2012年の全国高校総体は北信越地方を主に北信越かがやき総体として開催されました。

陸上競技は新潟県(東北電力ビッグスワンスタジアム)にて行われました。

私自身全国の舞台に選手を送るのは初めてであり、この全国はどんな小さな事でも見逃さずこれからの経験と勉強になるはずだと思って身構えていく事にしました。
正直、今の彼女の力(12秒1台前半~0台後半)で考えれば予選が全てであり、予選から自身の力以上のものを出さなければ予選を勝ち抜く事ができません。
それだけ今年の女子高校短距離のレベルは高くなりました。
当初、各地区のレース結果が発表された後は私の考えていた想定外のレベルの高さに困惑しましたが、とにかくここまで来たからには選手を信じる事だけに気持ちを集中させていました。


そして私は選手と共に万全の状態で会場に乗り込む事にしました。



《全国高校総体》

予選 12秒59(+-0、0)

全国高校総体女子100m予選落ち


《予選》朝一番のレースで身体が動きにくい時間帯に行われました。
さらに1組で回りの状況やレベルも何もわからない状態でレースする条件でした。
暑さと湿度が酷くなかなか身体が動きづらい中でしたがウォーミングアップを入念に行い予選レースへ向かいました。
スタートから加速へは上手く乗りましたが、後半爆発的な全国クラスの選手の走りに置いていかれて硬くなり、自分の走りが全くさせてもらえないまま予選敗退が決まりました。



※全国クラスのレースについて…。
全国クラスの選手はスタートから加速に乗るまでがとてつもなく速く後半の加速力が全く違いました。これが力なのだなと感じました。そして出場選手中1割が上位力ある者が想定内通り力を発揮し、もう1割が自身以上の力を発揮し、そして残り8割が力を発揮できないまま終わっていきました。


これが全国でした…。



しかし私はこの悔しさを必ず生かすと誓い新潟をあとにしました。



完成した動き。

スタートからの爆発的な加速力を披露する時が来ました。私が思うに彼女のスピードレベルは140%あたりまで仕上がっていると考えていました。


《岐阜県選手権》

予選 12秒41(-0、6)

準決勝 12秒47(-1、7)

決勝 12秒42(-1、9)

岐阜県選手権女子100m3位入賞

《予選》予選は動きの確認のみだったので本人とレース後確認したのみ。私はあと1本動いてからが本当の力が発揮できると筋肉の刺激と反応をしっかり見ていました。

《準決勝》レースは予選とほぼ同じ動き。動きは仕上がった。あとは筋肉の刺激と反応が予選・準決勝でウォーミングアップがわりになり、140%は決勝レースでパーフェクトになると予定をしていました。

《決勝》決勝レース、抜群の反応から爆発的なスタートが決まり、低い姿勢を維持してそのまま加速に乗りトップスピードへ。以前の走りとは格段に違うスピードにのりそのままゴールへ。しかし60m付近スピードが最高に上がった瞬間でした。足にケイレンが起きトップスピードを減速させながら走り抜けて、少年クラスでは余裕を残してトップの3位でフィニッシュ。1位・2位は濃飛倉庫運輸の成年選手でした。




私の責任でした。
彼女の身体はまだ未完成だったのです。140%の動き・スピードは出せた。しかしその動き・スピードを操作できるだけの身体が仕上がっていませんでした。あのままトップスピードを維持して走り抜けていれば悪くても12秒2台(-1、9)では走っていた事でしょう。無風なら12秒0台の力が出ていたはずです。悔しいレースとなりましたが選手は最高のパフォーマンスを披露してくれました。そしてレース中の故障に関しては全て私の責任です。動きにとらわれて肝心な肉体の事を忘れていたように思い深く反省をしました。


幸い足へのダメージは軽いもので、インターハイへ向けてまずは心身共に整える事にしました。
東海高校総体が終わりました。


インターハイ出場が決まりましたが、東海高校総体女子100m5位という結果には私自身はもちろん彼女も納得はしていませんでした。

予選→準決勝とレベルを上げレースを構成できた点は良かったのですが、反省すべき点は決勝。決勝レースのスタートで失敗したところから、加速局面にて自力を使っての走りになってしまい後半勝負できなかったココが重要ポイントだと考えました。
私はこの不十分なスタートではインターハイで勝負できる加速力が生まれない。こままではインターハイでは勝負できないと判断して東海高校総体での反省を生かし、最高の加速力を得る為の絶対的スタートの確保をさせる事を決めました。



スタートから加速する局面で一番大切なのは簡単にいえばスタートです。しかし私自身スタートにはこだわりも無く指導などした事は1度もありません。では何を指導するかといったら私は下記の2つの事を徹底して彼女に行わせた結果、最高の加速力を生みだす絶対のスタートを完成させました。


①《動きづくりからの走り出しの局面》
様々な動きづくりからさぁ走り出す瞬間に、スタートの姿勢まで身体を低く構えさせて走り出させます。いわゆる身体で覚えるという事です。スタート時の構えから動き出しの時に上体を浮さないように徹底して動きづくりから直していきました。


②《ブロックを使ってのスタート練習は1本でも無駄なスタート練習を一切やらせないようにする事》
ブロックに着いて出るなら必ず集中力を高めた状態のみでしかスタート練習をさせませんでした。特に彼女に与えた厳しい課題は1本目からスタート練習で完璧に出なければ試合でも出来ないと、私は彼女の動きを一つも見逃す事なく目を光らせていました。

※私自身スプリントは加速力が全てだと考えています。加速力が増せばタイムも上がります。距離が短くなればなるほど加速力をどのように使うかがポイントだと考えています。スプリントは加速力が全てです。




彼女は何度も涙を流して私の厳しい指導をクリアーしてくれました。それだけ精密な作業だったのです。その成果は岐阜県選手権であらわれました。