「袴田事件」(はかまだ事件)を知っているだろうか?
いや実は僕もまったく知らなかった。
この事件は限りなく冤罪の可能性のある事件だ。
某タレントさんが香川の殺人事件の犯人をブログ内で特定したとして活動停止の謹慎一年を事務所が即断した。
確かに彼女の行為はタレントという人前で表現をすることで影響力が一般の人間よりあるものとしては愚劣な行為なのかもしれない。
犯人が逮捕され、それがまた彼女が断定した人と違うということからも事態がどんどん重さを増していってるようにも思える。
しかし、だ。
しかし、なぜ彼女は犯人をその人に断定したのだろうか?そう確信したくなる何かはなんだったのだろうか?
彼女の発言はある種の現実を教えてくれなかったか?
お茶の間レベルでは「冤罪」は平気で行われるってことだ。
メディアの報道の仕方。被疑者の外見、イメージで簡単に人間は罪のない人に「有罪」の判決をくだすのだ。
ひゃー、大丈夫か?陪審員制度。
大丈夫なわけないのである。
上戸彩さんが笑顔でキャンペーやってるが、そんな可能性のあるものとうてい笑えないって。
僕が「袴田事件」に出会ったのは「クイックジャパン」の次号に掲載される森達也さんとの対談が終わって「冤罪」について意識がいったから。
ちょうどライムスターの宇多丸さんがブログで何度も「それでも僕はやっていない」を取り上げていたというのもある。
それで何気なく読んでいた日刊スポーツのサイトにある人気ブログ「まさゆきブログ」にこの
「袴田事件」のことが取り上げられていてそれで調べだしていくうちにのめりこんでいったのだ。
ここで、僕は不謹慎な発言をしなければいけない。
はっきりしとかなければいけないことがあるから、それはしょうがないことだと結論した。
この「袴田事件」を知って、僕は「クイックジャパン」の藤井編集長に企画としてやりませんか?と提案した。
編集長はあまり乗り気でなかった。
というのも、一人の芸人(また中途半端な立場の俺が)が一つの事件にフォーカスに焦点を合わせることの不健康さを危惧してくれてのことだった。
そりゃそうだ。
芸人が何かの運動や団体に所属したらその瞬間に相当うさんくさくなったりするし、
何より本業の演芸にも観てるものに余計なイメージを抱かせるもので、
笑いが距離的に遠くなる可能性があるのは、過去のいろんな諸先輩芸人を観ていれば分かる。
軽率に結論をだしてしまったら、先の某タレントのように致命的な責任を負わなければいけなくなるかもしれない。
でも、だからと言って、この事件を多くの方が知らない現状、俺は来るべき裁判員制度の先駆けてやるべきだと思うし、俺の中にある小さな、本当に小さな「正義」が袴田さんをなんとかして救えないかって言っている。
なんだ偉そうに。
そんな声が聞こえてくる、しかも自分から。
だからここで語弊のある言い方かも知れないが僕の立場としての意見を言いたい。
これです。
この「袴田事件」は面白いんです。
だから僕はここで取り合げ、この運動(といってもブログに取り上げるだけなんだけど)に参加したいと決めました。
もちろん、確定できる証拠が自白だけ、しかも裁判所に提出された証拠の数々が偽装されていると立証されているこの事件の死刑判決によって袴田さんは自分の人生を奪われた。
その事実に”面白い”なんていう感想はとてもじゃないが許されんことだと思う。
だが、これはあくまでも僕の立ち位置としての意見だ。
笑えるとかじゃなく、こんな事件があったんだ、これもっと知りたくないか?ちょっと詳しく知ってみないかっていう、知的レベルを満たす、そんな感じでもいいから、俺はこれを読んでいるみんなに興味を持って欲しいと思ったのだ。
そしてあくまでも責任を最後までもつことが許されない「芸人」という立場の俺としての立ち位置を定義するなら、俺はこの事件の話、顛末が非常に興味深い「面白い」話だからこそ、こうやってブログなんかに書いてみたと言いたいのだ。
「死刑制度」の話もそうだ。
面白ければ、その話に説得力があるなら、肯定になったり反対になったりするという俺の考えは間違っているかもしれない。
でもみんなもないか?
熱くなってしまって興奮してしまったとき、第三者が、それも話しがとびっきり面白い奴が入って話しをして、一気に空気が変わって和やかな平和的な
雰囲気になったこと。
議論は大事だ。
徹底的に論議して、結論なんかなくてもいいからみんなで相手を言い負かす議論はきっと大事だ。
だが、そうやって一つの方向性にみんなの意思が集中することは一方で巨大な暴力性を秘めているじゃないか。
歴史がちゃんと証明している。
賛否両論でいいんだと思う。
そこからみんなが正しいと思うことを選択するばいいのだ。
だけどだ・・・・・ちょっとだけでもいい。
ほんのちょっとだけ・・・
俺は少しだけでいいから・・・・・
そこに笑いがあってもいいんじゃないかって思っている。
憎悪や暴力をむき出しにして、相手を攻撃するだけじゃない解決方法があってもいいし、
みんながみんな、もう少しだけ理性をもちながらも興味を持つことができれば、理想論かも知れんがメディアの一方的な表現方法も変わるんじゃないのって思う。
1966年静岡県清水市で発生した強盗殺人放火事件、およびその事件で死刑が確定した袴田巌(はかまだいわお)死刑囚が冤罪を訴え再審を請求している事件。
袴田さんは30歳で逮捕されて以来40年以上に渡って拘束され、死刑確定後は精神に異常を来たしはじめ、現在は拘禁反応から親族・弁護団との面会も困難になっている。
裁判の争点
自白は強要されたものではないか?
