関西と言いますか、今回も大阪からサクッと1日で訪問できるスポットをご紹介するもので、今回は昨日訪問しました 生駒の聖天さん(宝山寺) をご案内させていただきます。
さて、いつものように一般の方が公共交通機関を利用するという前提で進めてまいりますが、まずは大阪環状線にご乗車頂き 鶴橋で近鉄電車に乗換え ます。
近鉄は 奈良行きの電車 にご乗車頂くのですが、下車駅でもある 生駒 は全ての列車が停車しますので、急行ですと15分ほどで到着します。
生駒駅の改札を一旦出ますと、次は 生駒ケーブルのりば の案内表示がありますから、それに従って歩いて頂きますと5分ほどで「鳥居前駅」に到着します。
※駅からは屋根付き陸橋で直結されていますので、ちいさな子供さん連れでも安心して移動できます。
※途中にトイレもあります。
さて、ここで 宝山寺までのキップ を改めて購入するのですが、実はPiTaPaやICOCAなどのカードは利用出来ず 現金のみ のお支払になります。
しかし、一般の方でもあまり馴染みのない ケーブルカー に乗車できるとあって、大人でも一瞬童心に返ってしまうほどワクワクするのです!
幼稚です!
完全におちょくって おります…
こちらは、ネコを模した「みけ」という名称の車両で、遠く生駒山上を見るために双眼鏡を持っているとのことですが…
時期にもよりますが、昨日は日曜日の午前中ということもも相まって、生駒山上遊園地 に向かう家族連れやハイカーなどでギュウギュウ詰めで発車しましたが、実はこんな急こう配を登っていくのです!
さて、わずか5分程度で 宝山寺駅 に到着しましたが、こちらは今年レトロ風に改装されて綺麗になっていまして、こうしてあまり利益の上がらない路線であっても資金投入を惜しまない社風が、近鉄の良いところでもありましょう!
※ここからお寺まではトイレがありませんので、用はこちらでお済ませください、綺麗なトイレです。
あと、こちらのケーブルは日本最古で最長の距離を誇りまして、構内にも案内板が設置されているのですが…
下の方に記してある和歌山観光のケーブルカーですが、こちらの表示では「円鶴公園」とあるものの、正確には 丹鶴公園 ですので訂正をお願いします。
駅を出て道なりに進みますと、 観光生駒 という大きな看板見えてきますので、その下をくぐって参道に入ります。
ここから歩くこと15分程度でしょうか…?
実は、こちらは 寅さんシリーズ27作目のロケ地 でもあるのですが、全てが石の階段ですのでそこそこの健脚を要しますし、間違ってもベビーカーでは登れませんのでご注意ください。
ただ、後で判明したことなのですが、宝山寺駅から徒歩での参拝客は数人ほどでしたので、いわゆる門前町参道の店店はほぼ閉まっているのですが、私の嗅覚が何か怪しげな香ばしい匂いをキャッチしたのです!
実は、この参道の所々には旅館があるのですが、古くは伊勢参りと同じく、参拝後の 精進落し として当地でも旅館などが女性を斡旋したりして、俗に 生駒新地 と言われるほど繁栄を極めていた時期もありました。
これは、今でも夜になると点灯するネオンサインからも分かるのですが、ケーブルが開通して宝山寺詣でが一般になりつつあった戦前の頃には、芸妓やピンクコンパニオンにダンサー、仲居に女給ら500人以上が在籍し、置屋15か所という 奈良県最大の歓楽街 だったのです。
で、当地の特徴と申しますと、旅館に女性を呼んで食事や入浴を共にした後にG付きチョメチョメ…
とまあ、単にサクッと抜くだけの時短システムではなくて、どちからと言いますと少し裕福な層が女性とまったり時間を過ごすのが特徴であったとか…?
もちろん、そのシステムは今でも健在のようですが、そこは割愛しましょう。
さて、老体にムチ打って石段を登った先に見えてきたのが大鳥居でした!
凛としています! ええ感じです!
そしてなお、日陰に入りますと下界よりずいぶん涼しいのです!
本堂?の様子です。
あまり宗教に詳しくないのですが、鳥居を入った本堂では 般若心経 が読まれていましたので、これは信貴山でも同じでしたがここはお寺か神社なのか…?
さて、こちらは日本三大聖天さんのひとつとして、年間300万人の参拝客を誇るのですが、こちら宝山寺の本尊は 不動明王 でございまして、人の心の迷いや煩悩を絶って救いの道に導く仏様だそうです。
ただ、何と申しますか…
車での参拝客が9割以上ですので、服装がラフ過ぎると申しましょうか、短パンにサンダルとかアロハシャツなどのイチビった出で立ちの年配者も多く、神社仏閣に詣でる最低限のマナーが出来ていないと感じる層もかなり多く見受けました。
また、参拝客のほぼ全てが私と同年代か少し上の層でしたので、幸いにも歩きスマホの者は皆無で良かったものの、人は皆あの世に近づくにつれ神仏に手を合わせるのかな?と、妙に感心した次第…。
あと、本堂までもそうでしたが、そこから先も急な階段ばかりが続きまして、バリアフリーという言葉は当地には御座いません!
それでも、車すら無かった太古の時代に於いて、これほど山深くに寺院を建立した先日たちの労力は計り知れず、それ以降も長きに渡って信仰し修道験場として守ってこられた人々が居る現実を知る時、ここには科学では証明できない何らかのご利益があると思うのです。
急な階段を這う這うの体で登り切った場所にあったのが 大黒堂 でこざいまして、下界の酷暑とは一線を画す涼しい風が心地よく、背後には見渡す限りの絶景と晴天の青空が拝めましたので、一礼をして山を下りました。
心洗われたようなひと時を過ごしました。