"恥の多い生涯を送ってきました"
『人間失格』



"裏切りものの名をうけて"
『デビルマン』




そこから始まる?
と、
衝撃受けて。

太宰治が好きでね。
高校生の頃、読み漁ってました。




一番好きなのは短編集なんですけどね。
『トカトントン』『ヴィヨンの妻』『女生徒』

あと『走れメロス』は
小学生の時とかに知ってたけど、それも太宰なのかと、なんだか
幅広いなって

『ヴィヨンの妻』は
女好きの主人公が大谷でね
そういうのも妙に親近感湧いて

同じ6月生まれだし
エレカシのミヤジも6月だし
6月生まれってのは
文学のかほりがするんだなって
勝手に呼ばれてると思って

『斜陽』は
話が面白いでしょ
小説と物語は違いますよね
小説は内面が描かれるからね
だから物語は二の次みたいなところも
あるかなとか
でもこれは両方いい




内面描写って
当時自分にとって
人間とは考えだけならこんだけ自由な考えを持っていいんだよって言ってるような気がしたのね

芥川龍之介の方が手法とかは
上手いし、ノートに写したいくらいしびれる表現があったりするんですけどね
無駄がないっていうか
ビシッとしてる

めちゃくちゃいいコント師の
コントライブ見たような

より複雑で多様な気持ちにさせられるのね

太宰はもっと劇場型のイメージです
自分は

大袈裟で抑制がない感じがたまにする
あくまで感じでね
大ぶりのボケみたいな


なんすかね


勝新太郎が晩年とぼける感じ
ガンを記者会見で発表したとき、
タバコは一生吸えないって言ってから
火つけるやつ
それで記者が突っ込んだときに
とぼけるのね

人間が性善とか性悪とか
正直そんなものより
一瞬にしてシアターにしてしまうような
感じなのね
自分にとっては


だからずっとニヤニヤしながら
読んでいた


内省的とは
ちと違うんですね

芸人の色気に近い
だからすきなんだと思う


夏目漱石は真面目
真面目にユーモアまぶす感じ





『こころ』とか読むと本当よくできてるんですよね

でも、そこまで思わんやろみたいな
ツッコミはできない


太宰だとなぜか僕は
できるんです



どちらもいいなって心底思う

あくまで印象、感じですけどね




谷崎潤一郎
『痴人の愛』は
繰り返し読みました

これと安部公房の『砂の女』

なぜか何回か読みたくなるんですよね


純文学作家って
こんな昇華の仕方できるんやって
完全に自分の恥部を
こんな風に描けば昇華できるんやって

未だに谷崎潤一郎カッコいいなって
思ってます




それで高三のときですかね

『堕落論』読んで

とにかく衝撃受けて
坂口安吾ね

ブルーハーツの
『リンダリンダ』だと思ったし
ビートたけしのオールナイトニッポンだと
思った
大袈裟でなく


汚くても"生"にしがみつくことが
美しいって思った

まさに生まれたからには生きてやる
ってやつで

Theピーズって
バンドが

"汚れる程汚れる程 愛しい眺めがおかげで増えるよ"

って気だるく歌うのね

すごい坂口安吾みたいだなって思ってた





そのあと
山田風太郎の小説や
川島雄三の映画に
衝撃受けて
俺はいつかこんなものを
やってみたいと
思ったのね

川島の
『洲崎パラダイス 赤信号』
のカップルとかさ
まさにそうじゃないかって




文学にあるカップルね
落語でいったら
『お直し』の2人みたいな

石井隆が描く
村木とナミみたいなね





出会ったことで
堕落していく
関係



でもそうじゃなきゃ
その人じゃなきゃダメな感じ



ダメな2人
おかしな2人



それが作品ならいいっていうね
作品に、ネタにしちまえばいいっていう


そこがたまんなく美しい






いや独り言よ
こんなもん





甲府でさ
温泉入ってね



太宰治がよく来てたって
聞いて
改めて思い出しただけ



クズが
なに偉そうに
語ってんだって
帰り道よく思うの
それで
いつも落ち込んで
こんなこと
グルグル考えるのね



それをまぁこんな
ダラダラと

恥ずかしいやつだよ
俺は


でも
まぁ
それでいいんだよ
生きてるなんて恥ずかしいことなんだから