狂気とされている栗小刀で犯行が実行されるのか?
裏木戸からの逃走ができるのか?
これらはルポライター高杉晋吾「地獄のゴングが鳴った」等で立証ずみ。
全て検察側の偽装であるとのこと。
犯行着衣の衣類のサイズがどうやっても袴田さんが着れるサイズではないということ。
そして最近になって、第一審で死刑判決をくだした元裁判官熊本典道さんが
「彼は無罪だと確信したが裁判長ともう一人の陪席判事が有罪と判断、合議の結果1対2で死刑判決が決まった。しかも判決文執筆の当番は慣例により自分だった」と告白。
その映像がこちら
熊本さんが袴田さんのお姉さまに謝罪し、支援団体に協力を約束。
団子で御馴染みの輪島さんは
「彼は白だ。おそらくボクサーということで偏見だけで裁判はすすんだでしょう」と語っている。
またこの事件はアメリカのルービンカーター事件と同じ年に起こったのだ。
(映画「ハリケーン」をごらんになったかたも多いはず)
しかもボランティア団体の方が、カーター氏に会いに行って、袴田さんがカーター氏が無罪を勝ち取ったとき、カーター氏に宛てた手紙を送り届け、袴田さんへのメッセージをもらいにいったということもあった。
僕がこの事件を興味を持ったその日に「クイックジャパン」編集長藤井さんに電話をかけたのは前述の通り、そこで反対され、やはりそういうものかと思っていたとき、
森さんとの対談がまとめられたものが送られてきた。
対談とは、厳密には話したことそのまま全文掲載するものだが、まれにあの時のテンションで言ったものもあるなぁなんていうことでチェックしてみてから、ものの言い方をやわらかくしたり、またその場で忘れていた言葉や固有名詞を付け足したりすることもあるのだ。今回は「死刑制度」というヘビーな話題のためにチェックを綿密にやったのだが、そんな中森さんから足したい言葉があるとリクエストがあった。
そこにあった言葉
「袴田巌事件のような冤罪事件を知ってももらいたい」という言葉。
藤井さんも俺もライターの鈴木君も知らなかっこの事件、それをたまたま僕が知って、みんなに話していたとき、偶然にも森さんがあげてきた言葉がこれだったのだ。
なんたる偶然。
なんだこれ。
僕はすぐに藤井さんに連絡。
「どう思います?
僕には袴田さんのSOSのような気がするんです。裁判の差し戻しをやりたいという叫びのように思えるんです」
それをやったところで確かに奪われた人生は帰ってこない。
いやもしかしたら有罪なのかもしれない。
だがどんなことがあっても「強制的な自白」だけが証拠で死刑なんて許されるはずがない。
支援団体のHPには、袴田さんの獄中書簡が紹介されている。
1983年2月8日に書かれた文章は、ボクサー魂の悲痛な声である。
1983年2月8日に書かれた文章は、ボクサー魂の悲痛な声である。
「・・・殺しても病気で死んだと報告すればそれまでだ、
といっておどし罵声をあびせ棍棒で殴った。そして連日
二人一組になり三人一組のときもあった。午前、午後、
晩から一一時、引き続いて午前二時まで交替で蹴ったり殴った。
それが取調であった。・・・息子よ、・・・必ず証明してあげよう。
お前のチャンは決して人を殺していないし、一番それをよく
知っているのが警察であって、一番申し訳なく思っているのが
裁判官であることを。チャンはこの鉄鎖を断ち切って
お前のいる所に帰っていくよ」
といっておどし罵声をあびせ棍棒で殴った。そして連日
二人一組になり三人一組のときもあった。午前、午後、
晩から一一時、引き続いて午前二時まで交替で蹴ったり殴った。
それが取調であった。・・・息子よ、・・・必ず証明してあげよう。
お前のチャンは決して人を殺していないし、一番それをよく
知っているのが警察であって、一番申し訳なく思っているのが
裁判官であることを。チャンはこの鉄鎖を断ち切って
お前のいる所に帰っていくよ」
物証なく、自白のみ、それも拷問による自白強要、
これで有罪、死刑宣告。
決して戦前の話ではなく、平和憲法下で起こったことである。(「まさゆきのブログ」」より)
これで有罪、死刑宣告。
決して戦前の話ではなく、平和憲法下で起こったことである。(「まさゆきのブログ」」より)
現在袴田さんは東京拘置所内にいる。
長期の拘禁状態と冤罪が晴れない強度の精神負担により、
10数年前から神経を病み、家族や支援者の面会ができない状態が続いている。
意見をもらえたら嬉しいです。これに関しては・・・
そしてできれば「クイックジャパン」誌上でできないか?
いや違う媒体でもいいから、もっととりあげてくれないだろうか?
もちろんこれだけを取り上げたいわけじゃないのです。冤罪はもっとあるだろうし。
それこそ僕の行動そのものが「情緒性」にあふれすぎているような気もしますし。ただ間違いないで欲しいのは、僕はこれが面白いと思っていることなんです。そこだけは間違えないでほしいのです。
この事件にはやがて人を裁くということをしなければいけない(したくなくても、やれるはずがないと思っていても)
俺等にも何かを教訓として残すような気がするんです。
よかったらメールをください・・・
dnjbig@gmail.com
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