を乱すことさ
ってのが最高に好きだ

革命ってのは
簡単だ

やりたいことをやるってことだけだ

それが一番難しいんだろうけど

やり方のコツがあるとしたら一つ

狂うってことだろう

いよいよはじまった

ノートにペンを走らせ
無我夢中でメモった

その会議には
心強い人らが集まった

いよいよだ

いつだって
ノートに書いてきた

どんなときも

書いて書いて
イメージして
アイデアを思い浮かべる

その先の歓喜を想像しながら
一心不乱に

書きながら

俺は振り返っていた

俺らやるんだなと

このダイノジという
ふざけた名前の
自分じゃない人に
なって
道化の世界に飛び込んだ

優しくも怖き世界で
なんとかかんとか
やってきた

あれからもう29年目になろうかと
いうところ

俺らはいよいよ
やるのだ

故郷で

感慨深いというより
プレッシャーというより
またどうせ
どこかの誰かに
笑われ
馬鹿にされ
イタイやつだと言われ
そして
陰口を叩かれるのだろうなと
どこかうわついた気持ちより
諦観にも似たような気持ちに
なるのは何度もそういう
経験をしてきたからだ

ただそれでいい
ひたすら粛々とやるだけなのだ

そんな諦観の気持ちに時に
押し潰されそうになったけど
そこをなんとか跳ね返してきた

いつもだ
ずっと大地と二人で
そいつを
跳ね返してきたよ

二人でやるならなんとかなった

やるかやらないかなら
やる
ひたすらやる人生を選択してきた

俺は
ワクワクするでもなく
ドキドキするでもなく
そんなセンチメンタルな気持ちより
気の遠くなるなるような
努力の日々が続くんだろという
諦観のような気持ちだったのだ

そう
それは
すなわち覚悟を決めたということだ

見てろよ
この野郎と
ニヤっと笑ってみた

強がりながら

尊敬するプロデューサーが
俺をイジる
必死にツッコむ俺

なんと楽しいのだ

イメージをみんなで共有する

血の滲むような努力
どんとこいよ

さて
宴はこれからだ

何度か困難と向き合うこととなるだろう

私は狂うというボタンを押して
またもう一度笑った