東北の米は美味い
圧倒的に美味い

そんなことはみんなご承知の通りだろうが
できれば東北で食べるのがより一層美味いと思う

当たり前だろと言われるかも知れないが
これは俺の日記なので独り言だと
思って

東北の米を
現地で食べるのがいい

昔は泊まりの仕事も多くて
地方のホテルの朝食バイキングが
楽しみだった

若手芸人で
ちゃんと朝から朝食バイキング
行ってたのってあんときは
私とぐっさんくらいだったと思う
→みんな夜飲みに行ったりしてたからね

だから若い時から
朝食バイキング食べるのは大好きだったが
年齢を重ねれば重ねるほど好きが増していくのだ

前日からどんなのあるかなぁと
想いを馳せる
この時から始まってる

ホテルによっては
エレベーターの中に
朝食の予告が貼ってあったりする

あれを見てしまうの
見たらダメ
引き返せないよ
って心の中の先輩が
アドバイスしてくれるんだけど
見ちゃうんだよ
そういう時こそ

郷土料理、ご当地料理
なぜか沖縄料理フェスタとか
プリン祭り実施中とかあると
これを見たってことは
食べろってことだなと
思ってしまうの
そしたらもうダメなの
後戻りできない
踵を返して
急いでフロントに戻って
朝食プラン付きに変更してもらう

前日の夜は
なるだけ食事をしないようにして
軽食で済ませるのが
朝を満喫するコツだ

俺はコンビニで
鯖缶と味噌汁やバナナなんかで
済ませることが
多い

夜はだいたい毎日本読むので
その時間ナッツなんかを齧りながら
少し空腹のまま寝るのがいい

その朝食バイキングにおいて
俺は圧倒的に東北で
食べるのが好きなのだ

理由は明白だ

米が本当に美味いからだ

福島
宮城
山形
秋田
岩手
青森

本当にどこで食べても
真剣美味い

更に郷土料理
ご当地料理に
米を食わせる
ご飯のアテの類

奴らがとんでもない働きを
しやがる
大それたおかずはむしろ
ここではいらない

この小兵たちの活躍が
半端ない

油断すると
メシ4杯目とか
なっちまうこともあるのよ

長年の知恵と工夫が詰まった
これ以上ないくらいシンプルで
無駄のないやつらが
ツヤツヤでテカテカの米の魅力を
引き出しまくるのだ

相乗効果ってやつだ

もちろん温かい地方にも
美味い米はある

確かにある

ただこっちは歴史と文化の積み重ねが
半端ない
東北の米をうまく食べる長い長い大河が
朝から圧倒的な説得力で俺を包む

いいのよ
大谷君
食べて
今日は米を躊躇なく食べていいの

力石に白湯を差し出す葉子のように
飛びつきたい炊き立てライス

力石ほどのストイックさのかけらもない私はその米に飛びつくのだ

お前は大丈夫なんだ
お前はタフなんだ
絶対にいけるんだと
ライスシャワーが俺に言う

味噌汁のあの白いネギ
大きめのあのネギ
ネギは青いのが好きだ
正直言えばそれで育ったんだから
あれが自分のN-BLOODを形成してる
はずなんだが
東北の朝食だと
やっぱりあのネギなのだ
あの白く太いネギの味噌汁
あれが東北の米に合うのだ

九州の旧友や家族に
申し訳ないなぁと思いつつ
郷に入れば郷に従えと快楽に溺れていく
49歳


あれがいいのだ
東北の朝は宝だ

至宝の愛