おそらく大部分が「ホームレス中学生」の二番煎じではないかとか、もしくはそれ以上の壮絶な体験(本当すごいっす)について言及するのだろうが、僕はそういうことよりもただただプロの噺家の語り手としての文章のうまさに唸ったのです。
本当面白い。
麒麟の田村君は朴訥とヘタウマな中にある淡々さが逆に涙を誘っていたと思うのですが、
師匠のは壮絶な経験をしっかりと笑いに変える「芸」の説得力で勝負しとるわけですね。
こりゃねぇ、本物のそれなんですよ、はい。
なんかどんだけ貧乏な経験話しても、またそれを笑い話に転化するときも、なんか匂ってくるもんが上品なんだよなぁ、人として。
読んでて何度も笑ったし、何度もうなずきまくりでした。
やっぱり落語家って凄いよ。
しかも師匠はあの桂枝雀師匠のお弟子さんなんだよ!
魅力的なわけだよ。
とにかく舞台に上がる人、そうですねぇ、特に芸人はね
177ページの最初
”そう思ったら、舞台袖のボクに不安はあったけど、迷いはなくなった。その答えを探しにボクは舞台へ上がった”
ってところから、ずっと最後までグッとくるよ。
だって間違いなく多くの芸人も同じようにその答えを探しに舞台へ上がっているのだろうから。
結局芸人さんが書く自伝って、
”お笑い”や”落語”なんかの「芸事」っていう表現方法を手に入れる瞬間が
一番ワクワクしますねぇ。
俺って過剰なくらい芸人にロマンをもとめるからなぁ。
こいつはすんげー物語ですぜ。
まぁ周りくどいこと言ってる場合じゃないって。
要約するなら全人類にお勧めの一冊だってことです。
LIFE IS BEATIFUL!!ですぜ。
「もうアカン…。ワシも死ぬから、オマエも死んでくれ!」 オトンから向けられた刃物の恐怖。容赦ない借金取りのオッサンたち。孤独も貧乏も不安も寂しさも、全部笑いとしゃべりで乗り越えた! 人気落語家の壮絶自叙伝。