知っているだろうか?正義の味方にも、学校があり職業になることを。
正義の味方になるにはまず、専門の学校に行かなければならない。そこではまず学科別に、「魔法科」、「武闘科」、「術科」、「剣術科」等があり、その学科の中から自分のやりたいものを選ぶ。そして、それぞれに応じたカリキュラムが組まれていて、それをこなしていく。因みに、実技だけではなく、筆記もある。憲法や刑法は、必須科目だ。この話は、この「光桜学園」で本当の正義の見方を目指す人達の物語。
「だぁぁああ!!出来ない!俺には無理!」
「そんなスグに諦めるなよ。コツ掴んできたじゃん、裁。」
「勇に言われてもなんか嬉しくない。」
「酷ぇな。折角、修行に付き合ってやってんだから、んな事言うな。」
ぎゃあ、ぎゃあと騒ぐのは、今年入学した「魔法科」の一年生の裁と勇だ。
「だって、お前色々完璧過ぎててムカつくんだもん。」
「あのなぁ。俺だって人間だぜ?完璧な訳ねぇだろ。」
勇は、はぁ。と小さく溜息をしながら呆れた表情をする。
「だって、頭脳明晰、容姿端麗、スポーツも抜群で、先生や、生徒から絶大なる信頼を持っている。そして、女子に凄くモテる!何処の漫画の主人公ですか、コノやロー!」
「あれ、俺ってそんなに完璧人間だったっけ?ごめん、裁。」
あああ!と項垂れる裁の肩にぽんっと手を乗せドヤ顔する勇。裁は、軽く目で睨みながら「うぜー」と言い、一本背負いをお見舞いしてやった。
「痛ってぇ!何するんだよ、裁!」
「ごめん。一瞬殺意が芽生えた。」
「之から、正義の味方になろうとしてるやつが何てこと言ってんだ!」
二人で、ぎゃあ、ぎゃあと騒いでいると、コツコツと足音が近づいてきた。
「裁、また騒いでいるのか?使い魔も操れない癖に、いい御身分だな。」
「げっ!政!何でお前がこんなとこにいんだよ!?お前、今は会議中の筈じゃ...!?」
「そんなもの、当の昔に終わっている。まったくお前は昔から言っているが、口を動かす前に手を動かせ。」
突然現れたのは、冷徹と謳われる光桜学園一年生徒会長だ。頭脳明晰で、容姿端麗、スポーツも抜群で、学年では実技、筆記共に学年一位で、全校一位なので一年生乍にして生徒会長という位置にいるのだ。二年や三年に時々目を付けられる事が時々あるが、副会長が上手くあしらっている。
「俺だって毎日頑張ってるんだよ!最近はコツ掴めて来たって勇にも褒められたんだぜ!?」
「勇?」
「俺が勇です。初めまして。裁の友人です。」
ぺこりと丁寧にお辞儀をする勇。
「初めまして。私は、生徒会長の政と言う。」
お互い、宜しくお願いします。と言って握手をすると、また裁が騒ぎだした。
「政!何で明らかに俺と違う反応なんだ!」
「煩い。お前にそんなことしても無駄だろう。」
「何を!?」
売り言葉に買い言葉。二人の喧嘩がヒートアップして止まらないのを見兼ねて、生徒会副会長の皇が間に入ってきた。
「政、まぁた裁君と喧嘩?」
「皇。之は喧嘩じゃない。指導だ。」
「何処が指導!?」
当たり前だろう、と言う顔で言う政に、裁がすかさずつっ込む。
また、振り出しに戻りそうだったので、勇は裁を、皇は政を自分の方に引っぺがして何とか喧嘩は収まった。
之から、色々大変になりそうだなと頭を抱える勇と、何だか楽しそうな事になりそうだなと思う皇が二人を抱えたまま廊下に立っていた。
・・・続。