スペシャルドラマ「スペック~翔」のような裏をかく謎解き要素は少なく、大スクリーンで見応えのあるシーンが多く出てきます。
例えば自らの肉体を変化、巨大化させるスペックホルダーが登場、スクリーン狭しと巨大な蛸足の化物が暴れ回ったり…
まさかのオクトパスオルフェノク激情態!?
仮面ライダーや戦隊物で巨大モンスターを出すのが得意な東映ですが、これを世界観の違うスペックでやられてもミスマッチ。
どんでん返しと言えば「ニノマエの生死」くらいですが、これもテレビドラマから追い掛けているファンだけの関心事です。
次回作「スペック~欠(?)」への伏線ばかりで多くの謎を残しており、単独で楽しめるエンターテイメントになっていません。
この映画で初めてスペックを観る人でも楽しめる、という触れ込みはダウトでしょう。
ラストでは未来にあたる2014年、崩壊した日本が描かれ、瓦解した国会議事堂を前に立ち尽くす雅の姿が。
彼女が手にした野々村の遺言状は当麻、瀬文らの死も匂わせています。
当麻の左手のスペックは封じ切れておらず、当麻本人の意思とは無関係に禁断のスペックホルダーを召喚して世界を破滅に導く…
そんな終焉が既に暗示されています。
刑事ドラマが一転、黙示録やらイエス・キリストの再来やらテーマが壮大になりすぎて個人的には消化しきれずにいます。
細かいディテールは相変わらずの面白さなので、もう一度観たらイメージが変わるかもしれませんね。
歴代の津田助広プロマイドがツボでした。
