10年に1度あるか無いかと言われるほどの 記録的大寒波 が西日本を襲ったのは、2023年1月24日の夜からでした…

 

もちろん、その影響に伴い各地で交通機関が寸断され、様々な影響が出たことについては、皆さんの記憶に新しいかと思います。

 

      

 

 

さて、そんな中でも特に深刻な事態に陥ったのは、JR京都線・琵琶湖線の山科駅付近だったようで、通勤ラッシュで満員だった列車が 5時間以上 も立往生してしまい、多くの苦情が殺到するに至った訳なのです。

 

  

     

     

 

では、なぜ毎度毎度このような悲惨な状況が起こってしまうのか?を、時系列を追いながら検証していこうと思います。

 

 

 

テレビのニュース番組では数日前より 大寒波 が襲来すると予報を出していて、不要不急の外出は控えてくださいと伝えていましたね!

 

     

 

そこで、普通は企業としての危機管理が働く訳なのですが、JR西日本でも当日の1月24日の列車運行は、 午後からは運休する路線あり という情報が流れていたものの、夕方6時頃の大阪での降雪は無く、近隣を走る JR阪和線 も普通に動いていました。

 

 

 

 

ところが、その直後に京都市内で下宿している親戚の子供さんから珍しくLINEが届きまして、市内は一気に降雪があって 雪が積もって大混乱している と画像が送られてきたのです!

 

     

※京都工芸繊維大学の校内

 

     

※付近の交差点

 

 

 

え~~~?

こら、大阪とえらい違うな?

てことは、JRも京都ら辺で止まっとるな?

 

と思いきや、ちゃっかり動いていたようでしたから、このような積雪がありながら、現場の駅員や運転士らは 危ないんちゃうか? とか やばいんちゃうか? という気持は微塵も無かったのでしょうか?

 

     

 

加えて、ぬくぬくと暖房の効いた大阪の本社では、その指揮を出す経営幹部はその事態を知ろうとさえせず、鼻くそでもほじっていたのでしょうか?

 

まあ、どちらにしましても現場も本社も危機管理の欠片すらない企業であるのは間違いなく、ここが他の在阪私鉄とは根本的に違うところでもありましょう!

 

 

 

 

さて、今回の立往生の最大の原因はポイント…

いわゆる転轍機(てんてつき)の先端部分に雪が噛んでしまい、要は転轍不良(ポイントが変わらない)を起こしてしまったのが最たる原因でしたが、このような状況を防ぐには カンテラ を用いて雪を解かす方法が一般的なのです。

 

     

 

この同じ時刻、在阪私鉄の多くは事前に用意してたカンテラを用いて何とか運行されていましたが、何の対策もとらなかったJR西日本は、まんまと積雪の好餌(こうじ)となってしまい、京都駅を前後として大量の列車が動けなくなってしまったのでした。

 

     

 

     

 

 

後に、JR西日本幹部の会見では、当日の積雪予報が融雪器(カンテラ)を設置する規定の10cmを下回ると予想していたものの、実際は15cm以上の積雪があって対応が遅れました云々と、終始言い訳ばかりしていました。

 

 

     

  

 

実は一昨年にも同様の立往生事故があって、あれほど世間からバッシングされていながら、無神経なのかそれともどこか脳の一部が欠落しているのか、全く過去の教訓から何も学ぶ気が無いのです。

 

その時のブログ↓

 

 

 

さて、だったら不測の大寒波をうけてやむなく立往生してしまったのは仕方無いとしても、なぜ5時間もその場から列車を動かすことが出来なかったのでしょうか?

 

 

 

1.列車指令と運転士の立場

昔のSL機関士が同じ状況に遭遇したとしても、当時は指令だのマニュアルだのが無かった時代ですから、機関士の長年の勘のようなものに頼って列車は運行されていました。

 

     

 

しかし、今は保安設備や何やかんやもあったりして、もしも不測の事態に遭遇した場合、運転士は自身の勘だけに頼らずにまず 列車指令の指示を仰ぐ ようにしているのです。

 

まあ、一人の判断より多人数で考えた方がより良い方法が見つかったりするのですが、それ以前に今の列車指令の係員がそもそも現場たたき上げの社員かどうなのかによって、大きく判断が変わってくると思うのです。

 

     

 

すなわち、現場の経験すら無いエリートが指令室を牛耳っていたとすれば最悪で、現地の状況を把握することなく 自らに責任が及ばない場当たり的な方法 を選択する訳ですから乗客の事なんぞは二の次であって、結果はかのガダルカナル島の戦いと同じく、悲惨な結末しか待っていないのです。

 

 

 

 

国鉄時代もありましたな…

東大の新卒りがいきなり西九条の駅長に就任してね… 

高卒なら30年かかる駅長の座を、何も知らないチ〇毛すら生えていないド素人がいきなり駅長になったとしても 裸の王様 であるはずなのに、数ヶ月して本社に転勤して「現場経験してきました!」ていうのがね…

 

ですから、 風雲たけし城 の谷隼人よろしく、現状を知らない指令が「行け!」と言われれば、どんな状況であろうと運転士は行かなければならないんですね今は…

 

     

 

でも、一番状況を知っているのは他ならぬ現場社員であって、暖房効いた室内でああせい!こうせい!と指示を出す歪な力関係を是正する良い機会だと思いますし、要は、 現場7 指令3 程度の 現場優先 で風通しを良くして事を運ぶことが良いと思いますね?

