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大分県佐伯市という小さな町で育ったんですね。
僕は。
佐伯市は大分の中でも南部の外れで、東京なんかで大分出身の人と出会ったときもお互いの出身の町を言うと微妙な空気が流れてしまうような場所なんですよ。
一瞬盛り上がるんだけど
あーあーみたいな。微妙な空気が流れるんですよね。

同じ県でもそういうのあるんです。

だから
キキマスに嘉風関が来てくれて。
彼は15歳まで佐伯でね。


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佐伯のすごいミクロな話が出来て嬉しかったなぁ。



東京で言うなら町田なのに堂々と東京出身と言うような感じかな。
小田急で川崎過ぎて到着するから、なんか不思議じゃないですか。町田なのに江戸っ子って言ってるみたいな。

町田は町田でまたいいんですけどね。


そんな自分だからよくわかる。
博多と北九州は全く別物だってのが。


これはね、その北九州から自転車で東京来る女子高生の物語ね。



とてつもない傑作だと思ってる。
傑作って、まぁ個人的にはなんだけどね。

2015年ベストの一本だと思ってる。

そればかりか自分史の中で観た青春映画の中でも3本に入るほどのもんだなと未だ興奮が覚めやらぬだ。

大関れいか
抱き締めたい!


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そしてこれは多分、みんながみんなというより、どこかの誰かにとって忘れない一本になると思う。

 なんて言うか平均的にだいたいの人が面白いっていう映画でなく、刺さりまくる人にはとことん刺さってしまう特別な映画っていうか。まぁ、でもそんなもんだよね。本当はね。映画ってそんなもん。


今度出るSHISHAMOのアルバムの
「中庭の少女たち」聴いてもこれ思ったなぁ。
青春ってたまんない。

青春はやりきれない後悔と苦い惜別とどよんとした諦観があってほしいのよね。
それ踏まえてキラキラしてて欲しい。

それと二律背反だから。


そんなものが渦巻いてる中のどんな人にも汚せないキラキラした瞬間。



「ラストショー」「ファンダンゴ」、そしてやっぱり「スタンドバイミー」という映画にはそれが詰まっとるのね。


僕は14歳のとき、この映画と出会った。死体探しに向かう四人の少年達。僕も今の相方を含んだ四人の仲間と、死体は無理なんで朝日を山の峠に観に行った。

僕らは夜通し歩いた。
ささいなことで言い合いをしたり、今まで言えなかった複雑な生い立ちや過去を吐露した。

僕らは何かを共有しながらただただ
歩いた。

友情なんてものと呼ぶには
もっと脆くてひ弱い、
でも分かち合うことでギリギリの形を維持してるような感じ。
それは紛れもなく社会性なんだけどね。


明け方朝日を浴びながら僕は泣いた。

こんな美しいものがあるのかと泣いた。




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それを経ての15歳になっての卒業アルバムから。



2015年の傑作「私たちのハァハァ」の舞台は北九州。

人気バンド・クリープハイプの福岡での公演の出待ちをした際、メンバーから言われた東京公演もおいでよという言葉を真にうけ、自転車で4人の少女は無謀にも東京を目指す。
真に受けるってのが最高。
若いとその気になるよね。
それでいいんだもん。絶対に。
だから好きであれって。
とことん好きであれって。
最強だからそれ。



上手いよなぁ、松居監督。

松居監督の出身が北九州なのだ。

これやっぱり北九州ってのが大きい。こいつら博多だったらやってなかったかもなぁ。

そこはかとないコンプレックが好きなものへの熱と握手して駆り立てたんじゃないかなぁ。


劇中の彼女たちがカメラを廻すという構成の中、一夏の少女たちの瞬間をオレらは覗き見する。


そこに何を思い出すのか。

夢中、夢の中、それを持っている一瞬の季節。


頑張れ!世界中の女の子。

汗が流れる、海沿いの道、クリープハイプの歌が流れる。

美しい?美しいに決まってんだろう。人は何かを発見したとき神様と出会うんだ。美しいってそういうことなんだ。


青春くらえ!



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