シンプルに伝えること | DMの診療所 野口恵庸

DMの診療所 野口恵庸

売上げは、人の行動によつて生まれるものです。人と人の関係性が大切です。DMを上手に活用するために良い所・悪い所などを診ていけるコミュニティです。

 先日、NHKの「きょうの料理」を見ていました。先生は、若つくりをしているけど、どう見ても70代前後?

トリの胸肉を使った3種類の料理を紹介されていました。多分、ターゲットは先生と同年代の方ではないかと拝察しました。そこで、調理に使う調味料が3種類ともに「塩と胡椒」だけだったのです。

 一緒に見ていた家内は、「ワインとか・・・・・」など講釈を垂れながら、多少嘲笑気味なコメントです。しかし、インスタントラーメンを作るのがやっとの私にとって、「おっ、これなら俺にも作れるかも知れない」と心を動かされたのです(笑)。「きょうの料理ビギナーズ」と同様に実にシンプルに教えてくれました。


 確かに料理に長けているいる方には、なんという事もないのでしょう。が、知らない者にとって、「この自分にも出来るかも知れない」と思わないと無理だろうと思って動かないのです。

 セミナーなどで「価値を伝えましょう」とか「モノ売りからコト売りですよ」とお話をさせて頂いています。果たして、その価値なりコトをどう伝えられているのだろうと、考えてみました。

 当然、皆さんはその商品・サービスのプロですから、プロの視点で伝えていることはないでしょうか。新規の消費者は、その商品・サービスについては料理をしたことのない私と同じレベルの方々だと思います。だから、プロの視点で言われても自分ごとにならないんですね。そして、動かない。動かないから売上げに繋がらない。

 もっとシンプルに分かり易く伝える工夫が必要でしょう。


 今日、あるクライアントさんから先日のDMで反応率・成約率とも前年の200%超え、売上は約300%を達成したとの連絡を頂きました。嬉しかったですねぇ。このクライアントさんも、実にシンプルなキャッチコピーで売り出しの価値を伝えられていました。商品掲載など一切なしに、売り出しの理由を添えてシンプルに顧客へ伝えることで、DMを受け取られた顧客の中にスーッと入って行き、行動へと導かれたのだと思います。


 マーケティングの大御所であるコトラーさんが、その著書の中で取り上げられた「キットカット」も現在は凄い広がりを見せています。これも最初は物理的価値の訴求から消費者視点のコンセプトに切り替えることで大成功した例ですね。どうも福岡で受験シーズンにキットカットが良く売れている。何故?

 福岡の方言で「きっと、勝つと」のゴロ合わせで、「受験にきっと勝つ」と大切な人への気安いお守りとして買われていたことが判明した訳です。そこで、受験生応援としてコンセプトを作り、あの有名になったホテルでのCFで爆発的に売れていったのです。

 「きっと、勝つから、がんばってね」実にシンプルなメッセージですよね。


 誰にでも分かり共感を得るシンプルな伝え方、自分ごとで考えることから始めるとできそうな予感がしませんか。5月のシンプルでない複雑な出張計画を作りながら、そんなことを考えています。