本日のメインディッシュでもある国鉄色の 特急やくも9号 で米子駅に降り立ったのが13時16分…
そして、ここからは山陰本線の普通列車に乗り継いで大阪まで向かう訳なのですが、次に乗るのは13時37分発の鳥取行で、すでにホームに入線していました。
ここで補足ながら今回の行程を説明しますと、下記の地図に示すルートを辿るのですが、これより先は鳥取、豊岡、福知山、篠山口で乗り換えることで、大阪には22時52分に到着する予定で進んでまいります。
ただ、いずれの乗り継ぎ時間が少ないため、実は夕食用として岡山駅で駅弁を余分に購入していましたが、これが後々大きく役に立つことになるとは、この時には予想すら出来なかったのです。
さて、この鳥取行きの普通列車は 国鉄型キハ40 (実際はキハ40グループのキハ47)というヂーゼルカーでして、昭和52年に製造されてからは非力なエンジンこそ交換されたものの、外観だけに留まらず車内もほぼ当時のままですから、当然テンション爆上がりなので御座います!
定刻に米子駅を発車!
山間を縫う伯備線とは違って右に田畑…
左に日本海を眺めながら、平坦な地形をのんびりと走る普通列車は、日常的に都会の喧騒に居るものからすれば異次元の世界であって、ここへ来てようやく旅情のようなものがこみ上げてきます。
ところで、かつては大阪を起点として米子以遠であっても直通する優等列車のあった 山陰本線 ですから、当然路盤がある程度整備された幹線ではあるものの、この車両自体の重さと古さもあって 貨物トラック に乗っているような雑い乗り心地には、一般の方でしたら閉口してしまうでしょう?
加えて、鳥取県下第二の都市でもある米子を結ぶために需要はそこそこあるはずなのに、乗客の数は各ボックスに1~2名という少なさに、山陰本線と言う 長大ローカル線 ゆえの危機的な状況も垣間見えた気がします。
すなわち、鳥取~米子は距離にして100km余りで特急なら1時間で結んでいますが、この普通列車は2時間40分を要していますから平均速度は40km/hにも満たず、これでは並行する高速道路並みの国道を走るマイカーにはとうてい勝てませんので、主たるお客様は学生のみと言ったところでしょうか…?
倉吉駅を出てその先にある 宝木駅 で特急を先に通しますと、ほどなく鳥取駅に到着するのですが、行き違いの反対列車が遅れたこともあって、最後の方はフルノッチで爆走していました。
もう~! 揺れる~揺れる~ チルト(TILT)になりますね!
で、ようやく鳥取駅には1分遅れの16時15分に到着しましたので、次は同じホームの反対側に停まっている 豊岡行きの普通列車 に飛び乗りましたが、これまた同じくキハ40(実際はキハ47)でございます。
さて、鳥取を過ぎますと今回の日帰り旅行も終盤にさしかかりつつありますが、この列車の豊岡着が18時32分…
豊岡からは1分連絡で福知山行き乗り換え…
福知山から篠山口、そこから 丹波路快速 で大阪を目指すのです!
ただ、この列車は途中に絶景ポイントとも言われる 餘部鉄橋 を通過するのですが、なぜか手前の浜坂駅で15分もイミフ(意味不明)な停車を余儀なくされるので、鉄橋通過は17時40分頃…
例年この時期の日没は17時頃ですので、あの時に岡山駅で 1本前の特急やくも に乗車していれば、この区間も1本早い便に乗れたので、奇しくも日本海に沈む夕陽が眺められたんですが、この列車ですとほぼぼんやりとしか眺められないのが心残りでもありました。
鳥取駅16時21分定発!
福部、大岩、岩美、と小さな駅に停まりながら進んで行きますが、次の 東浜駅 に停車したものの、ここで一向に動かなくなりました?
機関の故障? はたまた事故?
すると、少しざわつき始めた車内で前に座っていた女子高生グループがスマホを見ながら、 地震あったらしいで! だから動かへんのかな? と会話しはじめました。
※イメージ
ご存知の通り、令和6年元日に発生した 能登半島地震 は、奇しくも私達が鳥取駅に到着する直前に発生していて、揺れまくる列車に乗っていたため気付いていませんでしたが、当地区では 震度3程度 でしたので、この列車は問題無しとして定刻に鳥取駅を発車したのでした。
しかし、後に 津波警報 が報じられたため、ただでさえ日本海側の海沿いを走るこの列車も、その警報を受けて 抑止(列車の運行を一旦中断する) がかかったのです!
おまけに、運悪く私達の列車が停まっている東浜駅は、上の地図で見ると 真っ赤っ赤 の所やないの!
助けて~パパヤ~!
すると、10分ほどして乗務員から車内放送が入りました。
「津波警報によりこれより先に進めません、列車指令から指示があるまで動けませんので、しばらくお待ちください…」
ってことは、これから先の計画は総崩れを意味しますので、もう勘弁してくれ~~~!ってのが私の本音でした。
さて、続けて 「お客様の行先を各々に尋ねます…」 云々との放送があり、たまたまこの列車には見習いと指導の二人が乗務していましたので手分けしてそれを集約してみますと…
これから先の浜坂や豊岡方面に向かう者が70%、そして私達と同じく 青春18きっぷ を持って大阪や京都方面へ向かう者が30%という割合でした。
しかし、最悪の場合は この車内で一夜を明かす ハメになるかも知れないという不安に加え、東浜という駅自体は無人駅で辺りに人家も数軒しか無く、食料や水にもこと欠く場所であるのと、すぐ前が海岸という最悪の立地でした。
ですから、乗務員が言うところの「列車指令の指示待ち」云々というよりも、もしも万が一当地に大きな地震が発生したり…
はたまた大きな津波が押し寄せてきた場合は、乗客もろとも被害を被りますから、まずは先に進めぬのなら後退でも良いので、 海から離れた位置(駅)に列車を移動するよう列車指令に強く要請してください と伝えました!
ただ、幸いにも地元(浜坂や豊岡)の乗客が多かったためか、最悪誰かに迎えに来てもらえるという選択肢があった者が多かったことも手伝って、車内は至って冷静でパニックを起こす者は皆無でした。
しかし、私としては親戚の奥様と子供さんを預かっている以上、どうしても今日中に大阪までたどり着かなければならず、急きょこれから先の行程を組み替える作業に入りました。
つづく