弊社の作業場は、大阪府松原市天美というところにありまして、すぐ北側に 大和川 を跨ぐ「行基大橋」があり、対岸の大阪市には ラスパOSAKA という廃墟のような建物があるんです。

 

     

 

ところで、このラスパOSAKAって何じゃ…?

という方のために、私が老婆心ながらこの建造物のことを歴史を交えながら解説してみようと思います。

 

 

 

 

俗に言うバブルが弾けた後の1990年代後半、いわゆる 団塊世代 が定年時期に差し掛かってきたことと健康志向も相まって、当時は全国各地に 健康ランド なる温泉複合施設がたくさん誕生しました。

 

     

 

元々当地は昭和41年から大阪市などが 同和対策事業用地 として取得していたものを、このブームに便乗して 大阪市が120億円 も出資して建設されたのがラスパOSAKAでしたが、実は一度も黒字経営がなされぬままわずか10年余りで閉鎖してしまい、後に現在に至る13年間もその醜態を晒しているのです。

 

※当地は東住吉区矢田という地名ですが、元々は「富田」であって現在でも同地区に「富田墓地」などの名称が残っています。

 

 

 

 

まあ、何ちゅうかですね…

当時の大阪市と言いますと 役人どもがムチャクチャやりたい放題 の時代でして、要は箱物を建てまくったものの真面に経営する脳みそがそもそも無い集団ですから、かの フェスティバルゲート なんかもそうですが、どんどん破綻していったんです。

 

     

 

 

まあ、本音としては土建屋とズブズブの関係であったのはもちろんのこと、実際は自分達の同士が近く大量に退職するため、その 退職した後の天下り先 が必要だった訳で御座いまして、要は形振り構わず箱物を建てまくったと言うのが本音だったと思うのです。

 

 

 

 

で、このラスパOSAKAは当時流行りの健康ランドと酷似する内容の建物で 入館料は1600円 は、現在からしますと割高な印象ですが、肝心のお湯(温泉)は近隣の 矢田温泉 から分けてもらっていました。

 

     

 

※矢田温泉の泉質はすこぶる良くいと評判です。

こちらは近隣の湯里神社境内の井戸から昔はお湯が出るとの情報を知った業者が1988年に掘削した結果、45度の温泉が出たために銭湯として開業、現在もかけ流しでありながら490円で入浴できます。

 

 

 

 

ただ、それはそれで良いとしても、肝心要の経営陣が能無し 役所の天下り連中 ばかりですので、最初から 負の遺産 必至の泥船だったのです!

 

     

 

 

 

すなわち、奴らの脳みそには前例主義しか備わっていないので、要は 採算性とか商いとかは全く考えない と言いますか、そもそも人様に頭を下げてこなかった連中が幹部に座ったところで、民間企業と戦うなんて土台無理な話しなんですよ!

 

 

     

 

ですから、1999年にOPENして2010年には閉館してしまいましたが、実は銭かけまくった豪華な建物でしたので、これを再利用したいという企業が現れたのも当然でした。

 

 

 

 

これは、正式では無くて近隣の 事情通 からの情報と前置きしておきますが…

 

     

 

まず立候補したのは、パチンコ123でお馴染みの 延田グループ でして、こちらは羽曳野市で 延羽の湯 を展開していましたから、施設をそのまま活用して一部をパチンコホールにする予定だったとか…?

 

次に、どこかの専門学校が一括購入し、学校として活用するとか…?

 

いずれにしても、全くの出まかせでは無いと思うのですが、結局は地域住民の同意が得られなかったので、ご破算になったという経緯があるのです。

 

 

 

 

しかし、都会の一等地とは言えないまでも、これほどまとまった土地を雨ざらしにする意味もありませんでしたから、下のツイートにあるように、昨年になってようやく 大阪維新の会 吉村代表 が動いてくれたようです!

 

     

 

 

 

そして、新たにラスパOSAKAと隣接する矢田公園を含めた一帯を、民間の物流倉庫業者 日本GLP という会社が、その建設に先ごろ着手しました。

 

     

 

ぶつちゃけた話し…

一部ではショッピングモールになるんちゃうか?

との声もありましたが、これほど同じような施設が乱立しているのに加え、ショッピングモールとしては狭すぎることもあって、巨大な物流倉庫2棟+小さなショッピング施設が併設され、背後は大きな公園として生まれ変わるのようです。

 

こちらが完成予想図です。

 

     

 

 

ではなぜ? 物流倉庫なん…?

と思われるでしょうが、これは後にも先にも 阪神高速大和川線 の開通が大きいのです!

 

物流倉庫の前は片面2車線の道路(府道)で、大和川を渡って弊社前の信号を左折すれば 三宅西入口 までは、トラックでも5分程度でして…

 

     

 

ここから乗れば近畿道+西名阪道+阪和道に直結していますから、どこでもスイスイと移動できるので、正に物流倉庫としては打って付けの立地と言うことなのです。

 

 

 

腕上げたのぉ~、吉村君よ!

 

     

 

 

 

加えて、倉庫要因として新たに 900人程度の雇用 が生まれるだけでなく、警備や清掃、自販機の補充なんかも含めますとゆうに1500人程度が日々動くのですから、その家族を含めますとひとつの街が形成され、更に地域が発展すると言うことなのです。

 

 

 

つい先日のラスパOSAKAの様子です。

 

     

 

     

 

隣接する団地が解体され、本館も間もなく姿を消すことでしょうが、このような20世紀末に次々と誕生した 大阪負の遺産 が「猫の首に鈴を付ける」のごとく、自民も公明も立憲も共産もが完全に知らん顔して誰も意見すらせず、提案もせず、手をこまねいていて長年放置されてきた現実を私達はこの目で見ているのです!

 

ですから、正に「火中の栗を拾う」気迫を持って、ようやく大阪維新の会主導によって生まれ変わるラスパOSAKAの様子を目の当たりにしますと…

 

「そらぁ~ みんな維新に投票しまっせ!」 というのが自然の流れになってしまうのです。