歴史ものの小説は大学生
若手芸人時代
とにかく好きで読んでました


その当時
なんかの雑誌で読んで
誰かの
真似したのが
大福買ってね
和菓子ですよ
東京の美味い
和菓子を買って

寝る前の1時間
毎日読むというね

熱い緑茶と和菓子をつまみながら
ひたすら没頭するの
これがいいのですよ
夢中になると
ページを捲るのが止まらなくなって


高校生のときは
純文学とか
新潮文庫の100冊とか
あぁいうのかたっぱしから
読んでね
そんで
クラスで村上春樹さんが
流行ったんですよ
でも僕は
タニってますから
なら俺は村上龍だ!と
春樹でなく龍だと

パツパツのテニスウェア姿の
村上龍さんですよ


図書館こもって
ちょっとエロい描写多めの
小説読んだりして
悶々としておりました

大学生なって
中野翠さんの評論読んでね

昔の映画とか落語とか
そして娯楽小説を知って
東京のいろんな古本屋に
通ってなるだけ安いの探して
買って読み耽りました

それで
大槻ケンヂさんかな
抜群にコラム面白いのよ
この人が


山田風太郎先生について
書いてるのでが
面白くてね
直感的に俺この人好きだなぁって
思って
そしたら
中島らもさんもコラムでも
この人を絶賛してるわけです

さらにさっきの
中野翠さんも絶賛してる



こりゃ一大事だと
山田風太郎作品
読まないとダメだぞって



最初は
『甲賀忍法帖』ですね

少年ジャンプとかの
王道の
5対5の闘いのパターンみたいなの
作ったって

山田先生
医師の免許あるから
忍法が荒唐無稽なんだけど
もっともらしい説明があって
それが可笑しくて可笑しくて

くの一の性行忍法とかに
大真面目に
人間の肉体の機能の説明が
入って妙に納得するっていうか



『シンゴジラ』も
早口でいろいろ説明するじゃないですか
あれしっかり文字化して読んでみても
ゴジラが誕生する意味が
立証できないって聞いて
俺最高だと思ったんですね


すごい早口で台詞回しすることで
なんか観てる人が
そういうもんなんだなぁって思うって
そのいかがわしさが
めちゃくちゃ好きですね



山田風太郎って人は
なんか舌出してる感じ
いたずらっ子みたいな
権力者を小馬鹿にするような
とこもあって
そこも最高に好きなんですね


そしたら
小学生だかに観た
『魔界転生』って映画の原作が
この人だって知るわけですね

あの怪しい映画
あれかと
深作欣二監督作品のね

どうもこの
『魔界転生』は
柳生三部作の
二部だと知って

それで一部の
『柳生忍法帖』
読むわけです





いやー
ぶっ飛んだ
あまりの面白さに

もうね
パンクロック聴いたときみたいな
衝撃と『バックトゥーザフューチャー』
観た時のおもろいなぁこれ
終わらんで欲しいなぁみたいな
あの感情が両方同時にきましてね

家族を殺された女性たちを
柳生十兵衛が鍛えて育てて
復習するっていう話しでね

これがまぁ
文句なしに面白いです


とにかく柳生十兵衛がカッコいいのよ
この人もカウンターヒーロー
敵も相当あくが強いんだけどね


SFですね
完全に

イギリスの映画で
『レポマン』みたいな
あぁいう少しチープなの
大好きで




突然髪伸びて武器になるとか
動物と会話できるとか
魔物みたいな殺人野郎に
立ち向かうわけです



最後の最後までテンションそのまま
しかもこの会津の藩主の暴君っぷりは
史実にあった話しかなんかで
史実とフィクションを絶妙に
ブレンドします



実際にいた人が絶妙なタイミングで出てくるのも風太郎先生の妙で



沢庵和尚が出てくるんだけど
それが僕のジョギングコースの
品川の寺が舞台で




あのたくあん作った人ね
沢庵和尚
あそこ通ると
柳生十兵衛も来たのかなぁとか
思って笑

ちなみに
マーベルのアベンジャーズの
サミュエル・L・ジャクソンの
ニック・フューリーの眼帯は
柳生十兵衛からだからね



父や夫を権力者に殺された
女性たちに
ニック・フューリーがやってきて
復讐しようって手解きする

そういう感じでイメージしてもらえれば



またさ
ラストが最高なのよ
こいつ
最後の十兵衛のセリフがね

カッコよくてね
粋でね

これをね
大福餅だとか
おはぎだとか
用意して
熱いお茶飲みながら
没頭して読むわけ

寝ないといけないのに
あと1ページ1ページと
やめられない

山田風太郎先生だと
明治ものも相当オススメ
『警視庁草紙』ね

これも寝させてくれなかったなぁ

川路利良ね
薩摩藩の
日本警察の父
この人が主人公でね
鹿児島に営業行った時
銅像観に行ったもの
この小説のせいですよ

これも夏目漱石とか与謝野晶子とか
しれーっと出てくるの笑

川路利良と交差してたなんて史実には
ないけどなかったとも言い切れないから
絶妙な絡み方でね

ミステリーなんだけど
山田風太郎は人間を描くのが
本当に上手い
清濁飲み込んだキャラクターにしててね

人間の複雑な側面を描くのね
安易なステレオタイプな奴らじゃない
そこが好きなのかなぁ

池波正太郎先生の
小説もそうで
全くキャラクター違うけど
強さも弱さも兼ね備えている
多面的な人間性をもつ
キャラクター達を
少し距離を置きながら
描いててね

だからそのものに降りかかる
運命の
ほんのちょっとのズレのようなものが
本当に悲しくてせつなくて
たまらないですね

剣客商売シリーズも大好きだけど
この番外編の『黒白』は長いけど
ページをめくる喜び半端なかったですね




主人公の若いときの
お話しでね

秋山小兵衛さんは
シリーズの中では老人で
背も低くて
女好きで

キャラ抜群でね
女好きっていうか
奥さんに先立たれて
今の嫁さんが
ちょっとぽっちゃりした
若い奥さんで
なんともほのぼのしてる
少しエッチな描写で

それが剣の場面では
達人のそれになるんです

生真面目な息子との
バディものなんだけど
その秋山小兵衛さんの若い時の話し

苦い話しでね
たった一つの過ちが人生を
狂わせるっていう
少しサスペンスの要素もあって
本当面白かったですね

池波作品の男ぶりが好きなんですよね
大好きな桑田佳祐の
『祭りのあと』の男みたいな



ここにある
時代歴史小説以外にも面白いのは
沢山ありますが
僕が好きな時代劇の要素を
全て満たしながら
展開、構成で一気に読ませてくれたのが
『吉原御免状』です




なので
オススメなんです




また夜に
今は夜中食べていいものが
限られてますから
ビーフジャーキーと
素焼きのアーモンド食いながら
歴史小説と決め込んでみようかなと思う