 

 

 

 

 

2.乗客のことより転轍機の復旧が優先?

今回の立往生が発生した山科駅は、上り方面の先には東海道本線と 湖西線 とを分岐する転轍機がありまして、四六時中ガチャガチャと動いている重要ポイントなのです。

 

 

     

 

 

ですから、戦争で言ったら軍事要塞であって、要は東海道本線という動脈の要所ゆえに ここがヘタったら大変 な箇所であるはずなのに、マニュアルで積雪が10cm以上で融雪器(カンテラ)を用いて…

なんて言い訳している時点で、脳みそがお花畑と言いますか、失礼ながらこの方は顔からして陰気臭いと申しましょうか、負のオーラが出まくっていますね?

 

 

     

 

 

さて、5時間という時間ね…

恐らくなんだけれど、事態の深刻性を遅ればせながら理解した幹部らが、これまた場当たり的に慌てて近隣にある京都の係員(保線区?)に指示し、そこから鉄道が止まっているから仕方なく車で山科駅まで急行したんだけれど大渋滞…

で、ここまでの時間を要したとも読めるのです。

 

     

 

 

 

例えば、山科駅から発車しようとする列車が湖西線に入るのに、転轍機が転換不良でどうにもならないんだったら、一旦全ての客を降ろして回送にして発車させれば次の列車がホームに入ってこれるんですね!

 

でも、湖西線に入る列車を どうしても湖西線に入れようとする からこんな惨事になったんとちゃいますか?

 

 

 

幹部連中の脳内が戦前の軍部と同じ考えだから、かの ミッドウエイ海戦 の時と同じく、作戦の途中で敵の空母を発見したのなら 臨機応変 に対応して、魚雷に交換せず陸用爆弾のまま発艦していれば戦記は大きく変わったかも知れないんです。

 

     

 

※敵空母は陸用爆弾で撃沈出来ないけれど、飛行甲板に穴を開けることは出来るので、そうなれば敵の飛行機が離発着出来ない。

 

 

 

つまり、平時ならそれでも良しとしても、このような一兆有事に酷似した状況であるのなら、もっとフレキシブルに行かないと!

 

大惨事が発生して空腹の避難民が店頭に行列しているのに、ウチの店は手打ちの蕎麦屋だから「蕎麦しか出さねぇ」…

今から蕎麦粉を仕入れに行ってくるから3時間待ってじゃなくて、おにぎりでも丼でも食べれる物は何でも出してほしいということなんです。

 

 

 

 

3.とにかく列車から降ろすことを最優先に

今回のように屋外に積雪があって、ただでさえ足元が悪い線路上で、しかも深夜に徒歩で乗客を駅まで移動させることは、様々な二次災害を引き起こす危険性があるのです。

 

     

 

それと、 三河島事故 の教訓もありますから、安易に客を線路に降ろしてはダメなのですが、だったら何としてでも 近くの駅へ停車できる方法 を考えなければならないと思うのです。

 

今回はたまたま架線が断線しておらず、どの列車も自力走行出来る状態でしたからまで良いのですが、もしも強風で架線が断線してしまい、車内灯も冷暖房も停止してしまったとするのなら、恐らく死人が出ていたことでしょう!

 

だとすれば、自力走行できる段階で前述のように先行列車をホームから出し、後続列車の前の1両だけでもホームに掛かれば、最悪 Dコック を使ってでもホームに降りることが出来ますね!

 

また、赤信号でATSが作動とたとしても、これこそ指令と駅などと綿密に打ち合わせをし、ATSを一時解除して走行すれば良いのであって、もしもこれが一刻を争う地震なんぞに遭遇したとするのなら、今回のように四の五の言っておれないのです。

 

     

 

   

 

良くも悪くも、山科駅のような規模であればトイレをはじめ、駅前にはコンビニや牛丼店もありますし、よしんば体調不良の方がいらっしゃたとしても、救急車との連携は可能ですね!

もちろん、通電していれば車内も暖房が効いていますから、残るも良し行くも良しであって、後はそれぞれの判断で行動すれば良いのです。

 

     

 

あと、特筆すべきは 京都市交通局 は、もしもの時を想定して職員を事前に招集し、地下鉄山科駅構内を解放して パンや飲料水を配布した と言うことですから、ほんまに最悪の事態には至らなかったのは何よりなのです。

 

     

 

幸か不幸か、今回は命を落とされる方はいらっしゃらなかったけれど、一歩間違えば(間違っている)大惨事に発展していた事案だけに、JR西日本の幹部だけでまとめた改善策云々では無くて、現場の声もよく聞いた上で再発防止に努めて欲しいんだけれど…?

 

あれほどの大事故を起こしても、いまだに懲りていないと申しましょうか、こんな目に遭っても明日からまたJRを利用しなければ仕方ない民なので、彼らにとっては痛くも痒くも感じておらず、また同じことを永遠に繰り返すことでしょう。

 

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