個人的な「WBCの展望」
はじめにひとつ…
あくまで個人的な展望なので…「こんな考え方もあるんだな」程度の認識で…
大谷翔平はもちろん、ダルビッシュ有らの加入などで注目度急上昇のWBC。数日後には開幕するが…
もっとも、何を見させても序盤で刺激的なシーンでも見ない限り「気分は布団の中」な私ではまだウェイクアップ・モードなどではないが…それでもひとつだけ「今からでも注目すべきでは?」という部分がある。それは、若き三冠王「村上宗隆」がこの大会でどれほどの結果を残すか、どんな活躍をするのか、である。
この大会…投手陣や大谷翔平には私自身さほど注目していない。彼らだったらある程度やれるという目論見が立つからである。個人差もあるとはいえ、飛ぶボールなどやや過酷とも言える環境の中…その飛ぶボールに屈しないだけの制球力や緩急などの投球術を身につけたことでピッチングの幅を広げ、海の向こうでも何人かは結果を出した投手陣…
そして大谷に至ってはもはや説明する必要性すらあるまい。
メジャーの猛者に至るまで満遍なく打ち崩してきたその打棒…これはもう実証されているのだから、WBC本番で思うような結果を出せなかったとしても「今回は調子悪かったね」「(シーズン前の開催ということで)調整が難しかったのではないか」「(初のWBC参加で)難しい部分もあるよそりゃ」ですむ可能性も濃厚だからだ。むしろ心配なのはこのWBCでどんな結果が出ようとそれがその後のシーズンにどういう影響を与えるかの方である。何しろ例年と違うペースでの体作りを強いられているのだ。それが初めてとなれば何らかの形で歪みが出てもおかしくはない。まして好結果が出ればともかくそうじゃなければなおさらである。何よりただでさえ大谷の場合は二刀流での負担が懸念される。
※ただし、心身両面において規格外のタフさを誇る大谷のことである。何食わぬ顔で「フツーに」こうした懸念を嘲笑うかのようにWBCもその後のシーズンもそつなくこなす可能性についても併せて考えるべきでも当然あるが…
では、なぜ村上か…?
見当のついている人もいると思うが…村上の場合はまだ世界のトップレベルのピッチャーとの対戦が少ない(いや、まだゼロか?)
加えて、国際球対策(オリンピックでの経験があるかもしれないが)や、メジャーリーグの一線級が誇る強力なファストボールはもちろん、ツーシームなどの揺れるボール、沈むボールなどにどれほど対応できるのかも未知数だからである。
第3回、第4回大会か…?優勝から遠ざかっている日本…特に打線が振るわないことは周知の通りであるが、とりわけ第4回大会では沈むボールにかなり泣かされた、とか。
その、多くの日本人打者が泣かされてきた沈むボール、飛ばない国際球…
これを村上が弾き返すことができるかできないか…
それも格下のチームからばかりでなく、一線級の投手からでも満遍なく打てるかどうかというのは、単にWBC単体大会での日本球界ばかりでなく、メジャーを目指すまでにレベルアップを考えるであろう日本人打者にも大いなる希望を与え得るのではないかという一筋の光が見えそうな気がするのだ。村上がもし彼らを打ち込めば他の打者にも「俺たちにもやれるぞ」という勇気と手応えを与えるばかりでなく、村上が打ち込んだデータから様々なことが検証できる。当然そうすることでメジャーへの成功への近道をグッと手繰り寄せることができる。メジャーリーグでの成功の呼び水となりうる、いや仮にメジャーに行くとかではなくても単純に各打者が飛躍的な進歩を遂げる可能性に繋がるのである。
もちろん逆もまた然りだ。日本のボールとは感触の違う国際球をあまり打ってない…沈む球、揺れる球の経験も少ない(と思われる)…
それゆえ、いかに若き三冠王・村上と言えどこうした条件を跳ね返せる、という保証は現時点では…
『ない』。
大谷の例があるから村上でも打てるのでは?という見方も出そうだが、こればっかりは実際にやってみないことには計算が立たない。
でも、だから村上なのである。「村上が打った!俺らも続け!!」となるのか…はたまた「村上こけたら皆こけた」となるのか…
ここで結論を言えば単なるWBCの結果だけでなく、日本人打者全体の今後がこの大会での彼の活躍によってある程度行方が占えるのではないか、というのが私の見方である。いささかオーバーかもしれないが、そこの部分にひとつの大きな分岐点の存在すら感じるわけだ。
※このような考えが巡りめぐって彼の耳に入ってプレッシャーにでもなった、というのでも困るが…
いやいや、彼ならその程度のことなど重圧にはなるまいがね…そんなことが重圧になるような男があの若さであれほどのお手柄をあげられるはずはないのだから…
既に吉田正尚が海を渡った今、村上を見るまでもなく「まずは吉田から」という考え方もあるだろう。
吉田は吉田で期待も受けて然るべきだし、そこは本人次第だ。だがまさしく前人未踏の22歳にして史上最年少の三冠王に輝き、「若者離れした」佇まいや考え方を持つ村上の活躍こそが一番わかりやすいのではないかと思われる。
そこの部分だけは、今からでもものすごく興味深いものを感じるのだ。
イチローや松井秀喜以降日本人野手の評価が下がり、秋山や筒香も苦戦。鈴木誠也は通用しているようでそれに吉田がどう食い込むかというような流れになっている今…村上が将来メジャーに挑戦するか否かはまた別にして、今からでもメジャーでの活躍を楽しみにする、イメージするようなファンが少ないはずなどないだけに…勝敗や覇権の行方とは別に私には単なるWBCでの結果云々以外の部分でこの大会での、特に村上の活躍が今後球界全体に何らかの波紋を起こすのかどうか、というのが現時点でも少し気になるのである。