喧嘩の嵐が過ぎ、取り敢えず平和が戻ってきた。
「勇君、裁君生徒会長が迷惑かけてごめんね?」
「皇、俺は迷惑なんかかけて・・」
「じゃあ、戻ろう!政!」
皇と勇で二人を引き剥がした後、皇は二人に謝り会長の言葉を遮って、生徒会室に戻って行った。
謝ってた割に、皇の表情は爽やかな笑顔だったが。
「....なんか、嵐が去ったみたいだな。」
「ホントだよな。まったく、ホント政は煩い。」
政と皇が居なくなっても裁はまだぶつぶつ言っている。
「そういえばさ、会長が、‘お前は昔から‘って言ってたけど、会長と知り合いなのか?」
勇に言われて、一瞬思考が停止する。そして、苦虫でも踏みつぶしたかの様な表情になった。
「...........あいつとは、双子なんだよ。全然似てないけど。っていうか、俺は似てなくても全然困らないけど。」
裁の口から意外な事を聞いて、勇は目を丸くする。
「ええええ!?会長と双子!?マジかよ!?」
「認めたくないけど、そうなんだよ。まったく、良い迷惑だよ。」
はぁ。と溜息を吐く裁。どんだけ嫌なんだよ。と思いつつ、大変だよな。と言い、裁の肩を軽くぽんと叩いた。
「うん。........あ、もうすぐ授業だ!」
「あ、本当だ。何かあっという間に休み時間過ぎたな。」
時計を見ると、後五分で、授業が始まってしまう時間になってしまった。
「全部、政のせいだ。昼休み生徒会室に殴り込みに行こう。」
「嫌、それだけは止めろ!」
裁が今にも行きそうな勢いで言った為、勇はグーで裁の頭を殴った。
「ま、そろそろ使い魔出しておこうぜ。」
頭を押さえながらも、裁もコクリと頷く。
「パズ、出てこい。そろそろ授業が始まるぞ。」
「ワカッタ。」
裁が、独り言を呟く様に言うと、全身を炎で包んだライオンが裁の影から姿を現す。使い魔を持つ正義の味方は、いつも自分の影に潜ませているのだ。しかも、人間語を喋る。
「うりゅ、お前も出てこい。」
勇も呼び掛ける様に囁くと影から、全身を水で覆われた龍が出てきた。
裁は、炎属性、勇は水属性の使い魔を操るのだ。
「アラ、イサナ。モウジュギョウ?」
「うん。そうだよ。宜しくね。」
「ウン、ヨロシクネ!」
勇とうりゅはべたべたと仲が良いのに比べ、裁とパズはと言うと・・・。
「キョウハアシ、ヒッパルナヨ?」
「それはこっちの台詞だってーのっ!俺の言う事聞けよな!?」
相変わらずの仲の悪さ。勇とうりゅはその光景を見て溜息しか出なかったとか。
今日の授業は、使い魔との相性チェック。皆の前で、仲が良い処や、信頼度を見せつける授業だ。
「やりたくないな。」
裁は、誰に言うでもなく、ぽつりと呟いた。
・・・続。